朝起きた時や運動した後など、特定のシーンで頭痛が起きることはありませんか?
頭痛の原因には色々なものが挙げられますが、その一つに「水分不足」があります。
体の水分不足は、水分の摂取不足のほか、発汗・下痢・嘔吐など、過剰な水分の喪失により引き起こされます。人の体は50~75%が水分でできていると言われており、水分が不足してしまうと、さまざまな症状が現れます。少しの水分不足であれば軽い症状で済むこともありますが、不足量が多くなれば重篤な症状に陥り、命の危険も高まります。
本記事では、水分不足による頭痛をはじめとしたさまざまな症状や対策法をご紹介します。脱水症状になりやすい人・状況なども解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【目次】
水分不足によって頭痛が起こる原因とは?
「頭が痛い」と思った時、原因が水分不足だと気づかない場合も多いですが、頭痛は脱水症状の初期段階によくみられる症状です。ここでは、脱水によって頭痛が引き起こされるメカニズムについて解説します。
血液循環の悪化による頭痛
私たち人間の体内の水は、「細胞内液」「細胞外液」の2種類に分けられ、それぞれで役割が異なります。
「細胞外液」として代表的なのは、血液です。血液は約90%が水でできており、水分が不足すると血液が濃縮され、ドロドロの状態になります。こうして頭部の血液循環が悪化し、血管の拡張を経て脳神経に圧力がかかり、頭痛が起こるという仕組みです。
酸素の供給不足による頭痛
水分不足によって脳の血液の循環が滞ると、血液によって運ばれる酸素の量も不足してしまいます。
脳細胞は常に酸素を必要とするので、酸欠の状態に陥ると、酸素の供給量を増やすために脳は血管を拡張させます。その働きにより、周囲の神経が刺激されて炎症を起こし、頭痛に繋がるのです。
ミネラルバランスの乱れによる頭痛
暑い日の仕事や家事、運動により大量に汗をかくと、同時にナトリウムや鉄分、マグネシウムなどのミネラル成分も排出されます。
これらが不足すると、血液中の酸素濃度が下がったり血管が収縮したりして頭痛の原因になります。
水分不足による頭痛は、水分補給をしたからといってすぐに改善されるわけではありません。水分補給などの適切な処置をしても、改善までに最短で約20分、最長で24~48時間かかることもあります。水分を摂ってから体内に吸収されるまでに、約30分のタイムラグがあるからです。
水分不足による頭痛を起こさないためには、症状が出る前にこまめな水分補給を心がけることが大切です。
水分不足によって起こるその他の症状
体内の水分が不足すると、頭痛以外にも症状が表れることがあります。ここでは、代表的な5つの症状をご紹介します。
発熱
人の体には本来、体温を一定に保つ働きがあります。
夏場などの暑い環境下で過ごしたり、運動したりすることによって体温が上がると、体は発汗や呼気によって体温を下げようとします。
しかし、体内の水分が不足すると、十分な汗をかけずに体温が上がり続けてしまいます。
水分が足りている場合でも、汗のもとになるナトリウムやカリウムなどの電解質が不足していれば、体温は下がりにくくなります。こうした状態が続くと、体に熱がこもり続け、脱水症状が加速します。
また、漢方の考えに「虚熱証」というものがあります。漢方学では、人の体は「身体を温める」エネルギーと「身体を冷却する」水分や栄養が、バランスよく働くことで健康な状態に保たれていると考えられています。
この「身体を冷却する」ための汗、唾液、尿などの水分(津液)が不足することで、相対的に身体の熱が高まり、慢性的に微熱が続くとされています。
肩こり
体内の水分不足が進むと、血液中の「血漿(けっしょう)」という成分が少なくなります。血漿は血液の約55%を占め、血圧を保持したり、栄養を体中の細胞に運んだり、老廃物を排出させたりします。この血漿が不足すると、血流が悪化し、体に老廃物が蓄積され、肩こりの原因になるのです。
また、肩を始めとした関節には「滑液(関節液)」という液体があり、関節の動きをスムーズにする働きがあります。水分が不足し、滑液が少なくなると関節の摩擦によって痛みが発生する場合もあります。
便秘
便の水分量は、70〜80%が理想とされています。
適切な水分量のある便は、腸内を滑らかに通過してスムーズに排出されますが、水分量の少ない便は硬くなり、排出されにくくなります。その便秘状態が続くことで、便の水分を腸が吸収し、さらに便が硬くなって排出しづらくなるという負の連鎖が起こります。
また、腸には便を肛門側へと押し出すための「ぜん動運動」という働きがあります。正常なぜん動運動には、腸管への十分な血液循環が必要です。
水分不足により血流が滞ると、便が硬くなるうえに、ぜん動運動も鈍くなるため便秘が起こるのです。
とくに高齢者や赤ちゃんの便秘は、水分不足が原因で引き起こされることも多いため、注意が必要です。
加えて、痩せるために水分補給を控えている、ダイエット中の方も要注意です。体内の水分が不足して便秘になり、代謝が落ちて逆効果になりえるからです。健康的な体を手に入れるためには、適切な水分補給が欠かせません。
便秘解消に効果のある飲み物は、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみ
てください。
[おすすめ記事はこちら] コンビニで買える!便秘に効く飲み物&効果的な飲み方をご紹介
吐き気・下痢・嘔吐
脱水症状が中程度まで進行すると、吐き気や嘔吐の症状が表れることがあります。
胃や消化器系の機能を正常に保つための水分が不足することによって、機能が低下し、吐き気や嘔吐を引き起こすのです。
また、嘔吐や下痢によってナトリウムやマグネシウムなどの電解質が失われ、血液中の電解質濃度が変化することで、さらに吐き気を引き起こすこともあります。
このように下痢や嘔吐は、体内に必要な水分まで大量に排出してしまうため、さらに脱水症状を加速させます。
脳梗塞
令和4年の厚生労働省による統計では、日本人の死因の2位に心疾患、4位に脳血管疾患が挙げられており、その大きな原因に水分不足があります。
実は、脳梗塞や心筋梗塞は夏場に発症することが多く、脱水症状が関係しているのです。
体内の水分が不足すると、血液中の水分量も減少し、血液の粘度が高くなります。高血圧や高血糖などによりドロドロした血液の人は、脱水によってさらに血液が濃縮され、血管が詰まって脳梗塞・心筋梗塞を引き起こしやすくなります。
炎天下のスポーツ、サウナや入浴、飲酒などによっても体内の水分と電解質を失います。
風呂上がりや運動後のビールを楽しみにしている人は要注意。アルコールには利尿作用があるので、脱水を助長してしまうからです。
こまめに水分と電解質を補給することで、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを避けられます。
水分不足によって頭痛が起こりやすい人3選
年齢や、妊娠にともなう体の機能によって、頭痛のリスクが高まることがあります。
ここでは、水不足による頭痛にとくに気を付けてほしい人3選と、その理由をご紹介します。
子供
子供は喉が渇いていてもそれをうまく自覚できなかったり、自分の意思で水分補給をしにくかったりするため、脱水症状が進行しやすく、頭痛になりやすいと言えます。
さらに、子供の体のつくりや機能も、脱水症状に陥りやすい原因と考えられます。
以下に、子供が水分不足による頭痛になりやすい理由を3つ解説します。
体内水分量が多い
成人の体内水分量が約60%であるのに対し、子どもは約70〜75%にのぼります。子どもは体が小さいため、相対的に体重あたりの水分の割合が多くなるのです。それゆえ、発汗、下痢、嘔吐などによって水分が失われると、大人よりも早く脱水症状が出る傾向にあります。
不感蒸泄が多い
「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」とは、発汗以外の皮膚および呼気からの水分喪失1のことです。
子どもは活発な新陳代謝によって熱を発生させ、その熱を冷却するために多くの水分を必要とします。大人の2.5倍の不感蒸泄があるとされています。
腎臓が未発達
腎臓には、体に蓄積した老廃物や水分、不必要な塩分などを、尿と一緒に体外へ排出する働きがあります。
子どもの腎臓は、成人に比べて機能が未発達なため、老廃物の少ない薄い尿のまま排出されます。老廃物の排出のために尿量も増え、結果として水分を失いやすくなってしまうというわけです。
妊娠中の女性
妊婦さんの中には、妊娠初期に頭痛の症状を訴える方がいらっしゃいます。
この頭痛の原因は、つわりによるものと、水分不足からくるものが考えられます。
ここでは、それぞれの要因について詳しくご紹介します。
つわりからくる頭痛
数あるつわりの一種に「頭痛つわり」があります。
つわり自体は、妊婦さん全体の50〜80%に起こるとされており、その中で約6人に1人がこの頭痛つわりを経験していると言われています。頭痛つわりも「吐きづわり」と同じく、胎盤が完成する16週以降に、徐々に軽減されることが多いようです。
また、頭痛つわりが赤ちゃんに影響を及ぼす心配は少なく、片頭痛であれば患部を冷やすなど、適切に対処することで改善できることが多いです。
水分不足からくる頭痛
妊娠初期は、つわりなどの影響で食事や水分補給が十分にできないことで、脱水による頭痛になることがあります。
また妊娠中は、子宮内に羊水を貯めたり、体温が高くなったり、非妊娠時に比べて多くの水分を必要とします。
普段以上に水分補給を心がけることで、脱水症状や頭痛のリスクを避けられます。
暑い季節には冷たい水を飲みたくなりますが、水分補給には常温のお水がおすすめです。
妊娠中におすすめの飲み物は、こちらの記事で詳しく説明しております。ぜひ参考にしてみてください。
[おすすめ記事はこちら]【2023最新版】妊娠中におすすめの飲み物&注意が必要な飲み物5選
高齢者
高齢者は体内の水分量が少ないため、普段より汗をかくだけで脱水症や熱中症に陥り、頭痛などの症状が表れやすいため注意が必要です。成人の体内水分量が体重の約60%であるのに対し、年齢を重ねると約50%まで下がると言われているのです。
ここでは、高齢者が水分 不足に陥りやすい理由を、原因別でご紹介します。
筋肉量の低下
筋肉の様々な役割の一つに、体内の水分を蓄えるという働きがあります。高齢になるにつれて筋肉量が低下すると、体の中に水分を貯めておくことが難しくなり、脱水症状を起こしやすくなるのです。
喉の渇きを感じにくい
高齢者は、水分が不足していても喉の渇きを感じにくく、知らず知らずのうちに脱水症状が進んでしまう傾向にあります。
これは、加齢による「口渇中枢(こうかつちゅうすう)」の機能の低下によるものです。
口渇中枢には、血液が足りなくなったり、血液の浸透圧が高くなったりすると、喉の渇きを感じさせて水分補給に繋げる働きがあります。
腎臓の機能の低下
加齢によって腎臓の働きが衰えることで、体内の水分量をコントロールする機能が低下し、めまいや頭痛などの症状が現れやすくなります。
また、体内の塩分濃度を調節する腎臓機能も下がるため、高血圧のリスクも高まります。
血圧を下げる高血圧の治療薬を飲むと、尿の排出量が増えて脱水症状になりやすくなるため、十分な水分補給が必要です。
食欲不振によるもの
高齢者は食事量が減る傾向にあり、食事から摂取できる水分量が減るため、水分不足に陥りやすくなります。これは、胃腸機能の減退や、食べ物を飲み込む力が衰えることが原因です。
私たちは、1日に必要な水分のうち約半分は食事によって摂取しているのです。
歳を重ねても飲み込む力を維持するために、喉の筋肉をつけることが大切です。
夜中のトイレを避けたい
高齢者の中には、「尿意で夜中に起きたくないから」「トイレに行く回数を減らしたい」という考えから、水分補給を意図的に控える方もおられます。
本人の意思で水分摂取を控えているため、周囲からも気づかれにくく「隠れ脱水」に陥っているケースも多いようです。脱水状態が続くと、頭痛などの症状が表れることがあります。
水分不足によって頭痛が起こりやすい状況6パターン
水不足による頭痛は、あらゆる場面で起こりえます。その症状は、軽微なものから重篤なものまで、さまざまです。
水不足による頭痛のリスクを避けるためには、まず脱水症状を起こしやすい状況を知ることが大切です。
ここでは、脱水による頭痛が起こりやすい状況を6パターンご紹介します。
夏
気温上昇による夏場の連日の猛暑で、年々日本に熱中症増加のリスクが迫っています。
消防庁のデータによると、「令和4年5月から9月の全国における熱中症による救急搬送人員の累計は 71,029人」でした。これは、調査が始まった平成20年以降、3番目に多い数字で、前年の令和3年の47,877人に比べると23,152人も増えています。
また、高齢者の熱中症患者のうち、屋内で発症した割合は81%というデータが出ており、屋内でも熱中症対策が大切ということがわかります。
夏に起こりやすい熱中症は、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能が低下し、体の中に熱がこもることで発症します。
その症状は大きく分けて以下の2つがあります。
- ・脱水症状
- ・うつ熱による症状
それぞれ詳しく説明していきます。
脱水症状
体の中の水分やミネラルが少なくなることで、うまく発汗できずに、体温調節がきかなくなります。
症状には、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感(熱疲労)、めまいや失神(熱失神)、筋肉痛や筋肉の硬直(熱けいれん)、手足のしびれなどが挙げられます。
うつ熱による症状
体の中に熱がこもる(うつ熱)と、体温が上昇し、内臓が正常に働かなくなります。
頭痛や吐き気、めまい、筋肉の痙攣などの症状が出ます。ひどくなると意識障害に陥ることもあり、大変危険です。
うつ熱による熱中症は、体の炎症が原因ではないため、解熱剤を使っても熱を下げることができません。涼しい場所に移動させ、水分補給をさせたり、体を冷やしたりして対処してください。
冬
たくさん汗をかく夏とは違い、冬はなかなか水分不足を意識しないかもしれません。
しかし、暖房器具の使用などによる乾燥が原因で、脱水症状を起こすリスクが潜んでいます。
冬場は、夏に比べて皮膚や呼気から水分が蒸発する「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が増え、無意識に水分を失っています。そのまま水分を摂らないでいると、水分不足を引き起こします。
頭痛や倦怠感、手先や皮膚の乾燥、口の中のねばつきを感じた時は、お水や経口補水液を摂るようにしましょう。
冬場の乾燥を避けるためには、加湿器を使ったり、保湿クリームで肌からの水分蒸発を防いだり、起床時や入浴後、就寝前にコップ1杯の水を飲むなどを意識してみてください。
お酒を飲む場
お酒には様々な要因によって、水分不足を引き起こす作用があります。
お酒を飲むと、トイレの回数が増えますよね。これは、私たちの体の水分量をコントロールする「抗利尿ホルモン」の分泌が、アルコールによって抑制されるためです。
とくにビールにはカリウムが豊富に含まれており、尿を排出する作用があるため、相乗効果で脱水症状が加速します。「1リットルのビールを飲むことで、1.1リットルの水分を失う」とも言われているのです。
また、アルコールを体内で分解するためにも水分が必要なので、お酒を飲む分だけ体内の水分が無くなっていきます。
飲みすぎて嘔吐してしまった場合は、余計に脱水症状が進みます。
こうした水分不足の状態が続くと、頭痛、口・喉の渇き、倦怠感、立ちくらみや食欲不振などの症状が現れます。
飲みの場では、お水やソフトドリンク(チェイサー)も用意して、水分補給をしながらゆっくりとお酒を飲みましょう。
空腹時はアルコールが吸収されやすいため、お酒を飲む前に少しでも飲食をしておくと、肝臓への負担を軽減できます。
二日酔い
お酒を飲んだ翌朝に頭痛や倦怠感などに襲われる、二日酔い。
実は二日酔いのメカニズムや原因は、まだはっきりとは解明されていません。
一説では、アルコールを肝臓で分解する際に発生する、強い毒性の成分「アセトアルデヒド」が、二日酔いを引き起こすのではと言われています。
アルコールを摂取したら、通常は肝臓でアセトアルデヒドが分解されますが、分解の過程で大量の水分が必要となるため、水分不足では分解できません。
アセトアルデヒドを体に残さないために、お酒の席ではアルコールと同じくらいの水分補給を心がけてください。また二日酔いの症状を早く和らげるにも、水分補給が効果的です。
過度な飲酒は頭痛以外にもさまざまな影響があるため、ほどほどに楽しんでくださいね。
寝起き
寝ている間にたくさんの汗をかくことで、水分不足による頭痛が起こることがあります。
汗の量には個人差があるものの、一般的に人は寝ている間にコップ1杯分の水分を失うとされています。
脱水状態になると血流の低下が起こり、血管が拡張されます。これにより脳神経の一種である「三叉神経(さんさしんけい)」が刺激され、頭痛の症状となって表れるのです。
寝る前と寝起きにコップ1杯の水を飲んでおくことで、就寝中に失われた水分を補うことができます。
その他の原因として、大きいストレスを抱えている人は、筋肉が緊張することにより、起床時に頭痛を起こしやすいと言われています。睡眠不足や暴飲暴食など、乱れた生活習慣から頭痛の症状が表れることもあります。
就寝前後の水分補給で頭痛が改善されない場合や、耐え難い激しい頭痛がある時は、脳腫瘍や高血圧、睡眠時無呼吸症候群など、治療が必要な病気の可能性もあるため、病院を受診してください。
寝不足
水分不足による頭痛は、寝不足も一つの要因と考えられます。
近年、睡眠時間が不足している人は脱水症状になりやすいということがわかってきました。
2019年2月に発表された学術雑誌「Sleep」によると、アメリカのペンシルバニア州立大学の研究者が行ったデータ解析により、睡眠と脱水症状の因果関係が明らかになったのです。
その内容は「睡眠時間が6時間の人は8時間の人に比べ、体内の水分量が16%~59%少ない」というものです。
これは「バソプレッシン」という体内の水分バランスを調節する抗利尿ホルモンが原因とされます。バソプレッシンは腎臓での水の再吸収を促して、尿量を減らす作用があります。
研究チームの筆頭著者であるアッシャー・ロージンガー助教授によると、
「バソプレッシンは脱水症状を防ぐため、睡眠時間の後半に増加します。そのため、睡眠時間が少ない人は、多い人に比べてホルモンの効果を十分に得られない可能性があります」
としています。
十分な睡眠と共に、こまめな水分補給を心がけ、果物、きゅうりやレタス、トマトなどの水分の多い食品を食べると良いでしょう。
水分不足による頭痛を解消するための対処法
頭が痛い時、どうやって辛い症状を改善すればいいのか悩みますよね。
その対処法のひとつに、頭痛薬・鎮痛薬の服用が挙げられます。しかし、脱水症状による頭痛の場合、原因は頭部の血管の拡張によるものなので、薬によって血管を収縮させると、血圧の低下を招き、頭痛を悪化させます。
また、脱水時にロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬に分類される解熱鎮痛薬を服用すると、吸収する際、腎臓に負担がかかります。
水分不足による頭痛の場合は、まず根本的な原因である脱水症状を改善することがポイントです。
ここからは、水分不足による頭痛を解消するための対処法をご紹介します。
水分補給
脱水症状になってしまったら、まずは水と電解質を同時に摂取することが大切です。
水分補給にベストな飲み物は、「経口補水液」です。体に必要な水・電解質(主にナトリウム)に加え、スピーディーな吸収を助けるブドウ糖がバランスよく配合されています。
体の中の水(体液)とほぼ同じ浸透圧のため、素早く体に吸収され、脱水症状を和らげます。
経口補水液は、ドラッグストア、薬局、病院内(売店・コンビニ・自動販売機)、製造元の通販サイトなどで手に入れることができます。
薬局などが近所に無く、経口補水液が手に入りづらい場合は、自宅でも簡単に作れます。
水1リットルに砂糖40グラム、塩3グラムを加えてかき混ぜれば完成。
さらにお好みでレモン果汁を加えると、飲み口が爽やかになるうえにカリウムも摂取できます。
また、電解質の量は経口補水液を下回りますが、スポーツドリンクも脱水時の水分補給に有効です。ただし、スポーツドリンクは糖分の濃度が高いため、一度にたくさん飲むのではなく、少しずつ時間をかけて飲むと良いでしょう。
反対に、利尿作用のあるお茶やコーヒーなどの飲み物は、脱水症状を進行させるため避けましょう。
体を冷やす
高温多湿時の脱水症状では、水分補給に加えて、体温を下げるために体を冷やすことが必要です。
脱水状態にある時は、まず風通しの良い日陰や、クーラーのきいた屋内などに移動して、衣服を緩めたり、脱いだりしながら体の放熱を助けます。
そして、氷のうや保冷剤などで、首筋やわきの下、太ももの付け根などの太い血管を冷やして安静にしてください。
また、手のひら、足裏を冷やすのも効果的です。動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)という血管が通っており、脇の下を冷やすよりも深部体温が下がることがわかっています。
保冷剤がない場合は、自動販売機の冷えた缶飲料などで代用可能です。
保冷剤や冷えた缶飲料なども用意できない場合は、肌の露出した部分に水をかけ、うちわや扇風機などで風を送ると、気化熱で効果的に体を冷やすことができます。
重度の意識障害がある場合は、すぐに救急車を呼んでください。到着までの間に上記の適切な対処をすることで、回復率がぐんと上がります。
症状の改善がみられない場合は病院へ
脱水症状は、水分補給や体を冷やすなどの適切な処置をすることで、頭痛をはじめとした症状が改善されることも多いです。
しかし、改善されずに悪化している場合、放っておくと命に関わる危険があるため、速やかに医療機関を受診してください。
また、子どもや高齢者はうまく症状を自覚できなかったり、伝えられなかったりして、気付かぬうちに脱水症状が進行していることもあります。そのような恐れのある方は、周囲の人が気を配ってあげることが大切です。
水分不足になる前に水を飲もう
頭痛には様々な要因がありますが、その一つとして、水分不足が挙げられます。
体の半分以上が水分で出来ている人間にとって、お水は欠かせない存在なのです。
体重あたり2%の水分を失うと喉の渇き、食欲不振などの症状が出始め、5%で頭痛や嘔吐、倦怠感などの脱水症状が現れます。10%で筋肉のけいれんや麻痺症状、意識障害が起こり、20%の水分を失うと命を落とすとされ、水分不足はあらゆる症状を引き起こします。
こまめに水分補給をすることで、老廃物を排出して体内を綺麗にしたり、血液の流れをスムーズにするなどの働きによって、あらゆる症状や病気を防ぐことができます。
「喉が渇いたな」と自覚した時にはもう脱水症状が始まっているため、水分不足に陥る前に、積極的にお水を飲むよう習慣づけましょう。
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