「ダイエットをしているが、なかなかお腹のお肉が落ちない」
「体重が増えたわけじゃないのに、下腹部がぽっこりしてきた気がする」
など、お腹周りの脂肪に関する悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、お腹周りに脂肪がつきやすい原因や、ぽっこりお腹を解消する簡単ストレッチや筋トレ方法を解説します。
理想のボディラインはもちろん、健康的な体を手に入れたい人も是非参考にしてください。
【目次】
- ぽっこりお腹の5つの原因
- 【ぽっこりお腹の原因1】内臓脂肪と皮下脂肪
【ぽっこりお腹の原因2】姿勢の悪さによる骨盤のゆがみ
【ぽっこりお腹の原因3】筋力不足
【ぽっこりお腹の原因4】便秘とガス溜まり - 【ぽっこりお腹の解消法1】食生活の見直しと腸内環境の改善
- バランスの良い食事
食物繊維の摂取
水分の摂取
適度な糖質制限 - 【ぽっこりお腹の解消法2】有酸素運動のエクササイズ
- ウォーキング
ジョギング
サイクリング
水泳 - 【ぽっこりお腹の解消法3】筋肉トレーニング
- 骨盤底筋トレ
ドローイン
レッグレイズ
シザーキック
ライイング・ウインドシールドワイパー - 【ぽっこりお腹の解消法4】姿勢改善とストレッチ
- 背筋を意識
「大腿直筋」をほぐして反り腰を改善
骨盤のゆがみを改善するストレッチ
オフィスやテレビを見ながらできる体操 - 【ぽっこりお腹の解消法5】マッサージ
- 腸もみ
腹式呼吸 - ぽっこりお腹を解消するためのコツ
- ぽっこりお腹を解消して理想の体を手に入れよう
ぽっこりお腹の5つの原因
ここでは、ぽっこりお腹の原因となる5つのポイントをご紹介します。
【ぽっこりお腹の原因1】内臓脂肪と皮下脂肪
「脂肪が気になる」と一口で言っても、脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類があり、それぞれ特徴や原因が異なります。
内臓脂肪
内臓脂肪とは、その名の通り胃や腸などの内臓周りに付く脂肪のことです。外からは確認できないため、内臓脂肪が増えてもなかなか自覚することが難しいとされています。
内臓脂肪が増える原因は、脂肪や糖、カロリーの摂りすぎや、アルコールの過剰摂取、運動不足などが挙げられます。
内臓脂肪が増えやすい食事として、以下のようなものが挙げられます。
■うどんなどの麺類+丼物など、炭水化物ばかりのメニュー
■脂肪分の多い揚げ物、スナック菓子
■糖質の多い甘いお菓子、アイスクリームなど
■ビールや焼酎などのアルコール飲料
また、加齢による基礎代謝の低下も原因の一つで、中年期以降に内臓脂肪が増えやすいとされているのは、このためです。
内臓脂肪が増えすぎて起こる肥満を「内臓脂肪型肥満」といい、30代男性の約3割がその疑いがあるというデータが出ています。「内臓肥満型肥満」の基準値は、性別によって異なります。
■内臓肥満型肥満の基準
BMI | ウエスト周囲径 | 腹部 CT 法による内臓脂肪面積 | |
男性 | 25以上 | 85cm以上 | 100cm²以上 |
女性 | 25以上 | 90cm以上 | 100cm²以上 |
国民健康・栄養調査1によると、男性は20代~30代から、女性は50代以降で肥満の割合が急増しています。
内臓脂肪を溜め込み過ぎると、脂質異常、高血糖、高血圧などの症状が表れやすくなり、このうち2つ以上を合併すると「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」と診断されます。
女性の場合、「エストロゲン」という女性ホルモンが「内臓脂肪」を「皮下脂肪」に変える働きがあるため、内臓脂肪型肥満やメタボリックシンドロームにはなりにくいとされています。とはいえ、生活習慣の乱れや、無理なダイエット・更年期などの理由でホルモンバランスが乱れると、エストロゲンが減少し、内臓脂肪がつきやすくなります。
皮下脂肪
皮下脂肪は、内臓脂肪とは異なり皮膚のすぐ下につく脂肪のことです。
二の腕などあまり動かさない場所につきやすい脂肪ですが、腹部、太もも、お尻周りなど、下半身に付きやすいのが特徴です。その形から、皮下脂肪が多い体型のことを「洋ナシ形肥満」と呼びます。
皮下脂肪に限らず、脂肪は「摂り過ぎたエネルギーを貯蔵する」「体温を保つ」という役割を持ちます。しかし、皮下脂肪は内臓脂肪と違って一度つくと減りにくいという性質があります。これは、体内でエネルギーが必要になった際には内臓脂肪が優先的に使われ、皮下脂肪は手つかずになりやすいためです。
皮下脂肪も内臓脂肪と同じように、カロリーの過剰摂取や運動不足によって体に蓄積されます。消費カロリーより摂取カロリーが多いと、肝臓は中性脂肪を作り、血液中に送り出されます。この中性脂肪が皮下脂肪・内臓脂肪のどちらに蓄積されるかは、ホルモンの影響や体質、年齢などによって異なります。
ぽっこりお腹の原因が皮下脂肪か内臓脂肪かを確認するには、お腹に力を入れ、おへその周りを摘まんでみましょう。しっかりと掴める場合は、皮下脂肪による肥満の可能性が高いです。
さらに、皮下脂肪型肥満が続くと、「睡眠時無呼吸症候群」、膝や腰の関節痛、月経異常などの症状が表れることがあります。特に睡眠時無呼吸症候群は中等症以上になると、生活習慣病の発症にも影響があるため、早めに対処することが大切です。
こうした内臓脂肪・皮下脂肪によるぽっこりお腹を解消するには、食生活の見直しや有酸素運動、筋トレなどで改善できます。下記項目も参考にしてください。
【ぽっこりお腹の解消法1】食生活の見直しと腸内環境の改善
【ぽっこりお腹の解消法2】有酸素運動のエクササイズ
【ぽっこりお腹の解消法3】筋肉トレーニング
【ぽっこりお腹の原因2】姿勢の悪さによる骨盤のゆがみ
お腹がぽっこりとする原因には、脂肪だけでなく「姿勢」も大きく関わっています。
片側にだけ体重が偏る歩き方・座り方を続けてしまうと、骨盤が歪んでしまいます。骨盤の歪みは大きく分けて、骨盤が前に傾く「前傾タイプ」(反り腰)と、「後傾タイプ」(猫背)が存在します。
前傾タイプは、腰が大きく反り返り、お尻が出っ張りやすいのが特徴です。また、お腹を突き出すような姿勢のため、そこに脂肪が溜まりやすく「ぽっこりお腹」になりやすいという性質があります。
一方、後傾タイプは猫背になりやすく、お尻がたるみやすいのが特徴です。また、がに股やO脚、X脚になりやすいのもこのタイプです。
ここでは、この2タイプの骨盤の歪みについて、詳しく解説します。
・前傾タイプ
前傾タイプは、骨盤が前に傾き、腰が反り返っている(反り腰)姿勢のことです。腰が反ると、必然的にお腹を前に突き出すことになり、お腹周りが強調されるような姿勢になります。
骨盤が前に傾く原因に、ヒールの高い靴を履くことや、妊娠による体型の変化が挙げられます。ヒールの高い靴を履くと、前のめりの姿勢になってしまい、バランスをとるために腰を反らせてしまいます。また、妊娠してお腹が大きくなった時も、同様のことが起こります。さらに、ヒールを履くのをやめた後や出産後も、姿勢が癖になってしまい、反り腰のままで骨盤の前傾は改善しないことが多いようです。
・後傾タイプ
後傾タイプの特徴として、骨盤が後ろに傾くことでお尻が引っ込み、背中や腰が丸まり、猫背の姿勢になることが挙げられます。
また、太ももの裏側の筋肉が張りやすくなり、お尻の筋力が低下することでお尻がだんだんとたるんできます。
骨盤が後傾する原因は、座り方に大きく影響を受けていると考えられます。
長時間デスクワークなどで椅子に座り続けていると、だんだんとずり落ちるような座り方になり、腰が前に突き出してきます。
この状態が長く続くと骨盤が後ろに傾き、歪んでしまうのです。
また、長時間座り仕事を続けると下半身の筋力が衰え、ますますずり落ちるような座り方になるという悪循環に陥ります。
この状態を改善するには、下半身の筋力トレーニングや、骨盤の歪みをリセットする運動が効果的です。
【ぽっこりお腹の解消法3】筋肉トレーニング
【ぽっこりお腹の解消法4】姿勢改善とストレッチ
【ぽっこりお腹の原因3】筋力不足
姿勢の悪い状態が続いたり、慢性的な運動不足に陥ると、お腹周りの筋肉量が低下します。腹部や背中の筋肉は、内臓の下垂を防ぎ、あるべき場所にキープする働きがあります。この力が衰えることで、内臓が下へ下へと下がり、下腹がぽっこりと出っ張ってしまうのです。
こうした症状を改善するには、有酸素運動によるエクササイズや、筋肉トレーニングが有効です。以下で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【ぽっこりお腹の解消法2】有酸素運動のエクササイズ
【ぽっこりお腹の解消法3】筋肉トレーニング
【ぽっこりお腹の原因4】便秘とガス溜まり
便秘とは、腸内に便やガスが留まり続け、十分に排出されない状態を指します。日本内科学会の定義では「3日以上排便がない状態」とされていますが、「排便はあるが、残便感がある」など症状には個人差があります。
便秘により便がお腹に留まり続けると、腹部がぽっこりと膨らんできます。
便秘が起こる原因は、主にストレスや運動不足、水分不足、野菜不足などがあります。こうした要因により大腸が便を送り出しにくくなるのです。
便秘が長期化すると、腸に留まった古い便から栄養を再吸収してしまいます。その結果、全身に老廃物がめぐり、肌荒れなどの症状を引き起こします。
また、老廃物が蓄積されることによって、腸内環境の悪化や内臓機能の低下を招き、基礎代謝が下がり、太りやすくなります。
便秘を解消・予防するには、食生活を見直し、腸内環境を整えるのが有効です。また、腹部のマッサージや呼吸法によっても改善が期待できるため、以下でご紹介します。
【ぽっこりお腹の解消法1】食生活の見直しと腸内環境の改善
【ぽっこりお腹の解消法5】マッサージ
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【ぽっこりお腹の解消法1】食生活の見直しと腸内環境の改善
ぽっこりお腹を解消するには、食生活の見直しや、腸内環境の改善が大切です。
食生活を改善は内臓脂肪の減少だけでなく、便秘の予防や改善にも効果を発揮します。
おすすめの食材や飲み物をご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
バランスの良い食事
お腹のぽっこりが気になるからと言って、過剰に食事の量を減らしてしまうのはNGです。例えば、整腸効果のある食物繊維が十分に摂れないと、便秘が悪化してしまいます。
さまざまな食材を偏りなく食べることで、体を作る栄養素を効率的に取り入れられるのです。
栄養バランスの良い食事の目安として、以下のような組み合わせが挙げられます。
- ■主食である米やパンなど(炭水化物)
- ■主菜である肉・魚・卵など(タンパク質)
- ■副菜である野菜、きのこ、海藻など(ビタミン・ミネラル・食物繊維)
- ■上記で足りない栄養素を補う汁物
「ご飯や麺類が好きだから」と炭水化物ばかりを食べるなど、偏った食事をするのもよくありません。脂質・糖質の高い食べ物を食べすぎると、中性脂肪が増加し、体脂肪率の上昇や肥満のリスクが高まります。
また、朝・昼・晩の3食は、可能な限り同じ時間に食べるといいでしょう。消化器系の体内リズムが整い、スムーズな消化が促されるため、便秘の解消に繋がります。
食物繊維の摂取
食物繊維は、人の体内で生成される消化酵素では消化できない物質です。ほとんどの栄養素は小腸までに消化・吸収されますが、食物繊維は大腸まで届き、整腸作用があることが分かっています。
また、食物繊維は摂り過ぎた脂質や糖、ナトリウムに吸着し、体外に排出する働きがあります。そのため、肥満防止や生活習慣病の改善効果も期待できる栄養素なのです。
厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、日本人が1日あたりに摂取すべき食物繊維の目標量が定められています。
食物繊維の成人男女別の摂取量、摂取目標量を下記の表にまとめました。
年齢 | 男性:摂取量 | 男性:目標値 | 女性:摂取量 | 女性:目標値 |
18歳~29歳 | 11.27 | 20.39 | 10.65 | 16.92 |
30歳~49歳 | 12.16 | 21.24 | 11.57 | 17.60 |
50歳~64歳 | 14.00 | 21.21 | 13.87 | 17.79 |
65歳~74歳 | 15.76 | 20.51 | 15.86 | 17.37 |
75歳以上 | 15.61 | 19.22 | 14.35 | 16.54 |
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、それぞれをバランスよく摂取することで腸内環境の改善が期待できます。
しかし、食物繊維を摂っても便秘が解消されずつらい場合は、必ず専門医に相談しましょう。
・水溶性食物繊維
水溶性食物繊維とは、その名の通り水に溶ける性質を持つ食物繊維です。
水溶性食物繊維を摂取することで、小腸での糖やコレステロールの吸収速度をゆるやかにします。これにより血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑えられ、生活習慣病の予防などに効果があるとされています。
水溶性食物繊維は、穀物では押し麦、豆類では納豆やきなこ、野菜ではゴボウ、ニンニク、オクラなどに豊富に含まれています。また、焼きのりやワカメなどの海藻類、ジャガイモなどの芋類にも多く含まれています。
・不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は保水性が高く、胃や腸で水分を吸収して便の量を増やしたり、腸を刺激する効果があります。刺激された大腸はぜん動運動が活発になり、便の排出がスムーズになります。
また、不溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やす働きがあるため、腸内環境が整い、便秘の解消が期待できます。
不溶性食物繊維は、グリンピースや大葉、モロヘイヤなどの野菜や、小麦粉やオートミールなどの穀物、しらたきや生芋こんにゃくなどの芋類に多く含まれています。
その他には、キクラゲやシイタケなどのキノコ類全般、ごま、落花生、アーモンドなどにも多く含まれています。
水分の摂取
体内の水分量が不足すると、便に十分な水分が行き渡らなくなります。すると便が硬くなり、スムーズな排出を妨げてしまうのです。
1日に1.5~2リットルの水を飲むと、腸のぜん動運動が活発になり、便秘の解消が期待できます。特に、朝一番でコップ1杯の水や白湯または牛乳を飲むと、腸が刺激されて便意が促進されます。
また、水分補給の際にはヨーグルト飲料などの乳酸菌飲料を併せて飲むのもおすすめです。乳酸菌の効果で腸内環境がよくなり、便秘の改善や免疫力アップなどの効果があるとされています。
適度な糖質制限
過度に糖質を摂りすぎると、コレステロール値の上昇や肥満に繋がります。そのため、近年では糖質を控える「糖質制限ダイエット」にチャレンジする人も増えているようです。
しかし、糖質を制限することで食物繊維が不足したり、食事から摂れる水分量が減少するため、結果的に便秘に繋がるケースもあるようです。
適度に糖質を制限するには、1日の糖質量を70~130g程度とし、必ず1食あたり25~40gは摂るようにしましょう。
また、糖質制限をスタートする時はいきなりガクンと減らすのではなく、徐々に上記の数字に近づけるように減らしていくのがポイントです。
【ぽっこりお腹の解消法2】有酸素運動のエクササイズ
有酸素運動とは、ウォーキングなど比較的筋肉への負荷が軽い運動を指します。
有酸素運動の特徴として、一定時間運動を続け、脂肪を燃焼し始めると、その後も脂肪を燃焼し続けるというものがあります。
また、体力の消耗が激しい無酸素運動と異なり、有酸素運動は負荷が軽い運動です。そのため、長時間続けても疲労感がそれほど残らず、運動習慣として続けやすいのがメリットと言えるでしょう。
有酸素運動を継続することで、内臓脂肪の減少、高血糖や高血圧の改善が期待できます。
ウォーキング
ウォーキングには、継続して行うことで脂肪を燃焼させる効果があります。また、ウォーキングは全身運動のため、下半身、二の腕、背中、お腹周りなど、さまざまな部位への引き締め効果も期待できます。
さらに、ウォーキングを行うと、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されやすくなります。特に起床してから1時間以内に15~30分程度、朝日を浴びながらウォーキングするのがおすすめです。朝の散歩を習慣化することで、昼の活動中の代謝もアップします。
運動が苦手な人や、激しい運動が難しい高齢者、肥満体型の人にもウォーキングは始めやすいため、非常に優秀な有酸素運動と言えるでしょう。
ジョギング
ジョギングは健康維持のために有効な有酸素運動の一つです。
「ジョギング」と聞くと、「速いスピードで走る」というイメージがあるかもしれませんが、これは誤りです。
走る速度の目安が6.4km/h以上だと「ランニング」とし、こちらは無酸素運動に分類されます。一方、速度が6.4km/h以下の場合は「ジョギング」と呼び、有酸素運動に分類されるのです。とはいえ、ジョギングも正しい方法で行わないと体にかかる負担が増してしまいます。
ジョギングをする前には、しっかりとストレッチなどでウォーミングアップをすることで、ケガのリスクや足にかかる負担を軽減することができます。
また、無理に長い距離を走るのも、効果的な方法とは言えません。あくまで無理のない範囲で、少しずつ走る距離を伸ばすことが大切です。
また、走る時のフォームは姿勢をまっすぐにし、目線を前に向けましょう。スタートしたら前傾姿勢を意識し、足はかかとから着地します。腕は力を入れず、肘を直角に曲げ、胸まで拳を上げるように意識しましょう。
ジョギングをすると脂肪燃焼・ダイエット効果だけでなく、基礎代謝アップや、便秘解消、ストレス解消、肌荒れの改善など、さまざまな効果が期待できます。
また、ジョギングで最も大切なポイントは、無理をし過ぎない事です。高すぎる目標を設定したり、体調が悪い時にも無理してジョギングをしようとするのはご法度。無理のない範囲で、コツコツと続けられる人に向いている運動だと言えるでしょう。
サイクリング
サイクリングは、自転車の負荷を変えることで無酸素運動にも有酸素運動にもなります。軽い負荷に設定し、景色を楽しみながら長距離走ることで、長く続けやすい運動習慣になります。
サイクリングは、脚や太もも、お尻周りなどの下半身にのみ有効な運動だと思われがちです。しかし、実際はバランスをとるためにお腹周りや背中の筋肉も使うため、上半身の筋肉も鍛えることができます。
サイクリングには心肺機能や持久力の向上、体脂肪を燃焼させるなどの効果があります。また、ウォーキングやジョギングに比べ、膝などの関節にかかる負荷が少ないため、肥満体型の方や関節に不安のある方にもおすすめのトレーニングと言えるでしょう。
ただし、雨天の際や雨上がりで道が滑りやすくなっている際は、安全のため無理せず中止しましょう。晴れた日や、朝などの明るい時間に行うことで、事故や転倒のリスクを避けることができます。
水泳
水泳はサイクリング同様、関節に負荷のかかりにくいトレーニングです。
水中は浮力が働き、体重が足首や膝などの関節にかかることはありません。また、屋外でウォーキングするのに比べ、水中でのウォーキングは水圧がかかる分消費カロリーも多くなります。
また、水泳や水中ウォーキングは、水圧によって全身の筋肉に軽度の負荷がかかります。そのため、非常に効率よく全身の筋肉を鍛えることができるのがメリットです。
水中ウォーキングや長距離をゆっくりと泳ぐ水泳は、有酸素運動による脂肪燃焼効果も期待できます。
水中ウォーキングの場合、歩き方のフォームを意識することで、脂肪燃焼効果がアップします。
まず、顔は前に向けてお腹を引き締めます。胸を張り、骨盤を前に出すようにゆっくりと歩きましょう。この時、体幹を意識してまっすぐな姿勢を保つようにすると体幹のトレーニングにもなります。
クロールや平泳ぎなど、泳ぐ際には全身の力を抜き、リラックスして息が苦しくない程度のスピードで行うと良いでしょう。
【ぽっこりお腹の解消法3】筋肉トレーニング
有酸素運動は、脂肪燃焼やぽっこりお腹の解消に効果が期待できます。
しかし、有酸素運動と一緒に筋トレも行うことで、基礎代謝が向上し、有酸素運動時の消費カロリーもアップします。そのため、効率的なダイエットができるというわけです。
筋トレメニューに関しては、YouTubeにさまざまなトレーニング方法が紹介されているので、自分にあったものを探してみてください。下記でも、ぽっこりお腹に効果的なトレーニング方法をご紹介しています。
骨盤底筋トレ
骨盤底筋とは膀胱、子宮、直腸などの臓器を支えている筋肉です。その名の通り骨盤の底にあり、排せつの制御などを担っています。そのため、この筋肉が緩むと尿漏れなどの症状が表れることがあります。
骨盤底筋は下腹に位置するインナーマッスルのため、ここを鍛えることでぽっこりお腹の解消が期待できます。また、子宮や直腸などの内臓が正しい位置にキープされ、骨盤周りの血流がよくなり、冷え性の改善にも繋がります。
以下では、骨盤底筋を寝ながら・座ったまま鍛えることができるトレーニング法をご紹介します。
■寝ながらできる骨盤底筋トレーニング
- 仰向けになり、足を少し開いて両膝を軽く曲げます。
- 5秒間、肛門や膣、尿道を引き締めます。
- 5秒経ったら体の力を抜き、リラックスします。
- 2~3を1分続け、これを10回繰り返します。
■座ったままできる骨盤底筋トレーニング
- 椅子に浅く腰かけ、太ももの間に丸めたタオルやクッションなどを挟みます。この時、足は膝より広く開きましょう。
- 息を吐きながら肛門や膣、尿道を引き締め、陰部全体を引き上げるように意識します。
- 10秒経ったら力を抜き、リラックスします。
ドローイン
ドローインは、腹横筋などのお腹周りのインナーマッスルを鍛える方法です。
いわゆる「腹筋運動」と言われる筋トレと異なり、仰向けになり腹式呼吸を繰り返すだけなので、疲れにくいのが特徴です。
お腹の内側の筋肉を鍛えることにより、ぽっこりお腹に効率的に働きかけ、引き締まったウエストを手に入れることができます。
また、呼吸の深さに影響する横隔膜も一緒に鍛えることができるため、心肺機能のアップも見込めます。
以下で、ドローインのやり方をご紹介します。
- 仰向けに寝て、両膝を軽く曲げて立てます。
- 息を吐きながらお腹をへこませます。4秒間吐き出したら、ゆっくりとお腹をへこます前の状態に戻します。
- これを5回、朝晩2セット繰り返します。慣れてきたら回数を増やすのも良いでしょう。
レッグレイズ
レッグレイズは、道具を一切使わず、体1つでできるトレーニングです。
レッグレイズを行うことにより、体幹を司る腹直筋や腸腰筋など、お腹周りの筋肉が鍛えられます。そのためぽっこりお腹の解消はもちろん、体幹が鍛えられることにより運動のパフォーマンスがアップする効果があります。
以下、レッグレイズのトレーニング方法をご紹介します。
- 仰向けになり、両足をまっすぐ伸ばします。両手は床に置き、リラックスしましょう。
- 両足を軽く浮かせ、かかと同士をつけます。
- かかとをくっつけたまま、足を上げていき、地面と垂直になるまで持ち上げます。
- 地面に向かってゆっくりと足を下ろします。
- 地面にギリギリつかない程度まで降ろしたら、再び足を持ち上げます。この時上半身には力を入れないように気を付けましょう。
- 4~5を1セットあたり10回繰り返します。
シザーキック
シザーキックは、腹直筋や腸腰筋などを鍛え、下腹部痩せの効果があるトレーニング方法です。また、内ももやお尻の外側の筋肉にも刺激を与え、シェイプアップ効果が期待できます。
以下、シザーキックのトレーニング方法をご紹介します。
- 仰向けに横になり、手を体の両側に添えます。(お尻の下に敷き、固定するのもいいでしょう)
- 両足をしっかりと伸ばし、床から持ち上げます。
- 両足を開き、地面に足がつかないようクロスさせます。
- 再び足を開き、足を組みかえてもう一度クロスします。
- 3~4を20回繰り返します。これを3セット行います。
ライイング・ウインドシールドワイパー
ライイング・ウインドシールドワイパーは、脇腹の筋肉(腹斜筋)をメインに鍛える運動です。
腹斜筋を鍛えると、ウエストのくびれがはっきりとするだけでなく、体の軸が強化され、姿勢の改善にも効果があります。
以下では、ライイング・ウインドシールドワイパーのトレーニング方法をご紹介します。
- 仰向けで横になり、両足をまっすぐに伸ばします。
- 両脚を垂直に上げ、右の真横に向けて足を倒します。この時、ゆっくり下ろすと負荷がアップします。
- 床に足は着けずに直前で止めます。
- 再び脚を持ち上げ、左側に倒します。
- これを10~15回、3セット行います。
【ぽっこりお腹の解消法4】姿勢改善とストレッチ
ぽっこりお腹になりやすい原因の一つに、姿勢の悪さからくる骨盤の歪みがあります。常日頃から姿勢を意識し、反り腰や猫背にならないように意識することが大切です。
ここでは、姿勢改善に向けて意識すべきことや、骨盤の歪みを治すストレッチなどをご紹介します。
背筋を意識
「背筋をピンと伸ばす」という言葉があるように、姿勢を改善するのには背筋を意識することが大切です。
特に座っている間の腰への負担は「腹横筋」や背筋が支えています。「腹横筋」は、腰周りを取り囲んでおり、「天然のコルセット」とも呼ばれます。背筋や腹横筋を意識して正しい姿勢で座ることで、猫背や反り腰を予防できるのです。
「背筋をピンと伸ばす」という言葉があるように、姿勢を改善するのには背筋を意識することが大切です。
特に座っている間の腰への負担は「腹横筋」や背筋が支えています。「腹横筋」は、腰周りを取り囲んでおり、「天然のコルセット」とも呼ばれます。背筋や腹横筋を意識して正しい姿勢で座ることで、猫背や反り腰を予防できるのです。
正しい座り方のポイントは3つあります。
1つ目は、椅子に深く座った状態で座骨を座面に当て、背筋を伸ばすことです。この時、左右の座骨には均等に体重がかかるように意識しましょう。
2つ目は、足の裏全体を地面につけることです。椅子が高く足が届かない場合は、調節するかフットレストを置きましょう。
3つ目は、顎を引いて頭~腰にかけてまっすぐの姿勢をキープすることです。頭の上から糸で吊るされているようなイメージを持つと、この姿勢を保ちやすいと言われています。
まずは、正しい姿勢を理解するところから始めましょう。
「大腿直筋」をほぐして反り腰を改善
「反り腰」は、骨盤が前に傾くことで起こる体の歪みの一つです。
太ももの前にある「大腿直筋」は、膝の下から骨盤まで伸びている筋肉で、主に膝関節や股関節の働きに関わっています。
しかし、この大腿直筋が短縮すると、骨盤が前屈して反り腰になりやすくなるのです。
特に女性は妊娠などの影響で反り腰になる人も多いため、ストレッチ等で大腿直筋をほぐし、歪みを戻すことが大切です。
以下で、大腿直筋のストレッチ方法をご紹介します。
- 床に座り、両足を伸ばします。
- 伸ばしたい方の足の踵を、お尻の外側につけるように曲げます。この時、つま先は外側へ向けましょう。
- 上体をゆっくりと後ろに倒し、手は腰より後ろの床につけます。
- 太ももの前が伸びているのを意識しながら、20~30秒キープします。この時、腰をそらさないように注意しましょう。
- もう片方の足も同様にストレッチします。
骨盤のゆがみを改善するストレッチ
骨盤のゆがみを改善すると、姿勢が美しくなるだけでなく、内臓が正しい位置に戻り、お腹が目立ちにくくなります。
さらに、骨盤のゆがみを毎日リセットすることで、血流がスムーズになり、代謝がアップ。結果として痩せやすい体をつくることができます。
インナーマッスルを鍛え、筋肉量を増やすためにも、ぜひ毎日のストレッチを取り入れてみてください。
・ヒップウォーキング
ヒップウォーキングとは、その名の通りお尻で歩く骨盤のストレッチです。
股関節をほぐし、骨盤の歪みを正す効果が期待できます。ヨガマットをお持ちであれば、敷いてその上で行うとお尻への負担が軽減されます。
- 両ひざを揃えて座り、足を前に伸ばし、膝を軽く曲げます。
- 両腕を胸の前でクロスし、かかとを揃えた状態で、お尻を交互に動かし前進します。この時、かかとの位置は動かさずに、膝を曲げるようなイメージで進みます。
- 5歩前進したら、同じように5歩後退します。
- この動きを2回繰り返します。
前進・後退する時は、骨盤を意識しながらしっかりと腰をひねりましょう。また、この時下腹部の筋肉を意識しながら行うと、ぽっこりお腹の引き締め効果がアップします。
・ひざ倒し
ひざ倒しは、座ったまま簡単に行えるストレッチです。腰回りの筋肉に働きかけ、骨盤の左右の歪みを改善し、足の長さを揃えることができます。
- 体育座りの要領で両膝を立てて床に座り、両手をお尻の後ろにつかせます。この時、両膝が触れ合わないよう、適度に間隔をあけましょう。
- 息を吐きながら、両膝を右側に倒します。この時、上半身が右に傾かないよう意識しましょう。
- 膝を戻し、今度は膝を左側に倒します。
- 2〜3を5回繰り返します。
・猫のポーズ
背骨や肩甲骨周りの筋肉や、腰回りの筋肉をほぐす効果があります。
インナーマッスルを鍛え、体幹の強化が期待できるストレッチです。
- 手を床やヨガマットにつき、四つん這いの姿勢になります。この時、膝の隙間はこぶし一個分程度あけておきます。
- 鼻から息を大きく吸い、上を見ながら背中を大きくそらせます。
- 息を吐きながら、自分のおへそを覗き込むように背中を丸めます。
- 2~3を、5回繰り返します。
オフィスやテレビを見ながらできる体操
昨今のテレワークの台頭などで、「1日中座りっぱなしでなかなか体を動かせない」という人もずいぶん増えたように思います。
そこでご紹介するのが、椅子に座ったままできるお腹周りの体操です。産後で激しい運動ができない時などにも、ぜひ取り入れてみてください。
- 椅子に浅く腰かけ、右足が上になるように足を組みます。
- 腹筋を意識しながら上半身を右側にひねります。その状態をキープし、ゆっくりと呼吸を10回繰り返します。
- 体を戻し、反対の足に組み替えます。先ほどと同じように体を左にひねり、10回呼吸します。
- 姿勢を戻し、右手を肩の真上に向けてまっすぐ上げます。
- 体を左側へ倒し、ゆっくりと呼吸を10回繰り返します。この時、体はまっすぐに倒し、左手は床に向かってまっすぐ降ろしましょう。
- 体を戻し、反対側も同様に行います。
ぽっこりお腹の解消法5.マッサージ
ぽっこりお腹の解消には、運動やストレッチだけでなく、マッサージも有効です。
お腹の上からマッサージによって腸に刺激を与えることで、血流を改善したり、腸のぜん動運動を活発化させることもできます。便秘に悩む人はもちろん、よりお通じを良くしてダイエット効果を高めたい人にもおすすめです。
腸もみ
腸もみは、お腹の上から大腸や小腸を刺激するマッサージです。老廃物の排出を促すことで、便秘解消はもちろんのこと、腸内環境の改善にも役立ちます。
ここでは、手軽にできる腸もみのやり方をご紹介します。
- まず、深呼吸をします。4秒かけて鼻からゆっくり息を吸います。
- 口から8秒かけて息を吐きます。これを10回ほど繰り返します。
- 左手の親指以外の指を、左側の肋骨の下に当てぐっと掴みます。
- 右手は右の腰骨の斜め下辺りを、親指以外の4本の指で掴みます。
- それぞれをもみほぐします。90秒ほど経ったら、今度は左右入れ替えて同じようにもみほぐしましょう。
ただし、お腹が痛い時や生理中などは無理せずマッサージを中断し、休息をとりましょう。
腹式呼吸
腹式呼吸をすると、お腹周りの筋肉をはじめ、背筋や横隔膜も刺激されます。中でも横隔膜を大きく動かすと、腹部内に高い圧力が生まれ、便の排出力を高めてくれるのです。
便秘解消をしたい場合、まずは日常的に腹式呼吸を意識してみると良いでしょう。
- 胡坐をかいたり、横になるなど、楽な姿勢をとります。
- 息を吸い、同時にお腹を膨らまします。この時、ゆっくりと時間をかけて息を吸い込むと良いでしょう。
- 息を吐きながら、だんだんとお腹をへこませていきます。この時、吸った時の倍の時間をかけながら、お腹と背中がくっつくようなイメージで行いましょう。
- 慣れてきたら息を吐く際にもう一息吐ききり、腹筋を意識しながらさらにお腹に力をいれましょう。
ぽっこりお腹を解消するためのコツ
ぽっこりお腹を解消するには、有酸素運動や筋トレ、ストレッチや生活習慣の改善など、さまざまな方法があります。しかし、こうした運動や食事制限をスタートしても、すぐに結果を求めたり、無理に運動を続けることは禁物です。
無理なダイエットからストレスを抱えると、自律神経や胃腸の調子にも影響し、便秘などの症状を引き起こしてしまいます。
無理のない範囲で、日々の習慣として少しずつ取り入れていくことが、運動や生活習慣を長続きさせるコツです。
また、ダイエットをする場合は、内蔵脂肪型肥満の場合と、皮下脂肪型肥満の場合で、目指すべきペースが異なります。
内臓脂肪型肥満 | 皮下脂肪型肥満 | |
かける期間 | 3~6か月 | 6か月~1年 |
減量の目安 | 現体重の3%減 | 現体重の3~5% |
内臓脂肪は比較的減らしやすく、皮下脂肪はなかなか落ちないという特徴があります。
じっくりと減量することでリバウンドしにくくなるため、焦らず長い目でダイエットに取り組みましょう。
ぽっこりお腹を解消して理想の体を手に入れよう
ぽっこりお腹は、スタイルとしての見栄えだけでなく、肥満や生活習慣病に繋がりかねない問題です。
健康的にも美容的にも、理想の体を手に入れるため、本記事で紹介したストレッチや対処法を試してみてはいかがでしょうか。
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