汗をかいた時「自分の体臭がにおっているのでは……」と不安になることはありませんか?
誰もが汗をかくはずなのに、ニオイが気になる人と気にならない人がいるのはなぜでしょうか。
本記事では、汗が臭くなる原因とその対策をご紹介します。
汗のニオイのセルフチェック方法もご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
- 汗が臭いのはなぜ?メカニズムを解説
- 汗には種類がある!エクリン腺とアポクリン腺とは
汗と常在菌の関係 - 汗臭さを悪化させる原因
- ストレスや疲労
運動不足
食生活
水分不足
飲酒・喫煙
加齢 - 汗の臭さは男女差がある?
- 汗が臭い時の対処法:身体の内側編
- 食生活を改善する
こまめに水分補給をする
お風呂に入る
サウナに入る
ストレスや疲労をためない - 汗が臭い時の対処法:身体の外側編
- 制汗剤・デオドラント製品を使用する
通気性の良い衣類や速乾性のあるインナーを着用する
衣類についた汗を洗濯でしっかり落とす
薬用ボディソープを使用する - ポリエステルの服を着たい時の汗のニオイ対策
- ポリエステルがニオう原因とは
ポリエステルについた汗のニオイを取る洗い方
ポリエステルの汗のニオイ対策 - 自分の汗はどれくらい臭い?チェックしてみよう
- 自分の汗のニオイをセルフチェックする
親しい人に判断してもらう - 正しい汗のニオイ対策をしよう
汗が臭いのはなぜ?メカニズムを解説
汗は、人が体内温度を調節するのに欠かせない生理現象です。そんな汗には2種類あるのをご存じですか?
汗の種類と、汗が臭う原因について解説していきます。
汗には種類がある!エクリン腺とアポクリン腺とは
人の体の表面には約300〜400万個もの汗腺が分布しており、汗を作りだして体の表面に分泌する機能を持ちます。主な目的は体温調節ですが、過剰な塩分を排出したり、皮膚表面についた微生物を洗い流す効果もあります。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺という2種類があり、それぞれ汗をかく仕組みが異なります。
それぞれの汗腺の構造や、汗の性質を見ていきましょう。
・エクリン腺
エクリン腺は、体のほとんどの部位に存在しています。夏の暑い時期や、運動時に出る体温調節のための汗は、エクリン腺から出るものです。エクリン腺から排出される汗は、99%水分でできており、本来ニオイはありません。
ただし、汗をかいた皮膚の表面をそのままにしておくと、常在菌と反応して酸っぱいニオイを発することがあります。
・アポクリン腺
アポクリン腺は、脇の下や陰部などの限られた箇所にある汗腺です。
毛根とセットになっており、毛穴から汗が出てくる構造をしています。
エクリン腺の汗とは異なり、うっすら乳白色がかっています。脂質やタンパク質などの成分を多く含み、雑菌などと結びついた時にニオイを発しやすい性質があります。
アポクリン腺は元々フェロモンとしての役割があったとされ、子どもの頃には分泌機能を持たず、中学生など思春期以降に分泌が始まります。
ニオイがひどくなると、腋臭症(ワキガ)と診断されることがあります。
汗と常在菌の関係
エクリン腺から分泌されたばかりの汗は、無味無臭です。アポクリン腺から排出される汗にはニオイがあるものの、脇の下や陰部などに限られるため、通常そこまでニオイが広まることはありません。
問題なのは、皮膚に住む常在菌です。この菌が汗のタンパク質、皮脂などの老廃物を分解し、腐敗することでニオイの原因となるのです。
しかし、皮膚常在菌は決して悪い菌ではなく、免疫系を刺激して体の抵抗力をアップさせ、悪い菌からバリアのように身を守るなど、健康を保つのに欠かせない機能を持っています。
ニオイの対策をするために必要なことは、汗をかかないことや常在菌を取り除くことではなく、ニオイを発生させないように工夫することです。
汗臭さを悪化させる原因
汗のニオイが強くなる原因には、汗の増加以外にもストレスや生活習慣といった外的要因があります。
ここでは、汗臭さを悪化させる原因について解説します。
ストレスや疲労
正常な汗は無臭ですが、疲労やストレスによる肝機能の低下によって、汗が臭くなることがあります。
疲労やストレスがたまると、肝臓の機能が低下し、本来肝臓で分解されるはずのアンモニアが分解されにくくなります。そうすると血液中のアンモニア濃度が上がり、汗にもアンモニアが溶け出すのです。汗は血液を元に作られるため、アンモニアの濃度が上がると、汗からもツンとしたアンモニア臭がするというメカニズムです。
ストレスを受けた時や緊張した時にかく冷や汗も、ニオイの原因になります。冷や汗はアポクリン腺から排出されるため、強いニオイを発する特徴があります。
近年の研究では、ストレス状態にある人の皮膚から発せられる皮膚ガスも、ニオイの原因になることが分かっています。
運動不足
体臭を気にして、汗をかかないように運動を控えたりしていませんか?
これは汗のニオイ対策として逆効果です。汗をしっかりかく人ほど、汗のニオイも少ないと言われているからです。
運動時にかく汗はエクリン腺から排出され、ニオイもほとんどありません。しかし普段から運動しないと、汗腺の機能が低下してうまく汗をかけなくなります。
正常であれば発汗前に汗から取り除かれ再吸収されるはずのミネラル成分が、そのまま皮膚に排出され、ミネラル成分過多のベタベタした汗が表皮に付着することになります。これが汗のニオイが強くなる原因です。
一方で、普段から運動などにより汗をよくかく人は、ミネラルの再吸収率が高く、余分な成分がほとんどない汗を排出します。そういう汗は雑菌が繁殖しにくく、ニオイがほとんどしないのです。
食生活
普段口にする食べ物は、私たちの体内環境に大きな影響を与えます。
現代の日本人の食事は欧米化が進んでおり、肉類や乳製品が増え、食物繊維が不足していると言われています。
ニオイの原因となるアポクリン腺由来の汗には、タンパク質や脂質が多く含まれているため、動物性たんぱく質や脂質を控えることで、ニオイを抑えることが期待できます。
体内で動物性タンパク質を分解する時にアンモニアが発生するため、食べすぎると汗のニオイもアンモニア臭を帯びてしまいます。肉類の中でも唐揚げやトンカツなど、油の多い揚げ物は更にニオイを強めます。
脂っこい食事を控え、食物繊維により腸内環境を整えることで、ニオイを予防することができます。
水分不足
汗をかきたくないからといって、水分補給を控えるのはNGです。
適切な水分量を摂らないと、水分不足から脱水症状になることで便秘を引き起こします。便秘は汗が臭くなる原因になるのです。
便が排出されにくくなると、腸内で便が腐敗して悪玉菌が増加します。悪臭を伴う有害物質が生成され、腸内で再び吸収されます。吸収された物質は、血液をめぐって臭い汗として排出されるという仕組みです。
飲酒・喫煙
飲酒・喫煙の習慣がある人は、汗のニオイが強くなる傾向にあります。
お酒を飲んだ時、アルコールを肝臓で分解する過程でアセトアルデヒドが生成されます。アルコールが分解しきれないと、アセトアルデヒドは血液の中まで送られます。生臭さが特徴のアセトアルデヒドが汗とともに排出されることで、不快なニオイになるのです。
タバコに含まれているニコチンは、交感神経を通して中枢神経に働きかけ、アポクリン腺からの発汗量を増加させます。アポクリン腺は皮脂などを多く含む汗を排出するため、結果的にニオイの強い汗が排出されてしまいます。
加齢
年齢を重ねるごとにニオイが変化することがあります。その原因は、加齢臭の元となるノネナールという物質です。
ノネナールは、40代を過ぎた頃から増えはじめ、皮脂を通して古本や枯草のようなニオイを発します。男性だけではなく、女性も50代(更年期)以降になると女性ホルモンの分泌が減少し、ノネナールを分泌しやすくなると言われています。皮脂の量が増える夏期は、とくにニオイが強くなる傾向にあります。
一番ノネナールのニオイが強くなる部位は頭皮です。皮脂が多く分泌される部位だからです。
首の後ろ部分と耳の後ろ、脇の下、胸元、背中など、洗いにくい箇所からもノネナールのニオイが発生します。
その他、加齢臭の原因となる物質にジアセチルというものがあります。
主に30〜40代のミドル世代の男性に多いことが分かっています。
ジアセチルは、汗の中に含まれる乳酸が皮膚の常在菌に反応してニオイを発します。とくに朝と夕方の時間帯に分泌量が増えるとされています。
汗の臭さは男女差がある?
女性よりも男性の方がなんとなく汗のニオイがきついイメージがありますが、それはあながち間違っていません。皮脂の分泌は汗のニオイの原因となりますが、男性の皮脂の分泌量は、女性に比べて約2倍多いという研究データが出ているからです。
皮脂の分泌量のピークは、男性は30代半ば、女性は20代半ばと言われています。
女性の場合は、女性ホルモンの働きによって汗の分泌そのものが抑えられるため、それほど汗のニオイは強くなりません。女性ホルモンが衰え、男性ホルモンの優位性が増す閉経前後に大量に発汗しやすくなるのは、このメカニズムによるものです。
また、「女性の方が男性のニオイに敏感である」というデータがあります。
2017年3月に資生堂が行った「『汗のニオイ』に関する調査」によると、「他人の汗のニオイに敏感だと思う」と回答した男性は67%だったのに対し、女性は82%と1.2倍という数字が出ています。
汗のニオイが最も気になるシーンとして、男性は「運動をした時」、女性は「人と近い距離で話している時」という回答が最も多くなっています。男性はしっかりと発汗した時にニオイを意識しますが、女性は日常のちょっとした場面でニオイを気にしていることが分かります。
「男性は女性に比べて汗がにおいやすいと思いますか?」という質問には、「はい」という回答が全体の84%を占めました。これらのデータから、女性は男性よりも汗のニオイに敏感であることが分かります。
汗が臭い時の対処法:身体の内側編
汗のニオイを予防するには、体の内側からアプローチする方法と、体の外側からアプローチする方法があります。
ここでは、体の内側から汗のニオイを改善・予防する方法をご紹介します。
食生活を改善する
ニオイ対策として、ニオイの強い食べ物やお酒を控えるなどのほかに、体臭の改善に効果が期待できる栄養素を取り入れることも有効な手段です。
・乳酸菌など、腸内環境を整える食品
ヨーグルトやチーズ、乳酸菌飲料などの食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸の働きを向上させます。善玉菌が増殖すると悪玉菌が減少するため、不快なニオイの皮膚ガスが発生しにくくなります。
上記の食品に加えて、善玉菌のエサとなるオリゴ糖・食物繊維などを豊富に含む食材を一緒に食べることで、さらに腸内環境が整います。
・抗酸化作用のある食品
加齢臭やワキガなどの原因の一つに、ノネナールがあります。ノネナールの発生は、体内の脂質が酸化された過酸化脂質が増加することで起こります。
抗酸化作用のある食品は、体内で起こる酸化作用を抑えることができるので、体臭予防にもなるのです。
中でもビタミンC、ビタミンEは抗酸化作用が高く、同時に摂ることで相乗効果も期待できます。
抗酸化作用の高い食材は、かぼちゃ、トマト、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、キウイやブルーベリーなどの果物、緑茶などです。
・アルカリ性の食品
アルカリ性の食品には、体内の酸化を中和する働きがあります。乳酸の発生も抑えられるため、乳酸由来の加齢臭も抑制できます。
アルカリ性の食品の中でも非常に高い抗酸化作用を持つ食べ物は、梅干しです。
その他、ワカメなどの海藻類、ほうれん草、豆腐などの大豆製品、きのこなどがアルカリ性食品として知られています。
こまめに水分補給をする
水分不足に陥ると汗が臭くなる理由は2つあります。
一つ目は、便秘状態になって老廃物が蓄積するから。二つ目は、濃度の高い汗をかくからです。
そうならないために、こまめに水分を摂って汗をかき、便秘を防いで、汗腺の機能をアップさせましょう。適切な水分補給によって、汗だけでなく尿からも老廃物を排出できるため、体のデトックスが進みます。1日1.5〜2リットルを水分摂取量の目安とし、1回あたり200ml(コップ1杯分)程度がちょうど良いでしょう。
水分補給には、水や白湯などカフェインや糖分の入っていない飲み物を選んでくださいね。
お風呂に入る
夏の暑い時期はシャワーだけで済ませてしまう人や、一人暮らしでなかなか湯船にお湯を張れない人も多いかもしれません。
しかし、汗のニオイ対策には湯船に浸かることが効果的なのです。
約38〜40度のお湯に30分ほど半身浴をし、しっかりと汗腺を開ききると良いでしょう。
お湯に長く浸かっていられない人には手足浴がおすすめです。
手足浴は、普段は機能していない手足の休眠汗腺を重点的に温め、汗腺を活性化させる入浴方法です。
熱めのお湯を少なめに張った浴槽に椅子を置き、座りながら膝から先と、肘から先を10〜15分お湯に付けます。その後、お湯を足してぬるめの温度にした後、ゆっくりと半身浴をします。
殺菌作用のある重曹やクエン酸が配合された入浴剤を使うのも、ニオイ対策に効果的です。好きな香りの入浴剤を見つけることで、入浴時のリラックス効果も期待できます。
サウナに入る
サウナに入ると、普段あまり汗をかかない人も吹き出すような汗をかくことができます。クーラーを使用する生活などによって鈍くなった汗腺を一気に開き、ニオイの元となる皮脂も汗とともに排出します。
汗腺の働きを活発化させエクリン腺からの汗を増やすことで、相対的にアポクリン腺からの汗を減らすことができます。
体臭改善に効果的なサウナの入り方は、以下の通りです。
- サウナに入る前に、体を丁寧に洗います。体の表面の汚れを落とし、清潔な状態でサウナに入りましょう。
- サウナで汗をかいたら、水風呂に入ります。この時、足元や手先などの末端から徐々に冷やしていくのがポイントです。
- 外気を浴びながら5分ほど休憩し、水分を補給します。体温が平常に戻ったら、再びサウナに入り、2〜3の手順を2、3回繰り返します。
サウナから水風呂に入ることで、汗腺の開閉を繰り返し、活性化を促すことができます。
ストレスや疲労をためない
心理的なストレスや肉体的な疲労は、肝臓の機能を低下させ、アンモニアの分解能力を下げてしまいます。ニオイの原因を元から絶つためにも、普段からストレスケアをしっかり行うことが大切です。
ストレスケアには、まずストレスの原因から遠ざかることです。そして、1日1回はリラックスタイムを設けることをおすすめします。趣味に没頭できる時間や、親しい友達と会話できる時間をとり、夜はしっかりと睡眠をとるなどして、上手にストレスを解消しましょう。
湯船にゆっくりと浸かり、全身を温めるのもリラックス効果がありますよ。
汗が臭い時の対処法:身体の外側編
ニオイの原因をなくすためには、体質や生活習慣を変えることの他に、ニオイをケアするアイテムに頼ることも有効な手段です。
近年では薬局などでデオドラント製品や、ニオイ除去に特化した洗剤などが多く販売されており、これらを上手に取り入れることで体臭改善を助けてくれます。
ここでは、身体の外側からニオイ対策ができるアイテムをご紹介します。
制汗剤・デオドラント製品を使用する
発汗を抑える制汗剤や、細菌の繁殖を抑えて匂いをケアできるデオドラント製品は、各メーカーから様々なタイプのものが発売されています。
商品によって、使用に適したシーンや使い心地などの特徴が違うため、自分に合ったものを探してみてください。
・汗拭きシート(ボディシート)
汗のニオイを軽減するには、こまめに汗を拭きとることが大切です。たいていの場合、汗をかいてすぐは無臭ですが、時間が経つとニオイを発生させるからです。
汗をかいた時に素早くボディシートで拭き取ることで、ニオイの原因になる常在菌やタンパク質も一緒に取り除くことができます。
体にも顔にも使用できるもの、スキンケア成分が入っているもの、香り付き、無香料、メンズ向き、レディース向き、清涼感のあるものなど、さまざまなタイプが売られているので、好みのボディシートを見つけてくださいね。
反対に、汗を拭き取るときに、乾いたタオルを使うのはおすすめできません。
水分は拭きとれてもニオイの元となる成分はそのまま皮膚に残ってしまうからです。
本来は皮膚表面で水分が蒸発することで体温を下げますが、乾いたタオルに水分が奪われることで体温を下げられず、さらに汗をかくという負の連鎖につながることも理由の一つです。
・制汗スプレー
体の汗を手軽に抑えたい人は、スプレータイプの制汗剤がおすすめです。
吹きかけるとさらさらとした細かい粒子が付着し、汗の出口である「汗孔」を塞ぐことで汗の分泌量を減らします。
出かける前や外出先、スポーツをした後など、シュッとスプレーするだけで汗ケアができる使い勝手の良さがメリットです。
ただし、ロールオンタイプに比べると、スプレータイプは汗を抑える効果の持続性がやや弱い特徴もあります。
無香料のもの、石鹸や柑橘系の匂いがするもの、冷感作用のあるものなど、さまざまなタイプがあるため、自分が心地いいと感じるスプレーを選びましょう。
・ロールオンタイプの制汗剤
ロールオンタイプは、手を濡らしたり汚したりせずに、スティックを転がすだけでケアできる制汗剤です。手のひらサイズの商品が多く、出先にも持ち運びやすいため、職場やジムの更衣室などでも手軽に使えます。
パッケージに「速乾タイプ」や「さらさらタイプ」と記載があるものは、塗った直後からすぐに乾くため服を汚しません。
制汗スプレーよりもムラなく肌に塗布できるため、特にケアしたい脇の下などに使用するのがおすすめです。
ロールオンタイプの制汗剤を使う前に、塗りたい部分の汗を拭き取って清潔な状態にすることが、制汗効果アップのコツです。
・クリームタイプの制汗剤
クリームタイプの制汗剤は、あらゆる制汗剤の中で最も密着力があり、塗りなおしの必要がないというメリットがあります。足の裏など、特に汗腺が多い場所に塗っても落ちにくく、効果が持続します。
デメリットとしては、ジャータイプなどの形状が多く、持ち運びには不向きなこと。名前の通りクリーム状またはジェル状のため、塗った後はベタつくことが挙げられます。
自宅に常備しておき、お出かけ前に使用するのがおすすめです。
通気性の良い衣類や速乾性のあるインナーを着用する
汗が気になる人の中には、「余計暑くなるからインナーは着たくない」という人もいるかもしれません。しかし、インナーを着ないことで、かえって汗で蒸れてベタつき、ニオイを発生させてしまうのです。
近年では、さらっと涼しく感じられる素材や、汗の吸収率が高いもの、速乾性に優れたものなどが開発されています。こうしたインナーを着ることで、汗のニオイを抑え、体温を快適に保つことができます。
インナーの上に通気性の良い衣類を着ると、相乗効果により汗を抑えることが期待できます。
通気性の良い素材として、リネンやコットン、ポリエステル、リヨセル、レーヨンなどが挙げられますが、汗を吸収しやすく消臭効果も高い点ではレーヨンが一番おすすめです。
衣類についた汗を洗濯でしっかり落とす
「洗濯したはずなのに、服から嫌なニオイがする」「汗をかいた箇所が黄色くシミになってしまう」という経験はありませんか?
そんなニオイや汗ジミの原因となるのが、繊維の奥まで染み込んだ汗や皮脂です。
皮脂は油性なので冷たい水に溶けにくく、洗浄力の弱い洗剤では落ちにくいのです。
汗がついたまま長時間放置して雑菌が増殖した服は、1回の洗濯で落としきれないこともあります。
そんな時は、酸素系漂白剤をぬるま湯に溶かし、30分〜1時間ほどつけ置き洗いするのがおすすめです。
この時、必ず洋服裏の洗濯表示を確認し、酸素系漂白剤を使える素材かどうかを確認してくださいね。
薬用ボディソープを使用する
薬用成分入りのボディソープは、汗のニオイや体臭を抑えるために役立ちます。
様々なタイプがあるので、成分をみて選ぶと良いでしょう。
加齢臭やワキガに悩んでいる人は、ニオイの元に働きかける殺菌成分が配合されたものが効果的です。代表的な殺菌成分としてイソプロピルメチルフェノール、ベンザルコニウム塩化物、サリチル酸などが挙げられます。
すでに発生したニオイを抑えるなら、消臭成分が配合されたボディソープを選びます。カキタンニン、緑茶エキスなど、自然由来の成分であれば肌にも優しく、安心して使用できます。
ニオイの予防効果をアップさせる体の洗い方をご紹介します。
- ボディソープをしっかりと泡立てます。
- 脇の下、足の指の間、膝の裏、肘など、汗が多い場所を重点的に洗います。強くこすりすぎると逆効果のため、優しく丁寧に洗いましょう。
- 全身を洗ったら、しっかりとボディソープを落とします。洗い残しはニオイの元になるため、手を使いながら全身を洗い流します。
- 体を拭いたら、保湿クリームやローションなどでしっかり保湿します。普段から制汗剤などを多用している場合、特にその箇所を丁寧にケアしましょう。
ポリエステルの服を着たい時の汗のニオイ対策
今や、夏用インナーなどに多く用いられているポリエステル繊維。
しかし、ポリエステルは体臭が気になる人には不向きな服と言われています。
ここでは、ポリエステルの服を着る時に注意したい汗のニオイ対策についてご紹介します。
ポリエステルがニオう原因とは
ポリエステルは、速乾性や耐久性には優れていますが、吸水性はそれほどありません。そのため、かいた汗が肌に留まり続け、ニオイを発生させるのです。
水を吸収しない一方で、油とは親和性が高く、皮脂などの汚れを吸着するという性質があります。吸着した皮脂などの汚れが洗濯で落ちきらなければ、生地自体がニオイを発するようになります。
これらがポリエステルが臭う原因です。
ポリエステルについた汗のニオイを取る洗い方
ポリエステルはニオイを発しやすい素材ですが、適切な洗い方をすればしっかりニオイを落とすことができます。
まず、着用後はすぐ洗うことが大切です。
脇の下や胸元など、汗をかきやすい箇所を洗剤で手洗いしてから洗濯機で洗うと、より落ちやすいでしょう。
さらに丁寧に洗う場合は、40〜60度程度のお湯に酸素系漂白剤を入れ、30分〜1時間つけ置きします。この時、酸素系漂白剤は粉末状のものを使うと、より高い殺菌・消臭効果が期待できます。
その後は真水ですすぎ、通常と同じように洗濯すればOKです。熱湯を使うとポリエステルの繊維が傷んでしまうため、つけ置きする際は水で適温に調整しましょう。
ポリエステルの汗のニオイ対策
ポリエステルは、汗や皮脂に反応してニオイを発生させます。
ニオイを防ぐ効果的な方法は、
- 脇汗パッドでポリエステルに汗がつかないよう工夫する
- 制汗スプレーなどのデオドラントアイテムで汗をかかないようにする
- 汗をかいたらボディシートでこまめに拭き取る
です。
長く洋服を楽しむためにも、ポリエステル素材の服を着る日は、いつもよりワンランク上の汗対策をおすすめします。
自分の汗はどれくらい臭い?チェックしてみよう
自分が実際にどれくらいニオイがするのかどうかを、自身で判断するのは至難の業だと思っていませんか?
しかし、汗や体臭を簡単にセルフチェックできる方法があるのです。
ぜひ試してみてくださいね。
自分の汗のニオイをセルフチェックする
ニオイのセルフチェックとして代表的な方法が「ガーゼテスト」です。ワキガ治療などにも使われる検査方法です。
脇にガーゼを挟んだ状態で数分間運動し、ガーゼのニオイをチェックします。
ガーゼが臭わなければワキガの心配はなく、ガーゼを近づけた時に酸っぱいニオイやスパイシーなニオイがしたら、軽度以上のワキガの可能性があります。
ワキだけでなく、全身のニオイも簡単にチェックできます。
その方法は、1日着用した洋服をビニール袋に入れて密封し、放置した後の袋のニオイを嗅ぐだけ。
ポイントは、密閉してから30分ほど時間を空けることです。その間は入浴したりコーヒーを飲むなどして、嗅覚をしっかりリセットしてください。
2つの方法とも、費用が掛からず手軽に試すことができるため、ぜひやってみてはいかがでしょうか。
親しい人に判断してもらう
客観的に自分が臭うのかどうかを知るためには、信頼できる親しい人に嗅いでもらうのも手軽な手段です。
30センチ〜50センチほど離れたところからニオイを嗅いでもらいましょう。
普段の体臭はもちろん、汗をかいた後など、気になるタイミングで「今、汗臭い?」とさりげなく確認すると良いかもしれません。
人に聞くのに抵抗がある方は、病院で体臭を確認したり、「体臭測定キット」で分析してもらったりなどの方法もありますので試してみてください。
正しい汗のニオイ対策をしよう
汗のニオイ対策のつもりで、涼しい部屋へ引きこもったり運動を控えたりして、汗をかかないのはかえって逆効果です。
汗をしっかりかいて老廃物を排出することが、体臭の軽減に繋がります。
その基本に加えて今記事では、生活習慣を改善することからデオドラント製品の使用に至るまで、さまざまな対策をご紹介しました。
この記事が、自分に合った汗のニオイ対策の方法を見つける助けになれれば幸いです。
参考記事
KAO|汗の基礎知識 – 汗にも種類がある!?
第一三共ヘルスケア|体臭の症状・原因|くすりと健康の情報局
NHKラジオ らじる★らじる|アンモニアの刺激臭が全身から漂う「疲労臭」|読むらじる。
日本経済新聞|ニオイ対策には「汗をかけ」 2~3週間で汗腺鍛える
スギ薬局グループお客様サイト|ワキガは食べ物で治る?においを抑える食材や生活習慣の改善方法を紹介
NHKスポーツ|その拭き方じゃダメ!医師監修・汗との上手な付き合い方
ロート製薬: 商品情報サイト|【コラム】ワキガのセルフチェック方法!臭いの原因や予防方法など徹底解説
マンダム|世界初!ミドル脂臭の原因物質「ジアセチル」を特定、フラボノイド含有植物エキスにジアセチル抑制効果
ミルミル | ニオイを制して“出会い”を味方に!香り美人のすすめ
大正製薬|体臭|大正健康ナビ
GUNZE|ポリエステルの臭いが気になる!落ちない原因、対策方法を紹介
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