水には軟水・硬水のほか、アルカリイオン水、ミネラルウォーターなど多くの種類があります。それらの種類について、「なんとなく聞いたことはあるけれどよくわからない」という方も少なくないでしょう。今回は、水の種類やそれぞれの効能・メリットについて詳しく解説します。
水の種類について
私たちが普段使う水は無色無臭です。それゆえに誤解されがちですが、実は水にはさまざまな物質が溶け込んでいます。そのため、たとえば同じ日本国内の水であっても、地域によって水質には違いがあります。
水の種類は、水素イオンがどれだけ含まれているかを示すpH(ピーエイチ)、ミネラル分(カルシウムやマグネシウム)の量、ミネラル添加の有無などの尺度で分類されます。それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
pHが低ければ「酸性」、高ければ「アルカリ性」に
飲料水で重視されるポイントの一つが「pH」です。pHは高くなるほどアルカリ性に傾き、pH1~6なら酸性、pH7が中性、pH8~14ならアルカリ性と分類されます。
お酢などの酸性の液体は飲むと酸味を感じ、海水などのアルカリ性の液体には苦味やヌルヌルとした感触があります。一般的に、飲料には中性の水が適していると言われており、日本の水道水はpH5.8~8.6に規定されています。
軟水・硬水はカルシウムやマグネシウムの多さで決まる
軟水は硬度の低い水、硬水は硬度の高い水のこと。硬度とは、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの量を表しています。
WHO(世界保健機関)は、硬度が60未満の水を「軟水」、60~120の水を「中程度の軟水」、 120~180未満を「硬水」、180以上を「非常な硬水」と定義していますが、日本では硬度100以下が軟水、101以上が硬水に分類されています。
軟水はまろやかでやさしい口当たりが特徴です。日本の水は全般的に硬度が低いため、軟水を「飲み慣れた水」と感じる方は多いでしょう。クセが少ないため、飲用はもちろん料理にも適しています。
一方、硬水は硬度が高くなるほど苦みを感じやすくなります。和食などの料理には向きませんが、硬い肉を柔らかくする効果があるため、洋風の煮込み料理などに活用できます。
天然水とミネラルウォーターの違いとは?
天然水とは、特定の水源から採取した水を、沈殿・ろ過・加熱殺菌処理のみを行ってボトル詰めしたものです。一方ミネラルウォーターは、天然水にミネラル分などを加工・調整したもの。または、何種類かのナチュラルミネラルウォーターを混合したものです。沈殿、ろ過の他にもオゾン殺菌や紫外線殺菌、水への空気の混入などの調整が行われる場合があります。
健康面での効能が期待される水とは?
飲料水の中には、健康や美容に効果的と言われている水もたくさんあります。ここでは、一般に認知されているものの一部を紹介します。
アルカリイオン水
カルシウム剤を添加して電気分解を行い、人工的にアルカリイオンを含有させたのがアルカリイオン水。pH値9~10程度と弱アルカリ性で、糖分や脂質の摂り過ぎ、疲労によって酸化した身体を中性に戻し、疲労回復や便秘解消などの効能が期待できると言われています。
アルカリイオン水は、「アルカリイオン整水器」という専用の機械を使い、水道水などを浄水した後にカルシウム剤を添加して電気分解を行うことで生成されます。アルカリイオン水をつくり出すことができるアルカリイオン整水器は、1965年に内務省衛生局(現:厚生労働省)によって薬事認可されています。なお、2005年の薬事法改正でアルカリイオン整水器は「管理医療機器」と定められ、販売には厚生労働省の認可が必要になりました。
管理医療機器として認められた整水器で生成されたアルカリイオン水には、慢性下痢、胃酸過多、消化不良、便秘といった胃腸症状の改善効果が国によって正式に認められています。世間には多くのアルカリイオン水が出回っていますが、購入の際は、「管理医療機器のアルカリ整水器で生成されたものであるか」をきちんと調べましょう。
RO水
RO水とは、「RO膜(逆浸透膜)」によってろ過処理された水のこと。RO膜は無数の小さな穴が開いたフィルターで、その穴の大きさは、0.0001ミクロンと電子顕微鏡でも確認できないほど極小です。このフィルターを通して不純物を取り除くことで、限りなく純度の高い状態に生成されたのがRO水です。
RO膜(逆浸透膜)は、海水淡水化によって世界で飲用水に使用されるなど非常に高度な性能を持っています。近年地球環境の大変化により、飲用水の確保のために注目されています。
RO水は不純物が限りなくゼロに近く、味や香りに影響を及ぼす成分がほとんどないため、煮物や汁物などに使って食材の味を生かした料理をつくることも可能です。ただし、飲んだときに「おいしい」と感じさせるミネラル成分も除去されているため、そのまま飲んだときはミネラルウォーターなどに比べて風味が劣るのが弱点と言えるでしょう。
精製水
精製水は、蒸留やイオン交換、逆浸透などの方法によってろ過することで不純物を除去した水です。浸透性が高く肌への刺激が少ないため、化粧水やコンタクトレンズの保存液などにも使われます。
精製水はドラッグストアなどで市販されており、RO水と同じようにスキンケア前の肌のお手入れにも役立ちます。ただし、保存料が含まれていないため、雑菌が繁殖しやすいというデメリットもあります。開封後は冷蔵庫で保管し、1週間以内に使いきりましょう。
海洋深層水
水深200mより深い海から汲んだ海水である海洋深層水。塩分を除去して飲料水や食品や化粧品、医薬品などの原料として利用されます。
海洋深層水にはミネラル分が多く、ミネラルウォーターと比較してもマグネシウム、カリウム、ナトリウムなどの含有量が豊富です。
浄水器の水に天然ミネラルを添加できる?
私たちはミネラルウォーターのように、適度なミネラル分が含まれる水を「おいしい」と感じやすい傾向にあります。また。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分は、健康な身体を保つためには欠かせない栄養素です。
「ワコムス トラスト」の浄水器は、水道水をRO膜によって極限まで浄化し、不純物を取り除いた状態で天然ミネラルをプラス。身体にやさしくて吸収されやすい、天然の水に近い水をご家庭で楽しむことができます。「毎日ミネラルウォーターを買うのは面倒」「ペットボトルのゴミが出ないエコな暮らしをしたい」という方にもおすすめのアイテムです。
種類や効能を知って、ライフスタイルに合った水を取り入れましょう
ご紹介してきたように、水にはさまざまな種類があります。用途や飲む人の好み・体質によって「合う水」は異なるため、一概に「これがよい」「よくない」と言うことはできません。しかし、それぞれの水が持つ特徴や効能を知ることで、自分のライフスタイルに合った水を取り入れることができるようになります。ぜひ、それぞれの水が持つ特徴を覚えてみてくださいね。