コラム

丸中先生コラム②「塩素」について

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医学博士 丸中良典先生一般財団法人 京都工場保健会 代表理事・会長/診療所長/総合医学研究所長 立命館大学総合科学技術研究機構 創薬科学研究センター チェアプロフェッサー 京都府立医科大学 名誉教授

Wellcareでは分子・細胞・動物レベルの基礎研究からヒトを対象とした臨床研究を通じて、人体の疾病発症を早期に予測できる因子の発見と疾病予防法開発を目指して研究を推進されている、医学博士 丸中良典先生の水と環境に関するコラムを5回にわたってご紹介してまいります。第2回は水道水の消毒に使用されている「塩素」についてです。

塩素の役割

 塩素は水道水の消毒に使用されています。私達が飲む水道水の中に存在する塩素濃度(残留塩素濃度)は日本の水道法の規定で0.1 mg/L 以上と決められています。これだけの濃度の塩素が水道水に含まれていると、水道水の中に例え細菌やウイルスが存在していても、これらを死滅させることができます。従って、水道水中の残留塩素濃度が 0.1 mg/L 以上あるということは、この水道水の中には毒性を持った生きた細菌やウイルスは存在しないと考えていいということです。つまり、「残留塩素の濃度が0.1 mg/L以上存在する」ということが、人が飲んでも大丈夫という前提になっています。

塩素は変化する

 塩素は細菌やウイルスの毒性を消滅させる効果をもっていますが、一方で人体において有害な性質を持っています。浄水場で塩素を水に加えると、塩素の一部は次亜塩素酸やトリハロメタンなどに変化します。

次亜塩素酸は、塩素系漂白剤が酸と化学反応することで発生する塩素ガスが水と反応してできる物質で、呼吸器系(気管・気管支・肺)に障害を引きおこします。

トリハロメタンは塩素と水中の有機物が反応してできる発がん物質です。

もちろん、水道水の基準でこれらの物質濃度の上限が決められていますが、別の言い方をするなら、低濃度ではありますが、これらの危険な物質が水道水の中に溶け込んでいるということです。水道水中での発がん物質の濃度は極めて低いので、水道水を飲むことにより直ぐに「がん」になるということはありませんが、実際に私達が水道水を飲料水として使うときには飲む直前に塩素・次亜塩素酸・トリハロメタンなどを取り除いた水を飲むに越したことはありません。

煮沸で取り除けると思ってない?

 一般に水道水を煮沸させれば、塩素や塩素から変化した物質がなくなると思いがちですが、それほど簡単な話ではありません。塩素は沸騰後約5分、トリハロメタンは約20分以上の煮沸でないと取り除くことはできないからです。市販のペットボトルの水にも種々の物質が溶け込んでいます。一般的に、ペットボトルの水の水質はろ過・沈殿・加熱滅菌以外の処理は行っていませんので、それぞれの原料となっている水の特徴が出て来ます。ろ過・沈殿・加熱などによる消毒や有害物質の除去については、個々のペットボトルで違いが出ていることは確かなので、それぞれの水の濾過方法を調べてみるのもいいかもしれません。

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