オフィスや病院、飲食店などでおなじみのウォーターサーバー。いつでも冷たくておいしい水や温かいお湯を用意することができ、とても便利ですよね。これまでは「業務用」のイメージが強かったウォーターサーバーですが、近年は一般家庭にも普及してきています。自宅でいつでもきれいなお水を飲むことができれば、身体の健康にもつながり、お湯を沸かす手間や時間もなくなります。今回は、家庭や会社などのシーンに合わせたウォーターサーバーの特徴や使い方についてご紹介します。
オフィスで使える業務用ウォーターサーバーの特徴
会社の休憩スペースなどに設置されているウォーターサーバーは、大きく分けて4種類あります。ここでは、それぞれの特徴をご紹介します。
給茶機・ドリンクディスペンサー
- よく使われているシーン:社員食堂、休憩室、美容室
- 給茶機・ドリンクディスペンサーはサーバーから直接いろいろな種類のドリンクが楽しめます。緑茶、コーヒー、麦茶、みそ汁、スポーツドリンクなどのパウダーをセッティングすることで、任意のドリンクが出てくるようになります。パウダーを使うことで茶殻などが出ないため、生ごみを捨てる手間がない点も便利です。
冷水器・ウォータークーラー
- よく使われているシーン:公共施設、駅、デパート、工場
- 冷水器・ウォータークーラーは冷たい飲み水がいつでも楽しめる機械です。配管工事がいらない「ボトル型」と、水道に接続する「水道直結式」があります。卓上に置ける小ぶりなタイプや、お湯・冷水どちらも使えるタイプなどさまざまな機種が存在します。自動洗浄機能がついている場合は、ユーザーの設定した好きな時刻にタンク内の水を自動で入れ替えることができます。
ボトル式ウォーターサーバー
- よく使われているシーン:オフィス、店舗、家庭
- 飲料水のボトルなどをセットして使うウォーターサーバーです。お湯・冷水、どちらも使うことができます。メンテナンスの機能が充実しており、水の品質がよいのが特徴です。家庭用のウォーターサーバーとしてもよく選ばれています。コンパクトで使いやすいサイズの機械も多く販売されています。
水道直結式ウォーターサーバー
- よく使われているシーン:オフィス、店舗、家庭
- ボトル交換の手間がなく、水道に直結しているウォーターサーバーです。水道水をろ過して使うため、水のボトルを購入しなくて済むのが特徴。省スペースで使えるタイプは、家庭用のウォーターサーバーとしても選ばれるようになりました。「交換いらず」という点が従来のウォーターサーバーとは違う「次世代型」とも言われる理由です。一般家庭や小さなスペースに合った卓上タイプの機械もあります。
ウォーターサーバーはこんなシーンでも選ばれている
オフィスや街中でよく目にするウォーターサーバーですが、具体的にはどういった場所に設置されているのでしょうか。ウォーターサーバーがよく登場するシーンを解説します。
美容室・サロン
美容室やサロンでは施術の順番を待つ時間や、カラーやパーマ、ネイルアートなどが完成するまでに待ち時間が発生します。通常のショッピングと違い滞在時間も長いため、待ち時間にお茶やお水を飲んでリラックスしてもらう目的でウォーターサーバーを設置する店舗が増えてきました。自動的にコーヒーなどが出てくるドリンクディスペンサーも便利ですが、お湯が使えるサーバーで温かい飲み物を提供することも可能です。待ち時間にセルフサービスで飲んでもらうというお店もあります。美容室・サロンはおしゃれな雰囲気の店舗が多いため、デザイン性を重視するとよいでしょう。
企業・オフィス
企業・オフィスではお客様にお茶やコーヒーを出したり、社員がカップラーメン・カップスープをつくったりするため、お湯の出番が多い傾向があります。電気ポットよりもウォーターサーバーの方が待ち時間なくすぐにお湯を使うことができ、取り扱いも簡単です。会社の規模にもよりますが、利用頻度が高くなることが多いので、水道直結タイプや大容量のボトル式サーバーが人気です。
飲食店
飲食店ではセルフサービスとしてウォーターサーバーを置く店舗も多いですが、調理場付近に設置して料理や飲み物づくりにも使うことができます。お冷やお酒のお湯割りをすぐに出せるところも便利。出している料理に合う水を選ぶのがベストです。飲食店は水の消費量が多いため、水道直結タイプが人気です。
クリニック・病院
美容室同様、待ち時間が長くなるのがクリニック・病院です。体調を崩している人が訪れる場所なので、水分補給はサービスの一環。子どもから高齢者まで幅広い年齢層の方がウォーターサーバーを使うことが予想されるので、操作がわかりやすい機械が選ばれやすいです。また、クリニック・病院は清潔感ある待合室が多く、不安を抱えた人が訪れる場所なので、派手なデザインよりも落ち着いた雰囲気の機械が合っています。
業務用ウォーターサーバーのデメリットは?
便利で身体にやさしい水が飲めるウォーターサーバーですが、場合によってはわずらわしいことも発生します。ここでは、業務用ウォーターサーバーを導入する際のデメリットをご紹介します。
サーバーや水が場所を取る
ボトル式などのウォーターサーバーは何リットルもの水が入ったボトルを保管・設置する手間があり、店舗やオフィスなどのスペースを圧迫してしまいます。一般的なものでも幅・奥行きともに30~36cm、高さは1m程度で、場合によってはさらにサイズが大きいボトルも。新しくウォーターサーバーを設置する際は、あらかじめ保管場所がつくれるかチェックしておきましょう。
水の購入費以外もコストがかかる
ミネラルウォーターを買ったり、お湯を沸かしたりする手間が省けますが、その分ウォーターサーバーを動かす電気代、紙コップ、メンテナンス代などにコストがかかります。導入する前にこれまでかかっていた経費とウォーターサーバーを導入した際の経費をあらかじめ比較しておきましょう。
お手入れやボトル交換が面倒
ウォーターサーバーはつねにきれいな水が飲めるようにお手入れしておくことが大切です。最低でも週に1回は掃除をしましょう。また、ボトルが重いと女性や高齢者は持ち上げられない可能性があります。ボトル式のウォーターサーバーなどは交換が重労働になるケースもあることを念頭に置きましょう。
ウォーターサーバーだけではなく据え置き型浄水器という選択肢も
ウォーターサーバーは主に4種類ありますが、業種や利用されるシーンによって使いやすいタイプは異なってきます。ウォーターサーバーの代替品として、据え置きタイプの浄水器を利用するという選択肢もあります。据え置き型浄水器とはシンクの脇などに設置するタイプで、大型フィルターを搭載しているため浄水処理量が多く、家庭ではもちろん飲食店やオフィスでも使用できます。ウォーターサーバーと比べてお手入れが簡単なほか、コンパクトなサイズを選べば省スペースで設置可能。長期的に使用する場合は、据え置き型浄水器のほうがコストパフォーマンスにすぐれるケースもあります。
このように、使い方やこだわりによっては据え置き型浄水器を導入するほうがメリットは多いかもしれません。どちらが自分の希望や設置場所の雰囲気にマッチしているかよく比較してから、導入を検討してみてくださいね。