便秘って本当に辛いですよね。「女性の3割以上が日常的にお腹のハリなどを感じている」という調査結果もあるくらい、悩まされている人の多い「便秘」。
その原因は、食生活の乱れや運動不足、ストレスなど、人によりさまざまですが、原因の一つに水分不足が挙げられます。水分の摂取量が少ないと腸内の便は硬くなってしまい、排出されにくくなります。
便秘に悩んだら、まずは1日に1.5〜2リットルの水分をこまめに分けて摂取することを心掛けてみてください。腸のぜん動運動が活発になり、排便が促進されます。
さらに、便秘解消に効果的な飲み物を飲むことで、腸内環境が改善され、スムーズな排便が期待できます。
今回は、セブンイレブンやファミマ、ローソンなどのコンビニやスーパー、薬局で手軽に買えて、便秘解消に期待できるおすすめの飲み物をご紹介します。効果が出やすい飲み方も併せて解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【目次】
コンビニやスーパーで買える!便秘に効く飲み物9選
便秘解消のカギは、腸の動きを活発にすることです。近年ではこれを「腸活」と呼んで、日々の暮らしに取り入れている人が多くいます。
「腸活」とは、善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌、酪酸菌、麹菌、酢酸菌など)や悪玉菌、日和見菌など、腸内に生息するさまざまな菌(腸内フローラ)のバランスを整えることです。
飲むだけで腸内環境が整うため、手軽に始められそうですよね。
コンビニやスーパーでも手に入る「腸活」を意識したドリンクは、以下のような飲み物が挙げられます。
水
水と一言にいっても、硬水、常温、冷たい水、白湯、炭酸などがあり、種類や飲み方によって、便秘にそれぞれの効果をもたらしてくれます。
・硬水
硬水が便秘に直接的な効果があるという科学的な証拠はありません。ただし、一般的に硬水に含まれるミネラル成分(カルシウム、マグネシウムなど)が豊富であるため、便秘に効果的な栄養素を摂取することができます。特に、「マグネシウム」は便秘症状を改善するのに役立つとされています。
・常温の水
20〜35度の常温の水は、胃腸への負担をかけることなく体内に吸収されます。また、胃の温度を下げないため、消化もスムーズになります。
冷たい水を常飲している人であれば、体温を下げない常温の水に変えると、冷え性の改善につながることも。
いつでも手軽に摂取しやすいので、こまめな水分補給におすすめです。
・冷たい水
朝起きてすぐに、コップ1杯の冷たい水を飲むことで、便秘の解消が期待できます。
胃に刺激を与え、大腸のぜん動運動を促すことができると言われています。
その後は朝食をしっかりと摂ることで、さらに便を出す力が高まります。
ただし、冷たい水の飲みすぎは胃に負担がかかるため、コップ1杯にとどめておき、胃腸が弱っている時は控えてください。
・50度〜60度の白湯
50~60度の白湯には、便を柔らかくする効果があるため、排便されやすくなります。胃や腸を温め、ぜん動運動が促されるためです。
最近では、コンビニのホットドリンクコーナーで白湯が売られていることも多くなり、手軽に外出先でも入手しやすくなってきています。
・炭酸水
炭酸水に含まれている二酸化炭素には、便を柔らかくし、排便をサポートしてくれる効果があります。
また、炭酸水を飲むことで胃が刺激され、胃酸の分泌が活性化されます。胃酸が十分に分泌されることで、食べ物がしっかり消化され、その後便として排出されやすくなるのです。
ただし、砂糖を大量に含んだコーラなどの甘い炭酸水は、飲みすぎると高血圧や糖尿病などの悪影響を及ぼす可能性があります。飲む際には無糖の炭酸水を選ぶようにしましょう。
乳酸菌飲料
「乳酸菌」とは、健康に良い効果が期待できる菌のこと。炭水化物などの糖を分解して乳酸をつくる細菌の総称です。
乳酸菌には、腸内環境の改善、腸の運動促進、消化吸収の改善などの効果が期待できます。
また、免疫力を高めたり、有害な細菌の繁殖を抑えることで、健康維持や疾患予防に役立ちます。
便秘に効く乳酸菌飲料としては、以下のようなものがおすすめです。
・ヨーグルト飲料
ヨーグルトには乳酸菌が多く含まれており、腸内環境の改善に役立ちます。また、ヨーグルト自体に食物繊維が多く含まれているため、便秘の改善にもつながります。
・ラクトフェリン入り乳酸菌飲料
「ラクトフェリン」は、哺乳類の乳や体液中に存在するタンパク質の一種です。腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境の改善や便秘の改善に効果が期待できます。
その他、免疫力の向上、貧血改善、疲労回復効果もあるとされています。
・ビフィズス菌入り乳酸菌飲料
「ビフィズス菌」は腸内に存在する多様な菌群の中でも、重要な役割を果たす菌の一つです。腸の運動を促進する効果があり、便秘の改善につながります。また、免疫力の向上、アレルギー改善などのうれしい働きもしてくれます。
ただし、乳酸菌飲料は商品によって含まれる乳酸菌の種類や含有量、生存率などが異なるため、自分に合った商品を選ぶことが重要です。
ハーブティー
ハーブを使ったお茶には、種類によりさまざまな効能があります。
便秘解消に効果があるものとして、ハイビスカス、ローズヒップを含んだハーブティーがおすすめです。薬局やコンビニでも売っていたりするので、探してみてくださいね。
・ハイビスカスのハーブティー
ハイビスカスの赤い色の色素成分「アントシアニン」は、軽度の下剤のような働きがあり、便秘の解消に効果が期待できます。他にもハイビスカスの主要成分の一つである「ペクチン」という水溶性食物繊維には、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境をよくする働きがあります。
・ローズヒップのハーブティー
ローズヒップを使ったハーブティーは「ビタミンC」が豊富に含まれていることで有名ですが、こちらもハイビスカスティー同様「ペクチン」が多く含まれています。
そのため、こちらも便秘がちの人にピッタリのハーブティーと言えるでしょう。
ただし、ローズヒップティーは長期的かつ大量に飲みすぎてしまうと、下痢になることもあるため注意が必要です。
ココア
ココアには、不溶性食物繊維の一種である「リグニン」が豊富に含まれています。
不溶性食物繊維は、水に溶けず、膨張性があるために腸内で体積が増え、便通を促すことができる特徴があるのです。
また、ココアが持つ保温効果で、胃や腸を温めて活性化させることができるため、温めて飲むと相乗効果が期待できます。
ココアには、砂糖や乳製品を加えた「調整ココア」と、脂肪分が取り除かれた「純ココア」の2種類があるのですが、コンビニなどに売られているものは調整ココアがほとんどです。便通の改善効果は純ココアの方が高いため、スーパーなどの店頭で純ココアを見つけた時は、そちらを選んでみてください。
コーヒー
コーヒーに含まれている「カフェイン」には、内臓の働きをコントロールする「迷走神経」を活発化させる働きがあると言われています。
またカフェインには胃酸の分泌を促す効果があり、消化を助けるほか、腸へ刺激を与え、大腸の動きを活発にします。コーヒー2杯程度で1000キロカロリー分の食事と同程度、腸の動きがあるという報告もあります。
さらに、コーヒーには「コーヒーオリゴ糖」が含まれています。
コーヒーオリゴ糖は消化されにくく、胃酸では分解されずに小腸まで運ばれ、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えます。
コーヒーにミルクを入れて飲む場合、牛乳に含まれるビフィズス菌も同時に摂取できます。ビフィズス菌はコーヒーオリゴ糖と同様、善玉菌のエサとなります。
ここで注意が必要なことは、コーヒーの利尿作用です。飲みすぎると体内の水分量の減少につながり、便秘の原因となるので、飲みすぎには気をつけてください。また、幼児や小さい子供、妊娠中の女性はカフェインによる影響を受けやすいため、控えた方が良いでしょう。
スムージー
スムージーは、果汁のみを使った野菜ジュースと違って、生の果物や野菜をそのままミキサーにかけて作られます。そのため、食物繊維が豊富に含まれています。この食物繊維が、腸内で水分を吸収して膨張し、便のかさを増やすことで便通を促進します。
消化吸収がされやすく、固形の食品を摂取するときに比べて腸内で留まる時間が少ないので、便通を促進することができるのも利点の一つです。
また、生野菜や果物の中に含まれている「酵素」「オリゴ糖」「ビタミン」にはさまざまな良い効果が期待できます。
- ・酵素
消化力のアップや腸内環境を整える働きがあります。酵素は加熱調理などにより失われがちな栄養素ですが、スムージーであれば効率的に摂取できます。
- ・オリゴ糖
善玉菌の一つであるビフィズス菌などを増やす働きをするため、腸内環境を整えます。
- ・ビタミン
ビタミンAは、腸内の粘膜を健康に保ち、便の通りを良くします。
ビタミンCは、便の水分を増やし、柔らかくする作用があります。腸内の炎症を緩和することもできます。
ビタミンEは、便通改善に効果的な抗酸化物質の一つです。また、腸内での栄養素吸収を促進する働きがあります。
スムージーを作る際には、乳酸菌が豊富に含まれるヨーグルトや牛乳などを混ぜると、より一層の効果が期待できます。
オリーブオイル
オリーブオイルに70〜80%含まれる「オレイン酸」は不飽和脂肪酸の一種で、腸内の消化管をスムーズに動かす働きがあります。
また、オリーブオイルには、腸内環境を整える「ポリフェノール」や「ビタミンE」も含まれており、これらの成分は、腸内の善玉菌を増やして、悪玉菌を減らす働きがあります。
さらに、腸の潤滑油としても活躍してくれます。
便通改善に役立つ成分がたくさん含まれているのです。
ただし、オリーブオイルはカロリーが高く、摂りすぎは良くありません。接種は1日あたり大さじ1~2杯程度にとどめておきましょう。
オリーブオイルは、炒め物にはもちろんのこと、サラダドレッシングにしたり、バターの代わりとしてパンにつけたり、スムージーに加えたりなど、いろんなレシピに取り入れやすいのもうれしいポイントです。
長時間加熱すると栄養素が壊れてしまうため、短時間で調理するのがおすすめです。
酢ドリンク
酢の主成分である「酢酸」は、ツンとした刺激臭や、独特の酸味が特徴です。
この酢酸が、胃液の分泌を促進して消化をサポートし、腸へ刺激を与え、便秘の解消を促します。腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもあります。
さらに便秘解消だけでなく、疲労回復、内臓脂肪の減少、高血圧やガンの抑制などの効能も。
また、お酢には食物繊維が多く含まれており、特にリンゴ酢には「ペクチン」という不溶性食物繊維が豊富なため、便秘の改善を促します。
近年ではその健康効果に着目し、黒酢や果実酢を用いた飲みやすいドリンクが多く発売されています。
コンビニやスーパーに定番として置いてあることの多い商品なので、ぜひ試してみてくださいね。
ただし、お酢は酸性のため、過剰な摂取や胃が弱い方は消化不良や胃痛の原因になる場合もありますので、適量を守って摂取することが大切です。
甘酒
甘酒は近年、高い栄養価とその健康効果に高い注目が集まっており、腸内環境を整える効果もあります。
甘酒は大きく分けて「酒粕甘酒」と「米麹甘酒」があり、共通する栄養素もありますが、それぞれ異なるものも含まれます。
・酒粕甘酒
「酒粕」とは、日本酒を仕込んだ後の醪(もろみ)を絞った時に残るものをいいます。
酒粕100g当たり約5g含まれているという「不溶性食物繊維」が腸内の余分な老廃物を排出し、お米由来の「グルコシルセラミド」と「オリゴ糖」が善玉菌を増やします。
「アミノ酸」が腸の粘膜を保護し、「ポリフェノール」の抗酸化作用によって腸内環境を整え、「酵素」が消化を助けます。これらの成分が作用しあって、相乗効果で腸内を整えていきます。
また、米麹には含まれない「レジスタントプロテイン」も健康効果をもたらす注目の成分です。タンパク質の仲間ですが、体内ではほぼ吸収されずに排泄されるため、食物繊維と同じような働きをします。
ただし、酒粕にはアルコールが含まれるため、お酒に弱い方や妊婦さんは気をつけてくださいね。
・米麹甘酒
「飲む点滴」と呼ばれる米麹甘酒。蒸したお米に麹菌を種付けし、繁殖・発酵させたものを「米麹(こめこうじ)」といいます。
米麹甘酒による便通改善効果が、「麹菌」そのものによってもたらされることが、八海醸造株式会社の行ったヒト臨床試験によってわかったそうです。
その他、酒粕甘酒の成分と同じく、お米由来の「グルコシルセラミド」と「オリゴ糖」が腸内の善玉菌を増やし、「アミノ酸」が腸内の粘膜を修復します。
「酵母菌」にも善玉菌を増やす働きがあり、「ビタミンB群」が腸の運動を活発化させ、便通を促します。
また、米麹甘酒には体を温める作用があること、糖分が少ないこともうれしい特徴ですね。
酒粕と米麹の両方を原料とした甘酒を飲んだグループと、同量のお湯を飲んだグループに分け、排便回数や排便量、便の状態、排便後の感覚を比較した結果、全ての項目で甘酒を飲んだグループの方が便通改善の効果があったという森永製菓の研究結果もあります。
このように、「酒粕甘酒」「米麹甘酒」共に、便秘解消を助ける成分が豊富に含まれているのです。温めて飲めば腸の冷えも改善できるためおすすめです。
色々な種類の甘酒がありますので、自分に合った甘酒を選んで楽しく腸活しましょう。
便秘解消には水分をしっかりとることが大事
体内の水分量が不足すると、尿の排出量が減り、その後は便から水分を吸収していきます。便秘解消のためには、適切な水分摂取量や、効果的な飲み方を知った上で、実践することが大切です。
ここでは、便秘にならないための水分摂取方法について、詳しくご紹介していきます。
1日の水分量の目安
個人差はありますが、1日に飲み水として摂取が必要なのは、1.2リットル程度と言われています。便秘の時は、少し多めの1.5〜2リットルの摂取を推奨しているお医者さんもおられるようです。
この水分量の中には、コーヒーや烏龍茶、紅茶などのカフェイン入りの飲み物や、アルコールは含まれません。カフェインやアルコールには利尿作用があり、飲んだ分以上の水分の排出を促してしまうからです。
白湯や水だけでは味気ない場合は、カフェインを含まない麦茶や、豆乳や牛乳などを上手に活用しながら水分補給を心がけましょう。
飲むタイミング
水分補給をする際、一度に大量の水を飲むのはおすすめできません。体内の水分量を調整している腎臓へ一度に大量の水分が送られると、腎臓のろ過機能に大きな負担がかかるからです。
一度に摂る水分量は200ミリリットル前後を目安として、一定時間をあけながらこまめに飲みましょう。この時、2時間以上は間隔を空けないようにしてください。
起床後、食事の前後、入浴前後、就寝前、運動の前後など、生活に合わせてこまめに飲むことで、飲み忘れや飲みすぎを防ぐことができます。
便秘に即効性を求める時に試したいこと
便秘の症状に苦しむ人の中には、「とにかく早く治したい」という想いを抱える人も多いのではないでしょうか。お腹の張りによるイライラや、食欲の減退など、便秘の長期化は他の体調不良を引き起こしかねません。ここでは、即効性の高い便秘の解消方法についてご紹介します。
起床時にコップ一杯の水を飲む
睡眠中は腸も活動を休んでいます。朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲むことで、空っぽの胃に適度な刺激が与えられ、腸のぜん動運動を促進する効果があります。結果的に便意を感じやすくなり、午前中の排便を促すことができるのです。
ウォシュレットで肛門を刺激
温水のウォシュレットで肛門を刺激すれば、この刺激が引き金となって排便を促すことができます。これは赤ん坊が上手に排便できない際に、綿棒などで肛門を刺激するのと原理は同じです。
しかし、この方法を多用した場合、ウォシュレットなしでは排便しにくくなったり、排便後にスッキリしない……といった症状が現れることがあります。あくまでも補助的な使用にとどめ、常用しないようにしましょう。
便秘薬を試す
便秘により腸内に便がとどまり続けると、さらに便から水分が吸収され、排出されにくくなります。すると肛門付近で便が渋滞を起こし、ますます便秘が加速します。
悪循環を断ち切るには、下剤などの便秘薬を用いるのも有効です。ただし、便秘薬にもさまざまなタイプがあり、効果やデメリットなどをあらかじめ理解しておくことが大切です。
・非刺激性タイプ
非刺激性タイプの下剤は、内臓(腸)ではなく、便に働きかけるものです。便の水分量を増やし、便を柔らかくすることで排出を促します。また、水分量が増えることでカサが増え、それが腸への刺激となります。
初めて下剤を使う方や、症状の軽い方はまずこちらを選ぶといいでしょう。
・刺激性タイプ
刺激性タイプの下剤は、大腸に直接刺激を与えて腸の動きを促し、排便を後押しします。
内臓に直接働きかけるため、お腹が痛くなる可能性があること、連用することでだんだんと効きが悪くなることもあることに注意が必要です。
医師や薬剤師に相談してから使うことをおすすめします。
坐薬、浣腸に頼る
肛門の近くまで便が来ている場合、坐薬や浣腸の力を借りるのも有効な手段です。
坐薬は、肛門から薬剤を直接挿入し、薬効成分や炭酸ガスなどで直腸を刺激し、便意を促します。挿入後、5~20分ほどで効果が現れます。
浣腸は、液体タイプの薬を腸内に入れ、大腸を刺激するとともに、便を柔らかくする効果があります。使用後は3~10分ほどで効果が出るため、最もスピード感のある方法と言えるでしょう。
いずれのタイプでも、市販薬には必ず説明書きがついているため、内容をよく読み、用法や容量を厳守しましょう。
便秘に効く飲み物と併せて!手軽に押せるツボをご紹介
便秘には水分不足の他にも、ストレスや体質、栄養の偏りなど、さまざまな要因がありますが、手軽に便秘を解消できる方法として挙げられるのが、「便秘に効くツボ」を押すことです。
人体に無数にあるツボの中には、ストレスを和らげたり、腸の動きを活性化したり、消化器官の働きを促すものもあり、便秘解消にも非常に有効であることが分かっています。
ここでは便秘に効く飲み物と併せて試してほしい、簡単に試せるツボをご紹介していきます。
妊娠中の方は、主治医に確認の上で行ってくださいね。
手のツボ
手には、ストレス解消やリラックス効果のあるツボがいくつも存在しています。ストレスは便秘の原因の一つであり、リラックスすることでスムーズな排便を促進することが期待されます。
ここでは、便秘の解消に繋がる手のツボを2つご紹介します。
・合谷(ごうこく)
合谷は、手の甲側に存在するツボです。
親指の付け根と、人差し指の付け根の骨の真ん中に位置しています。ここを刺激することで、手の筋肉の緊張がゆるみ、リラックスできると言われています。
親指を使って合谷のツボを刺激し、「気持ちいい」と感じる強さで30回ほど押したり揉んだりしてみましょう。強く押しすぎたり、急に手を離すと逆に負担がかかってしまうため、ゆっくりと押し、離すを繰り返すのがポイントです。
・神門(しんもん)
小指から手首に向かって下ろした線と、手首の付け根の横ジワが交わったところにあるツボです。
押し方は、親指の腹をツボに当て、息を吐きながら「1・2・3・4」と4つ数え、骨の内側に向かってツボを押していきます。その後、再び4つ数えながら息を吸い、指の力をゆっくりと抜きます。
この動作を「痛気持ちいい」と感じる力加減で5~10回繰り返すと、イライラした気持ちがやわらぎ、体がリラックスした状態になります。
指で押しにくい時は、ペンなどを使い、力加減を調節しながら行うといいでしょう。
足のツボ
手の次に押しやすいツボが、足にあるツボです。
足には消化器系に効果があるツボがたくさんあり、便秘はもちろんのこと、女性にとって嬉しい効果が期待できるツボもあります。
ここでは、2つの足のツボをご紹介します。
・三陰交(さんいんこう)
三陰交は、内くるぶしの骨から、指4本分上のところにあるツボです。骨と筋肉の境目にあり、くぼみに両手の親指を押し当て、3回ほどゆっくりと刺激します。
三陰交のツボを押すと、下腹部の血行を促し、体温を上昇させると言われています。
下痢や便秘など消化器系の不具合の改善にも効果がある一方、生理痛・生理不順といった婦人科系の疾患にも効果を発揮するツボです。
また、冷え性で悩む人にも効果的なため、特に女性に試してみてほしいツボでもあります。
・足三里(あしさんり)
足三里は、体中のツボの中でも非常に有名なツボです。胃腸の消化・吸収・排泄すべての調節に効果があるツボと言われています。
腹痛や便秘、消化器不全にも効果があり、胃腸の機能を高めるとされています。
足三里のツボは、膝の皿の一番下から、指(人差し指~小指)を4本分下ろし、そこから指1本分外側の箇所にあるツボです。
親指や、人差し指と中指を使って3回ほど揉み押しましょう。
お腹のツボ
お腹周りのツボは、胃や腸に近いぶん、便秘にも高い効果が期待できるものが多くあります。ここでは、お腹周りのツボをご紹介していきます。
食後すぐは胃の周りに血液が集まるため、これらのツボを押す時は、食後2時間程度の間を空けてからにしてくださいね。
・天枢(てんすう)
天枢は、おへそから指3本分ほど外側の位置に存在するツボです。
胃腸の機能を左右する重要なツボとされ、便秘の他、吐き気や嘔吐を伴うような胃腸炎や、消化器系の疾患に効果を発揮します。
お腹が軽くへこむくらいの力加減で、人差し指、中指、薬指を添えて3回押しましょう。
・大巨(だいこ)
大巨は、おへそから指3本分下がり、さらにそこから外側に指2本分の箇所にあるツボです。
慢性の便秘や下痢の特効ツボとしても知られており、他にも下腹部の不快感や張りをやわらげ、胃腸の機能を高める効果があります。
大巨のツボには、人差し指と中指を添え、息を吐きながらゆっくり10秒くらい押し込みます。息を吸いながら力を抜き、これを4~5回繰り返します。力は入れず、ソフトに押すことがコツです。
また、便秘にお悩みの場合は40度くらいのお湯を入れたペットボトルを、大巨のツボに1~2分当てるのも効果的とされています。
・複数のツボを円を描くように押す
上記で紹介したお腹のツボは、一つひとつ単体でも効果を発揮します。しかし、複数のツボを円を描くように押していくと、お腹の筋肉の緊張がゆるみ、腸が直接刺激され、便秘解消に即効性を感じる人が多いようです。
順番は、大巨の右側、天枢の右側、中脘(ちゅうかん)、天枢の左側、大巨の左側、関元(かんげん)の順序で押していくのがポイントです。
中脘はみぞおちとおへその中間あたりに位置し、関元はおへそから指4本分下に位置するツボです。
背中のツボ
ここでは、背中にある便秘に効くツボを2つご紹介します。
背中のツボは、自分の指では押しにくい場合もありますが、ゴルフボールやテニスボールなどを使って自重で押すと、無理せずに刺激することができるので試してみてください。
・便秘点(べんぴてん)
背中の肋骨の下から数えて、指幅2本分下り、背骨から指幅4本分外側のところにあるツボです。
便秘点のツボは、ダイレクトに大腸へ働きかけるため、即効性を感じやすいです。
ウエストに手を置き、親指でツボを押しながら5回ほど体をひねると、効果的にツボを刺激できます。
・大腸兪(だいちょうゆ)
大腸兪は、腰骨の高さから、背骨から指幅2本分外側にあるツボです。
その名の通り、大腸に関する疾患を治す効果が高いのが特徴です。便秘や下痢のほか、腰痛やぎっくり腰などにも効果があります。
仰向けで膝を立てた状態で、こぶしの尖った部分を大腸兪のツボに当て、膝を左右にゆっくりと動かすと、効果的に刺激を与えることができます。
便秘に効く飲み物を生活にうまく取り入れよう
水分不足やストレス、体質や生活習慣など、さまざまな原因が折り重なって現れる便秘の症状。
飲み物の種類に気を配ったり、こまめに水分を摂るだけで改善されるケースもあるようです。
しかし、1週間経っても改善が見られない場合や、ひどい便秘の時は、消化器内科の受診をお勧めします。
まずは適度な運動、十分な睡眠などと合わせて、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。
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