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ウォーターサーバーの仕組みとは?冷水・温水のメカニズムや供給方法などを解説

お役立ち水・浄水器生活
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ウォーターサーバー(Water Server)は、家庭やオフィスでいつでも安全でおいしい水を確保できる便利な機器です。
「ウォーターサーバー」は和製英語の名称で、海外の呼び方では「ウォーターディスペンサー(Water dispenser)」「ウォータークーラー(Water cooler)」と言われます。

冷水と温水をいつでも好きな時に使えて、重い水を自分で運ぶ必要がなく、ボトルが空いたら取り替えるだけの手軽さなどがメリットです。
また、2011年の震災以降は、飲み水の備蓄としても需要が高まっています。

どのような仕組みで冷水や温水が作られているのかを知ることで、機器のメンテナンスや、より最適なサーバー選びに役立てることができます。
本記事では、ウォーターサーバーの冷水・温水の作り方給水方法のバリエーションに加え、安全に使うための機能全般についてわかりやすく整理しました。

さまざまな利用スタイルや製品特性を把握しておくことで、ご自宅やオフィス環境に最適なウォーターサーバーを選びやすくなれば幸いです。

ウォーターサーバーの仕組み:基本

ウォーターサーバーの中に水ボトルが入っていて、横に水ボトルのストックが3つ置いてある様子。

ウォーターサーバーとは、水ボトルなど宅配水を供給する装置であり、主に冷水を作る機能温水を作る機能の2つの部分から構成されています。

電気用品安全法上では、冷水機能または温水機能、あるいはその両方を有する複合電気用品として位置付けられています。
近年では、水道水を濾過ろかして冷水や温水を供給する浄水器型のウォーターサーバーも登場していますが、こちらは電気用品安全法上、異なる分類になる場合もあります。

水を出す仕組みは一般的に、コックのレバーを押したり倒したりすると内部のスプリングが動き、止水しているコマが開閉することで水が出る構造です。これとは別に、電気信号で動く電磁弁方式のコックもあり、こちらは電気信号によって弁が開閉し水が出る仕組みとなっています。

ウォーターサーバーのリターナブルタイプとワンウェイタイプのイメージ図

また、ウォーターサーバーは容器の再利用や水の保冷方法により、分類が異なります。

  • リターナブル型(再利用ボトル型):容器を常温で設置し、洗浄後に再利用。サーバーが水を冷却して供給するタイプです。
  • ワンウェイ冷蔵型(使い捨てボトル型):容器を再利用せず冷却した状態で設置し、サーバーから保冷水を供給。
  • ワンウェイ常温型(使い捨てボトル型):容器を再利用せず常温で設置し、サーバーが水を冷却して供給。

この中でも、リターナブル型が最も一般に広く使用されています。

ウォーターサーバーの仕組み:冷水

ウォーターサーバーから女性がガラスのコップで水を汲んでいる様子。

ウォーターサーバーの冷水機能は製造元により多少異なりますが、一般的には次のような構造で成り立っています。

ウォーターサーバーの冷水機能内部図
JDSA メンテナンスマニュアル
  1. 冷水温検知部品:冷水タンクの温度を検知し、コンプレッサーの運転を自動的にオン・オフします。
  2. 蒸発器:液体冷媒が蒸発する際に周囲の熱を吸収し、タンク内の水を冷却します。
  3. コンプレッサー:蒸発器で気化した冷媒を圧縮し、放熱板へ送ります。
  4. オーバーロードリレー(OLP):コンプレッサーが過電流や温度異常にさらされた場合に保護する装置です。
  5. スターター(PTC):コンプレッサーのモーターを起動させる装置です。
  6. 放熱板:圧縮された気体冷媒を冷却し、液体冷媒に変換します。
  7. 乾燥器:パイプ内の湿気や汚れを除去します。
  8. 毛細管:液体冷媒の圧力を下げて蒸発器内に一定の圧力で送ります。

オーバーロードリレー(OLP)とは…過電流が一定時間流れ続けると発熱を感知し、コンプレッサーへの電流を遮断する装置です。通常、電化製品は稼働開始時に定格電流の5〜6倍の電流が一時的に流れ、その後正常稼働時の電圧に落ち着きます。この仕組みにより、過負荷が発生した際に自動的に保護機能が働きます。

スターターPTC)とは…コンプレッサーの過熱や過電流を感知し、一定温度に達すると抵抗値を高めて電力供給を停止し、機械を安全に制御する部品です。冷却されると再び抵抗値が下がり、通常運転を再開します。

また、ウォーターサーバーが冷水を製造・保冷する仕組みには、以下のように大きく2タイプの方式があります。

電子式(ペルチェ式)

電子式ウォーターサーバーは、ペルチェ素子を使用して冷水を作ります。ペルチェ素子に電流を流すと一方の面が冷却され、その冷却面でタンク内の水を低温に保ちます。コンプレッサー式と比較すると冷却能力は低いものの、騒音が少なく小型・軽量であるため、小型の家庭用サーバーや設置スペースが限られた場所で好まれます。

ペルチェ素子はドリンクサーバーやコーヒーマシンのミルククーラー、業務用冷蔵庫など様々な分野で広く利用されています。振動や騒音が少なく清潔な冷却が可能であることから、病院やホテルなどでも長年採用され、近年は民生用にも普及しています。

コンプレッサー式

コンプレッサー式ウォーターサーバーは、冷媒ガスの気化熱を利用して効率的に水を冷却します。
冷蔵庫やエアコンと同じ原理で短時間に大量の水を冷やすことができ、オフィスなど使用頻度の高い場所で特に人気です。
ただし、電子式に比べて動作音や消費電力が大きくなる傾向があります。

ウォーターサーバーの仕組み:温水

ウォーターサーバーから温水を注ぐ手。

ウォーターサーバーの温水機能はシンプルで安全性が高い仕組みです。

温水タンク内では常時熱源が稼働し、お湯を一定の温度に保持。設定された温度に達すると自動で加熱が停止し、タンク内の温度が下がると再び加熱されます。
高温に保つことで雑菌の繁殖を抑え、衛生面にも配慮されています。

また、ウォーターサーバーのお湯の温度は一般的に80~90度に設定されており、基本的に100度の熱湯を出すことは難しいことが多いでしょう。カップラーメンなど沸騰したお湯が必要な場合は、鍋や電気ポットの使用をオススメします。

多くのウォーターサーバーには空焚きや過剰加熱を防止する安全装置が搭載されており、特に赤ちゃんや子ども、ペットのいる家庭でも安心して利用できるように、メーカー各社が温度管理や安全ロック機能を強化しています。

一般的なウォーターサーバーの温水構造は以下の通りです。

JDSA メンテナンスマニュアル
  1. 温水過昇温防止装置:空焚きなど異常加熱時にヒーターへの電力供給を遮断する安全装置。
  2. リセットスイッチ:過昇温防止装置が作動した際、加熱機能を再開させるスイッチ。
  3. 温水温検知部品:温水タンクの温度を一定に制御する部品で、サーミスタなど電子的に制御する方式もあります。
  4. バンドヒーター:温水タンクを外部から加温するヒーターで、タンク全体を均一に温めます。シーズヒーター方式の機種もあります。

またウォーターサーバーの加熱方式には、主に以下の2つの方法があります。

金属棒(シーズヒーター)

最も一般的な方法で、金属棒を電気でタンク内部から直接加熱します。構造がシンプルなため故障リスクが低く、部品が少ないためメンテナンスコストも抑えられるという利点があります。

バンドヒーター 

タンクの外側にヒーターバンドを巻き付けてタンク全体を均一に温める方法です。温度ムラを最小限に抑えられ、長期間安定した温度管理を実現しやすい方式です。

ウォーターサーバーの仕組み:その他の機能

ウォーターサーバーから冷たい水がガラスのコップに流れている様子。

ウォーターサーバーには冷水や温水以外にも、ユーザビリティや安全性を高める様々な機能があります。
各メーカーが利用者のニーズを把握し、多彩な機能を付加しています。
使用状況や家庭環境に応じて必要な追加機能を見極めることが、快適なウォーターサーバー生活のポイントとなるでしょう。 

チャイルドロック

お子様の誤操作を防ぐ安全機能で、特に温水側のやけど防止に役立ちます。
ロック解除の操作が必要になることで、小さなお子様が触っても簡単に給水ボタンを押せない仕組みになっており、安心して設置しやすくなります。

エコモード

夜間や不使用時にタンクの冷却・加熱を制御して消費電力を節約する省エネ機能です。
センサーで部屋の明るさや使用状況を検知し、必要のない時間帯はヒーター稼働を弱めるなどの省エネ運転を行います。導入コストだけでなくランニングコストも意識する方にとって、エコモードの有無はサーバー選定の大切な要素となります。

クリーン機能

衛生面を保つためのクリーン機能はウォーターサーバーの機種によって異なりますが、以下のようなシステムが備わっているものを選ぶとより安心でしょう。

加熱クリーンシステム

定期的に温水を循環させることで、タンクや配管内部を除菌し、衛生的な状態を維持します。

エアクリーンシステム・エアフィルター

外気のホコリや雑菌を取り除き、タンク内のお水を清潔に保つためのフィルターです。

エアレス構造

外気を取り込まない仕組みで、容器自体が収縮して水を供給するため、衛生的に水を保ちます。

UV殺菌

冷水タンク内の水をUV除菌ランプで常時除菌することで、サーバーを稼働させながら清潔な状態を維持します。

ウォーターサーバーの仕組み:供給方法と飲用水の種類

ウォーターサーバーの水ボトルが3つ並んでいる様子

ウォーターサーバーの供給方法と使用する飲用水の種類は、大きく分けて「宅配水形」「浄水器形」に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、自分のライフスタイルに合ったウォーターサーバーを選ぶことが可能です。

宅配水形

宅配水形のウォーターサーバーは、専門業者が定期的にボトル入りの水を自宅やオフィスに届ける仕組みです。
ミネラルが豊富な天然水や、逆浸透膜(RO膜)でろ過した純水(RO水)など、自分の好みや用途に応じて水を選べます。宅配サービスの利便性やボトル交換の手間が発生しますが、常に一定品質の新鮮な水を確保できるメリットがあります。

使い切ったボトルを回収するリターナブル型や、小さく畳んで簡単に廃棄できるワンウェイ型などがあり、後処理や衛生面でも利用者の負担を軽減する工夫がされています。また、配達スケジュールをライフスタイルに合わせて柔軟に調整できる点も魅力的です。

浄水器形

浄水器形のウォーターサーバーは、水道水をサーバー内部のフィルターでろ過して飲用水として使用するタイプです。ボトル交換の必要がなく、ランニングコストが水道料金に限定されるため経済的に運用できます。また、水道水を使うため、氷や料理にも同じ浄化水を手軽に利用できるという利点もあります。

ただし、水道管の状態やフィルター交換のタイミングによりろ過性能が変動するため、定期的なフィルターのメンテナンスや交換が重要となります。

浄水器形には以下の2種類があります。

水道直結形(受圧形)

水道直結形は、水道管に直接サーバーを接続するタイプで、水道圧を利用して自動的に水が供給されます。
ボトル交換が一切不要となるため、メンテナンスや管理の手間を最小限に抑えることができます。一方で、設置には専門的な工事が必要になる場合が多いため、事前に設置環境や管理会社との相談が必要です。

給水タンク形

給水タンク形のウォーターサーバーは、本体に取り付けられたタンクに水道水を注いで使用するタイプです。
水道管との直接工事が不要で、自由に設置場所を選ぶことができます。オフィスのレイアウト変更や引っ越しの多い家庭でも柔軟に対応しやすいという利便性があります。また、タンクを取り外して簡単に洗浄できるため、衛生面でも安心して利用できます。

ウォーターサーバーの種類と供給方法を理解し、使用環境に適した選択をすることで、より快適な水環境を整えることができます。

ウォーターサーバーに関するよくある質問

ウォーターサーバーを初めて導入する際には、契約内容やメンテナンス、トラブル対処法など、様々な疑問が生じます。
ここでは特に多く寄せられる質問を取り上げ、安心してウォーターサーバーを利用できるようサポートします。

Q. ウォーターサーバーの解約・契約に関するトラブルはどうすればいいですか?

ウォーターサーバーの解約や契約に関するトラブルは、事前に契約書や利用規約をよく確認することが重要です。
特に契約期間や解約手数料の有無を明確に把握しましょう。疑問点があればメーカーや販売店のサポートセンターに問い合わせ、詳細な説明を受けることをおすすめします。

最近ではショッピングセンターの特設ブースなどで強引な勧誘を受けたり、説明不足のまま契約を結んでしまったりという相談が多く寄せられています。

契約時には以下の点に注意しましょう。

焦ってその場で契約をせず、他製品と比較検討しましょう。

不要と感じたらきっぱりと断りましょう。

契約内容、特にレンタル・購入条件や解約条件をしっかり確認しましょう。

強引な勧誘や急かす事業者とは契約を避けましょう。

万が一トラブルが発生した場合は、速やかに最寄りの消費生活相談窓口へ連絡しましょう。

消費者ホットライン:188

詳しくは消費者庁のウェブサイトを参照してください。
消費者庁
ウォーターサーバー契約に関する消費者契約法の解説

Q. ウォーターサーバーを選ぶ時のポイントはなんですか?

ウォーターサーバーを選ぶ際には、設置場所や使用頻度、ランニングコスト(電気代など)を総合的に検討することが重要です。以下のポイントをチェックすると良いでしょう。

  • ・ ボトル交換やメンテナンスの手間の有無
  • ・ チャイルドロックやエコモードなど安全・省エネに役立つ付帯機能
  • ・ 提供される水の種類(天然水、RO水など)や味わいの好み

自分のライフスタイルに合ったウォーターサーバーを選ぶことで、より快適な水生活を送ることが可能です。

安全性、利便性、おいしさ、どれも叶えるのはWACOMS

WACOMS TRUST SERVERのホワイトとブラック2台がキッチンに並んで置かれている様子

ウォーターサーバーを選ぶ基準はライフスタイルによってさまざま。
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そして分子レベルまで浄化した水に天然ミネラルを溶出しました。高度に浄化された水に沖縄の海由来の天然ミネラルを溶出することで、ただ安全なだけでなく、口当たりの良いまろやかで美味しい水を提供しています。

WACOMS TRUST SERVERは水道直結型自給式タンク型の2種類を展開しており、オフィスや店舗、自宅など様々な環境に対応可能です。

おいしいお水はもちろんのこと、専用のパウダーを補給していただければ、お茶やコーヒーがいつでもお飲みいただけます。

WACOMS TRUST SERVERに搭載された、岐阜大学と共同開発した世界初のDUV(Deep Ultra Violet 深紫外線)殺菌システムのイメージ図

WACOMS TRUST SERVERは安心安全な機能も完備。

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深紫外線(UV-C 275nm)を使用し、コップと飲料を同時に殺菌することで衛生的な飲料環境を提供します。(特許出願中)

「ノータッチスイッチ」を標準搭載し、本体に触れずに指を近づけるだけで衛生的に飲料を注ぐことができます。

小さなお子様向けには、指定秒数以上ボタンを押さないとお湯が出ないチャイルドロック機能も設定可能です。

WACOMS TRUST SERVERに搭載された、「ノータッチスイッチ」のイメージ図

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参考

一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会 | 宅配水形、浄水器形ウォーターサーバーについて
一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会 | JDSA メンテナンスマニュアル
一般社団法人 日本宅配水&サーバー協会 | JDSA ウォーターサーバーガイドライン

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