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蒸留水と精製水の違いとは?飲んでも問題ない?2つの水の具体的な利用シーン

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「蒸留水」と「精製水」は、どちらも純度の高い水として知られていますが、この二つの違いを正確に知っている人は少ないかもしれません。「どちらも同じようなものではないか」「精製水は聞いたことがあるけれど、蒸留水とは何が違うのだろうか」「これらは飲んでも問題ないのだろうか」といった疑問を持つこともあるでしょう。

蒸留水と精製水は、定義や製造の方法、適した用途が異なります。この記事では、蒸留水と精製水の違いについてまとめつつ、それぞれの具体的な利用シーンを詳しく掘り下げていきます。

蒸留水と精製水の違い

水の入ったビーカーとフラスコとスポイトの写真

結論から言うと、蒸留水は精製水の一種です。精製水という大きな分類の中に蒸留水が含まれています。

蒸留水とは

蒸留水とは、水を一度沸騰させて水蒸気(湯気)にし、その水蒸気を冷却して再び液体に戻した水のことです。この過程を「蒸留」と呼びます。

水を沸騰させると、水だけが水蒸気になります。一方で、水に溶け込んでいたミネラル成分や電解質、有機物、不純物は、水よりも沸点が高いため水蒸気にはなりません。沸騰させてできた水蒸気だけを集めて再び冷やすと、不純物をほとんど含まない水が得られるというわけです。

精製水とは

精製水とは、特定の処理方法を用いて、水に含まれる不純物(固形物、塩類、有機物など)を取り除いた水の「総称」です。精製水という名前は特定の一つの水を指すのではなく、不純物を取り除いた純度の高い水全体を指しています。
そして、精製水はどのような方法で処理を行ったかによって、いくつかの種類に分けられます。

  • 蒸留水:水を沸騰させて蒸気を冷却し、再び水に戻すという方法で作った水
  • イオン交換水:特殊なフィルターを通して、水中のイオン成分を取り除いた水
  • RO水(ピュアウォーター):逆浸透膜(RO膜)という細かいフィルターで不純物をろ過して作った水
  • 純水、超純水:上記の方法を複数組み合わせるなどして不純物を極限まで取り除いた水

このように、精製水にはさまざまな種類があり、蒸留水はその中の一つという位置づけになります。

蒸留水と精製水は飲める?

タンクトップ姿の女性がガラスのコップに入った水を飲む様子。頭の近くにハテナマークが浮かんでいる。

蒸留水や精製水は飲んでも問題はありませんが、飲料目的では作られていません。
ドラッグストアなどで販売されている精製水(コンタクトレンズ用など)や、工業用・医療用として供給される蒸留水は、飲料水とは別の観点で品質管理を行っています。

また、もう一つの理由として「味」の問題があります。私たちが普段飲んでいる水がおいしいと感じられるのは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの「ミネラル成分」が適度なバランスで含まれているためです。
蒸留水や精製水は、製造の過程で水に含まれるミネラル成分を除去しています。そのため、蒸留水や精製水を飲むと「無味」あるいは「おいしくない」と感じる人がほとんどでしょう。

ただし例外として、精製水の中でも「RO水(ピュアウォーター)」は、飲料用としても利用されています。飲料用として販売されているRO水は、もちろん飲んでもまったく問題ありません。
一方で、医療用や工業用、あるいはコンタクトレンズ洗浄用などとして販売されている精製水や蒸留水を、あえて日常的な水分補給のために選ぶ必要はないと言えるでしょう。

蒸留水と精製水の用途

製薬工場における水浄化システム

蒸留水や精製水は、その純度の高さを活かして、化学医療工業といった専門的な分野で使用されています。これらの分野では、水に含まれるわずかな不純物(ミネラルやイオンなど)が、化学反応に影響を与えたり、製品の品質を低下させたり、機械の故障の原因になったりすることがあるためです。

また、食品機械医療機器実験器具精密機器などの洗浄にも使用されます。不純物が残らないため清潔さを保てるほか、大規模なボイラーや配管などの内部清掃の際、水垢が内部に付着するのを防ぐことができます。

自動車関連で代表的なのは、エンジンを冷やす冷却水(クーラント液)を薄める用途です。ミネラルを含まない水を使うことで、冷却経路内での水垢の発生を防ぎ、冷却効率の低下や詰まりを予防します。また、バッテリー液の補充にも使われます。これは不純物がバッテリーの化学反応を妨げ、性能低下や寿命の短縮を招くのを防ぐためです。

特に蒸留水は導電率が極めて低いため、より厳密な管理が求められる分野で重宝されます。手術器具を高温高圧の蒸気で滅菌する装置に使う例などが代表的です。

蒸留水と精製水の身近な利用シーン

洗面台で顔に化粧水を塗る女性の写真

ここまで蒸留水や精製水が専門的な分野で使われることを解説しました。

しかし、不純物が少ないという特性を活かして、家庭や美容など、私たちにとって身近な場面でも広く利用できます。

ここからは、より身近なシーンでの活用例を解説します。

蒸留水の利用シーン

蒸留水は、水自体に香りや不純物が含まれていないため、香りや成分を繊細に扱いたいシーンで利用できます。

代表的なのが、オリジナルのルームフレグランスアロマスプレー作りです。蒸留水は無味無臭で不純物がないため、アロマオイル(精油)や香料と混ぜるベースウォーターとして適しています。水道水を使うと塩素やミネラルが香りの邪魔をしたり、スプレーの目詰まりの原因になったりすることがありますが、蒸留水ならそういった心配もありません。

アロマテラピーで使われる「アロマウォーター(芳香蒸留水)」も、蒸留の仕組みを利用して作られます。アロマウォーターは、ラベンダーやローズなどの植物を水蒸気で蒸留し、エッセンシャルオイルを抽出する際に得られる副産物です。この水には、植物の水溶性の芳香成分や微量の精油成分が溶け込んでおり、「植物の成分が含まれた蒸留水」でもあります。

精製水の利用シーン

美容やパーソナルケアの分野では、グリセリンや好みの美容成分と精製水を混ぜて、手作り化粧水を作成できます。不純物が少ないことから、肌への刺激が少ない化粧水になるのが特徴です。

このほかに、清潔さがより求められる場面でも利用できます。例えば、ハードコンタクトレンズを洗浄した後のすすぎや、哺乳瓶おしゃぶりといった赤ちゃん用品の最後のすすぎなどが挙げられます。

さらに、ガラスや鏡の掃除に使えば、水道水に含まれるミネラルが原因でできる「拭き跡(水滴の跡)」が残りにくく、クリアに仕上がります。

精製水は掃除においても役立ちます。美容スチーマー加湿器スチームアイロンの水に使用すると、水道水に含まれる不純物が原因で発生する水垢を抑え、目詰まりや故障を防ぐ効果が期待できます。

ただし、これらの機器で精製水を使う際は、中で雑菌が繁殖しないよう、タンクの水をこまめに入れ替えるといった管理が不可欠です。詳しい注意点はこの後解説します。

蒸留水や精製水を使う際の注意点

加湿器のタンク部分を取り出す女性の写真

蒸留水や精製水は作る過程で雑菌の繁殖を抑える塩素(カルキ)も除去されています。そのため雑菌が入り込むと繁殖しやすく、取り扱いには細心の注意が必要です。水道水と同じ感覚で使うと、健康上のトラブルにつながるおそれがあります。

開封したらなるべく早く使い切る

蒸留水や精製水は「開封した瞬間」から劣化が始まると考えましょう。 一度開封したら、必ずキャップをしっかり閉めて冷蔵庫で保管し、数日~1週間程度を目安に使い切ることを強く推奨します。雑菌が繁殖した水を体内に取り込んだり肌に付けたりしないよう、口や肌に触れる用途の場合はできるだけ早く使い切るようにしましょう。

加湿器やスチームアイロンなどで使う際は、タンクに水を入れっぱなしにしないことが大切です。タンク内で雑菌が繁殖すると、それをミストとして室内に撒き散らすことになり、かえって不衛生になる危険性があります。

清潔な状態を保って保管する

蒸留水や精製水を保管する際は、雑菌の混入を防ぐことが重要です。ボトルに直接口をつけたり、汚れた手で注ぎ口に触れたりすると雑菌が紛れてしまうことがあります。別の容器に移し替える際も、その容器が完全に清潔であることを確認してからにしましょう。

蒸留水や精製水はどこで買える?

精製水が並ぶ棚と、精製水を持つ手の写真

蒸留水や精製水は、その種類や用途によって主な販売場所が異なります。それぞれの入手方法と価格の目安を見ていきましょう。

蒸留水の入手方法

蒸留水は一般的なドラッグストアやホームセンターで取り扱っていることは少ないです。主にネットの通販サイトや、化学薬品・実験器具を扱う専門店での取り扱いが中心となります。

精製水(イオン交換水やRO水)の入手方法

一般的に「精製水」として販売されているものの多くは、イオン交換水やRO水です。これらは蒸留水よりも比較的身近な場所で入手できます。

コンタクトレンズの洗浄・保存用や、医療用の精製水はドラッグストア薬局で販売されています。また、ホームセンターの自動車・バイク用品コーナーで売られているバッテリー補充液も精製水の一種です。

ちなみに、飲料用の精製水(RO水)はウォーターサーバー用として流通しています。ウォーターサーバーを提供している会社と契約して自宅に配送してもらうか、インターネットで購入するのが一般的です。

蒸留水と精製水の違いを理解して安全に使おう

ビーカーにスポイトと水が入ってる写真

この記事では、蒸留水と精製水の違いについて、その定義や専門的な用途、身近な利用シーンまで掘り下げました。

精製水は不純物を取り除いた水の総称で、蒸留水は「蒸留」という方法で作られた精製水の一種です。

蒸留水も精製水も工業製品や化学製品の製造現場で使われることが多く、水道水に含まれる物質が悪影響を及ぼすのを避けたいときに用いられます。ただしミネラルも除去されているため、飲用には適していません。

もし家庭で蒸留水や精製水を使う場合は、その取り扱いに注意しましょう。製造過程で雑菌の繁殖を抑える塩素が除去されています。そのため、一度開封すると雑菌が非常に繁殖しやすいです。

蒸留水と精製水、それぞれの水の特性と使用上の注意点を正しく理解し、目的に合わせて適切に使い分けるようにしましょう。

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