
私たちが日常的に口にしている「水」には、さまざまな種類があります。採水地や処理方法、含まれるミネラル量などによって大きく特徴が異なります。
本記事では、水の種類とその特徴を紹介するとともに、安全性を重視したおすすめの飲み水もご案内します。
ぜひライフスタイルに合った水選びの参考にしてみてください。
水の種類8つ

水には色々な種類がありますが、ここでは代表的な8つの種類について解説します。
水道水
日本の水道水は、世界的にも高い安全基準を満たし、いつでもどこでも手軽に利用できる安心の水です。
水道水は、河川水やダム湖水、湖沼水、地下水などを水源とし、浄水場で徹底的な処理を施した上で、各家庭へ供給されます。日本では、約75%が地表水(河川・湖沼・ダム湖など)、残りの25%が伏流水(地下に浸透した河川水)や井戸水が水道水の水源となっています。1

水源となる原水は、浄水場で複数の工程を経て安全な飲料水へと生まれ変わります。浄水処理の方式には、急速ろ過・緩速ろ過・膜ろ過・消毒のみの4種類があり、いずれも最終的に塩素消毒が義務付けられています。これは、細菌やウイルスの増殖を防ぎ、蛇口から出るまでの間に安全性を保つために欠かせない工程です。
近年では、水源の水質悪化や水道水のさらなる品質向上を目的に、「高度浄水処理」が導入されるケースも増えています。従来の処理では除去しきれない臭いや微量物質(トリハロメタンなど)を低減するため、活性炭処理・オゾン処理・生物処理といった高度な技術が活用されています。2
ミネラルウォーター類
ミネラルウォーターとは、地下水を水源とし、容器に詰められて販売される飲料水のうち、特定の基準を満たしたものを指します。自然由来のミネラル成分(カルシウム、マグネシウム、カリウムなど)を含んでいるのが特徴です。
分類によって処理方法や成分に違いがあるため、用途や好みに合わせて選ぶのがポイントです。
地下水などのうち、飲用に適した水を容器に詰めたものに適用される、農林水産省「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では、日本のミネラルウォーター類は4つに分類されています。
ミネラルウォーターの4つの分類
4つの分類は以下の通りです。
■ ナチュラルウォーター
特定の水源から採取された地下水で、ろ過や沈殿、加熱殺菌など最低限の処理のみを行った水。
■ ナチュラルミネラルウォーター
ナチュラルウォーターのうち、地層中のミネラルが自然に溶け込んでいるもの。もっとも自然に近いタイプとされます。
■ ミネラルウォーター
ナチュラルミネラルウォーターに、処理(ろ過、加熱殺菌、曝気、ミネラル調整など)を加えたもの。味や成分を調整することもあります。
■ ボトルドウォーター
水道水を使用したものや、ミネラル分がほとんど含まれていない地下水を原水とするものなど。必ずしも自然由来のミネラルが含まれているわけではありません。
ミネラルウォーターと天然水の違い
ミネラルウォーターと天然水の違いは、加工の方法にあります。
ミネラルウォーターとは、天然水をベースに殺菌・ろ過・ミネラル調整などをした加工水のことです。味やミネラルバランスを整えている場合もあります。
天然水とは、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターのことで、「自然そのままに近い水」。できるだけ手を加えず、ろ過や加熱だけのシンプルな処理でボトリングされたものを指します。
ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン3では、“ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター以外のものに対する「自然」、「天然」の用語及びこれに類似する用語は表示禁止”とされています。
海洋深層水
海洋深層水とは、水深200メートル以深にある海水のことを指します。太陽光がほとんど届かないため水温が低く、光合成が行われないため、生き物が少ないという特徴があります。飲料水として使うには、塩分を取り除く「脱塩処理」が必要です。
メリットとして、非常に清潔で安全であることがあげられます。深層水は表層の海水に比べて細菌や有害物質が少なく、もともと清浄性が高い水です。さらに、脱塩処理でほとんどの不純物が取り除かれるため、安心して飲める高品質な水になります。
塩素処理が不要で、病原菌が少ないため、水道水のように塩素を加える必要がなく、トリハロメタンなどの有害物質の発生も防げます。
デメリットとしては、ホウ素濃度が高いことがあげられ、飲料水基準を超える場合がありますが、近年は膜技術の進歩により対応が進んでいます。
炭酸水
炭酸水とは、炭酸ガスを含んでいる清涼飲料水のことです。
日本農林規格では、炭酸飲料は以下のように定義されています。
①水に二酸化炭素を圧入したもの
②①に甘味料,酸味料,フレーバリング等を加えたもの
炭酸飲料の品質基準は、性質、ガスの圧力、原材料添加物などが、日本農林規格により規定されています。
精製水
精製水は、水道水などの常水を原水とし、蒸留、イオン交換、逆浸透(RO)、限外ろ過(UF)などの方法で不純物を取り除いた水です。4
飲料用ではなく、主に医療機器の洗浄や試薬の調製、コンタクトレンズ用の洗浄液などに使われています。
精製水は「純水」の一種で、さらに高純度の「超純水」は、精密な分析や遺伝子実験などに使用されます。5
蒸留水
蒸留水は、水を加熱して蒸発させた後、蒸気を冷却・凝縮する「蒸留」という方法でつくられた水です。この過程により、水に含まれるミネラルや不純物(沸点の高い成分)が取り除かれ、高純度な水が得られます。6
蒸留によって同時に加熱殺菌も行われるため、衛生的であることも特徴です。主に一般分析・器具洗浄・微生物の培養など、研究や医療、工業分野で広く使用されています。7
アルカリイオン水
アルカリイオン水とは、水道水をアルカリイオン整水器で電気分解し、陰極側から得られるpH9〜10の弱アルカリ性の電解水です。この水には、電気分解により生成された水酸化物イオン(OH⁻)や水素(H₂)、さらにカルシウムなどのミネラル成分が多く含まれています。8
1966年に薬事認可を受け、1990年代には科学的な比較試験を通じて、胃腸症状の改善効果が確認されました。現在では、1日0.5〜1Lの継続飲用による健康維持効果が期待されています。9
アルカリイオン水はその性質上、酸化還元電位が低く、抗酸化作用をもたらすとされる溶存水素も含まれています。10
ただし、腎臓疾患のある方やカリウム排泄に障害のある方は飲用を避けるべきとされており、飲用前には医師への相談が推奨されています。
RO水(逆浸透膜水)
RO水(Reverse Osmosis Water)とは、逆浸透膜(RO膜)と呼ばれる極めて細かいフィルターを通して、不純物を除去した水のことです。RO膜の孔径は約1ナノメートルと非常に小さく、ウイルスや細菌、イオン、重金属、塩分、有機物などを効果的に取り除くことができます。
この技術は1950年代以降、蒸留法に代わる水処理技術として普及し、現在では海水の淡水化や家庭用の浄水器にも広く使われています。11
RO水浄水器のメリット
1つ目は幅広い不純物を除去できることです。一般的な浄水器では除去できない微細な有害物質(鉛、硝酸態窒素、農薬、トリハロメタンなど)までしっかり除去。
2つ目は安心・安全な飲料水が手に入ることです。水質に不安がある地域や、水道水のにおい・味が気になる方にも最適。
3つ目は、ボトル水の購入が不要になること。毎日のミネラルウォーター購入コストや手間を削減し、環境にもやさしい。
4つ目は、海水や井戸水にも対応可能なことです(機種による)。 原水の種類に関係なく使用できる機種もあり、非常時や特定地域での活用にも便利。
ただし、RO水はミネラル分も取り除かれるため、必要に応じてミネラルを溶出させる機能を備えた浄水器を選ぶとよいでしょう。
水素水
水素水とは、水の中に水素分子(H₂)が豊富に溶け込んでいる水のことです。近年、健康や美容に良い水として注目されており、ドラッグストアやコンビニ、ネット通販などで手軽に購入できます。水素は体内で活性酸素と結合して無害な水に変える働きがあるとされ、20種類以上の疾患や不調に効果があるという研究報告もあります。12
市販の水素水には以下のような多様な製品タイプがあります。
- ・ アルミパウチ型・アルミ缶型・ペットボトル型
- ・ スティック型(後から水素を発生させる)
- ・ 浄水器型や水素発生サーバー型
- ・ 水に溶かすタブレット型
とくにアルミパウチ型は、水素分子が抜けにくい多層構造の特殊フィルムが使われていることが多く、水素分子の保持力が高いとされています。
また、製品によっては溶存水素濃度が明記されているものもありますが、すべての製品に記載があるわけではありません。
なお、水素水の効果については研究段階の部分も多く、個人差があることや、医薬品との併用や特定の持病がある方への影響については注意が必要です。継続的に利用する場合は、医師や専門家に相談することが推奨されます。
水の種類 | それぞれの特徴とは?

水には見た目ではわかりにくい「硬度」や「pH」といった性質があり、これらは水の味や用途、体への影響に大きく関係しています。ここでは、水の性質を「硬水・軟水」「酸性・中性・アルカリ性」の2つに分けて紹介します。
硬水・軟水
水の硬度は、カルシウムとマグネシウムの含有量によって決まります。一般的に、硬度が120mg/L未満の水を軟水、それ以上を硬水と呼びます。
軟水
口あたりがまろやかで、日本の水道水の多くがこれに該当します。和食やお茶に適しており、赤ちゃんのミルク作りにも向いています。
硬水
ミネラルを多く含み、少し苦みや重みのある味が特徴です。ヨーロッパの天然水に多く見られ、便通の改善やスポーツ後のミネラル補給に利用されることもあります。
酸性・中性・アルカリ性
水のpH(ペーハー)値は、水の酸性度やアルカリ性度を示す指標で、0〜14の数値で表されます。中性はpH7、これより低ければ酸性、高ければアルカリ性です。
- 酸性水(pH3〜6):殺菌力があり、洗顔や肌への利用に向いています。
中性水(pH7前後):一般的な水道水は中性に近く、飲用としてバランスの取れた水です。 - アルカリ性水(pH8〜10程度):アルカリイオン水や水素水などが該当し、胃腸に良いとされることがあります。
より安全性を重視したお水の種類を選ぶには?安心して飲めるお水6選

「コンビニやスーパーで売っているお水は、どれも安全だろう」──そんなふうに思っていませんか?
しかし、2024年7月、神戸市内の企業が製造したミネラルウォーターから、健康への影響が懸念される有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出されたというニュースが報じられ、市販のペットボトル飲料水の安全性に注目が集まりました。13
さらに、2022年に行われた調査でも、98試料中1試料から水道法の暫定目標値(PFOSとPFOAの合算で50ng/L)を超える56ng/LのPFASが検出されるなど、14水道水以外の飲料水に対する監視の必要性が明らかになっています。
こうした背景を受け、これまで水道水のように明確な基準がなかった市販のペットボトル飲料についても、2025年2月に消費者庁がPFASを対象とした水質基準を導入する方針を発表しました。ミネラルウォーターなどの飲料水に対しても、メーカーに品質管理を法律で義務づける動きが進んでいます。15
このように、ミネラルウォーターの水質を見直す動きが活発化している現在、購入時にどの水を選ぶかは、消費者にとって重要な判断ポイントとなっています。
市販の水の安全性が気になる場合は、水質検査結果を公開している企業の商品を選ぶとより安心です。
ここでは、水道水と同様の厳しい基準をクリアしていることを公表している、安心して飲めるメーカーのミネラルウォーター6選をご紹介します。
い・ろ・は・す
「い・ろ・は・す」をはじめとする製品は、法令に基づく水質基準に加え、コカ・コーラ独自のグローバル基準に適合していることを、適切なプロセスで検査・確認しています。また、使用する水については全製造工場でPFAS検査を実施し、環境省の定めた暫定目標値(PFOS+PFOAで50ng/L)を下回っていることを確認済みです。16
サントリー天然水
サントリーでは、「サントリー天然水」について年1回、PFASの自主検査を実施。日本の水道水の暫定目標値(合算で50ng/L)だけでなくアメリカの厳しい基準(各4ng/L)も下回っていることが確認されています。17
キリン 自然が磨いた天然水
キリンビバレッジでは、ミネラルウォーター製造工場で使用する水について定期的にPFAS検査を実施しており、水道法の暫定目標値(合計で50ng/L以下)を下回っていることを確認しています。品質保証体制も原材料から販売まで全工程で整備されています。18
アサヒ おいしい水 天然水
アサヒ飲料の「おいしい水 天然水」ブランドでは、外部専門機関による定期的なPFAS分析を実施。すべての製品において、水道水基準の1/10以下(=5ng/L未満)の値であることが確認されています。19
クリスタルガイザー
アメリカ産の「クリスタルガイザー」は、輸入販売元がPFAS(PFOS・PFOA)不検出(検出限界値未満)であることを確認しています。日本の水道基準(50ng/L)およびアメリカの飲料水基準(各4ng/L)をどちらも下回っています。また、亜硝酸態窒素も不検出であると報告されており、水質の透明性が高い商品です。20
WACOMSなら安全でおいしいお水がいつでも飲める!コスパ抜群でおすすめ

WACOMSは、独自開発の浄水フィルターを用いることで、PFOS・PFOA98%以上を除去し、発がん性を有する可能性のある硝酸態窒素・亜硝酸態窒素を99%以上除去。
厚生労働省が定める水質基準を大幅に下回る水を作り出すことができます。
硝酸態窒素・亜硝酸態窒素の水質基準(10mg/L以下)→WACOMSなら(0.1mg/L以下)
PFOS・PFOAの水質基準(50ng/L以下)→WACOMSなら(1ng/L以下)
さらに、ペットボトルより経済的でエコロジー。
お水は、日々の生活にもっとも身近で、欠かせないもの。
だからこそより安全でおいしいお水を、あなたの生活にも取り入れてみませんか?

種類や効能を知り、ライフスタイルに合ったお水を取り入れよう

水はすべて同じように見えて、成分や性質の違いによって体への作用や味、使い道が大きく異なります。毎日欠かせないものだからこそ、自分や家族のライフスタイルや体調、目的に合った水を選ぶことが大切です。
この記事を参考に、料理や美容、健康面のサポートなど、最適なお水を上手に活用して取り入れてみましょう。
- 東京都水道局 | 水質に関するトピック | さまざまな水源 ↩︎
- 公益社団法人 日本水道協会【JWWA】 | 水道資料室:日本の水道の現状 ↩︎
- 農林水産省|ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン ↩︎
- 日興製薬株式会社 | 日本薬局方 精製水 ↩︎
- 黒木 祥文 | 超純水の製造技術と分析における 超純水の必要性 ↩︎
- 林純薬工業株式会社 試薬化成品部 | 蒸留水について ↩︎
- Drug Delivery System 36―4, 2021 | 純水・超純水 ↩︎
- 財団法人 機能水研究振興財団 | アルカリイオン整水器とアルカリイオン水 ↩︎
- 堀田国元、才原康弘 | アルカリイオン水(飲用アルカリ性電解水)の基礎知識—科学的検証と社会的基盤および展望— ↩︎
- 滋賀県立大学工学部材料科学科 菊地憲次 | アルカリイオン水(飲用アルカリ性電解水)の基礎 ↩︎
- 一般社団法人日本化学工業協会 | No.13 -海水淡水化プラント材料(RO 膜)- ↩︎
- 北陸大学紀要 | 市販飲料水中の溶存水素濃度 ―水素水商品の比較― ↩︎
- 朝日新聞 | ミネラルウォーターからPFAS検出 水道水の暫定目標値超える濃度 ↩︎
- 2024 年9月6日 第3回食品衛生基準審議会 | その他の報告事項に関する資料 ↩︎
- NHK | PFAS “ミネラルウォーターなどの水質基準 水道水と同様に” ↩︎
- コカ・コーラ | 「い・ろ・は・す」含め製品に使用している水は、PFOS.PFOAの検査もしていますか? ↩︎
- サントリー天然水 | PFAS分析体制 ↩︎
- キリン | 「キリン 自然が磨いた天然水」など、キリンのミネラルウォーターについて、PFAS(PFOS、PFOA)の検査をしていますか? ↩︎
- アサヒ | PFAS分析体制 ↩︎
- クリスタルガイザー | 安全・品質・環境への取り組み ↩︎