大切な愛猫の健康を守るために、水選びはとても重要です。
適切でない水を与えると健康被害を引き起こすこともあるため、水についての知識をつけていきましょう。
本記事では、猫に適した水の種類とその注意点について詳しく解説します。
猫にとって水が大切な理由とは
猫にとって水は重要な役割を果たしています。猫の体は約60〜80%が水分で構成されており、体温調節や栄養素の輸送、老廃物の排出などに水分は欠かせません。不足すると健康に重大な影響を及ぼします。
例えば、水分が不足すると尿路結石や腎臓病のリスクが高まります。また、脱水症状になると食欲不振や元気がなくなることがあります。これらの症状は猫の生活の質を大きく損ね、長期的には命に関わることもあります。
そのため、猫の健康を維持するためには日常的に十分な量の新鮮な水を摂取させることが不可欠です。
猫は元々乾燥地帯で生活していた動物であるため、積極的に水分を摂取しない傾向がありますが、飼い主としては工夫して適切な水分補給を促すことが求められます。
猫にミネラルウォーターを飲ませても大丈夫?
猫にはどんな水を与えるのがベストなのでしょうか。
特にミネラルウォーターについての疑問を持つ飼い主さんは多いのではないでしょうか。
ここでは、猫にミネラルウォーターを飲ませても問題ないかどうかを解説していきます。
猫がミネラルウォーターに注意すべきポイントとは
猫にミネラルウォーターを与える際には、ナトリウムやカルシウムなどのミネラル成分に注意が必要です。
猫は一部のミネラル成分を過剰に摂取すると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
例えばナトリウムが多く含まれている水は猫の腎臓に負担をかけやすく、カルシウムが多い水は尿路結石のリスクを高めることがあります。
猫に与えるミネラルウォーターは、適切なミネラル量のものを選びましょう。また、猫の健康状態に応じて獣医師に相談しましょう。
猫におすすめのミネラルウォーターは?
猫に与えるミネラルウォーターは、ミネラル含有量が低いものが適しています。上記のとおり、猫がカルシウムやマグネシウムなどのミネラルを過剰に摂取すると、尿路結石などの健康問題が発生する可能性があるためです。
市販のミネラルウォーターの中では、「軟水」とラベルが表示されているもを選びましょう。
例えば、市場で人気の「サントリー南アルプス天然水」や「いろはす」などの軟水が候補として挙げられます。これらのミネラルウォーターはミネラル含有量が低く、猫ちゃんにもおすすめです。
※ 軟水・硬水とは?……水の硬度。水に含まれるカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の 濃度を炭酸カルシウムの濃度で換算したもの。単位は mg/L。カルシウムとマグネシウムの濃度が高いと硬い水(硬水)、濃度が低いと軟らかい水(軟水)となる。
世界保健機関 (WHO)では、60 mg/L 以下を軟水、60~120 mg/L を中硬水、120~180 mg/L を硬水、180 mg/L 以上を超硬水と分類されている。1
猫に水道水を飲ませても大丈夫?
猫に水を与える際、水道水が一番手軽で経済的ですが、本当に猫に適しているのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
猫に水道水を飲ませることは、基本的には問題ありません。
置き水にするのであれば、残留塩素のある水道水がむしろ安全と言えます。
しかし、地域によって水質に差があり、硬水であったり、有害な物質が含まれたりしている場合があります。
以下のポイントに注意して、水道水を適切に利用してください。
猫が水道水に注意すべきポイントとは
単純に平均をとった日本の水道水の硬度の平均は 48.9 mg/L で、WHOによる分類上、軟水に区分されます。
しかし、中には硬度の高い水道の地域も存在しているので、地域の水質が硬水であるか軟水であるかを確認することが大切です。
また、井戸水を水源としている水道の場合、有害な物質が入っているリスクがあるため注意が必要です。
お住まいの自治体のウェブサイトなどで、水道水の成分分析表を確認してみてください。
水道水が軟水ではない地域一覧
一部の地域では、水道水として硬水が供給されており、これは猫にとって理想的ではありません。
硬水が供給されていることが確認されている地域は、以下の通りです。
地名 | 都道府県 |
立谷川河川公園 | 山形県 |
長生郡一宮町新地 | 千葉県 |
富里市 | |
成田線 安食駅 | |
芝山千代田駅 | |
木更津市 | |
本庄駅 | 埼玉県 |
深谷駅 | |
神奈川工科大学 | 神奈川県 |
増穂SA上り(静岡方面) | 山梨県 |
桜山公園 | 群馬県 |
長野電鉄小布施駅 | 長野県 |
東御市役所 | |
佐久平PA | |
小諸市役所 | |
道の駅オアシスおぶせ | |
小布施町役場 | |
いなべ市大安町高柳 | 三重県 |
石榑東 | |
三橋町垂水 | 福岡県 |
秋芳洞駐車場エレベーター口 | 山口県 |
秋吉台展望台 | |
壱岐市役所 | 長崎県 |
大田市三瓶町志学口 | 島根県 |
坂本PA下り | 熊本県 |
つなぎ百貨堂 | |
道の駅阿蘇 | |
国頭郡本部町大堂 | 沖縄県 |
出典:水道水の硬度(mg/L) -Tap water hardness (mg/L) – Google マイマップ
以上の地域では水質が硬水であることが確認されています。
また、上水道に井戸水が使用されている地域の例は以下の通りです。
これらの地域に住んでいる猫の飼い主さんは、自宅の水道水の硬度や安全性を確認してください。
硬水が供給されている地域に住んでいる場合、浄水器を使用する、ペット用のミネラル調整された水を購入するなどして、猫にとって安全な飲料水を用意するよう心掛けましょう。
猫に浄水器の水を飲ませても大丈夫?
基本的に、猫に浄水器の水を飲ませても大丈夫です。
浄水器は水中の有害物質や不純物を取り除くため、猫にとっても安心です。また、浄水された水は通常、ミネラルバランスが適度に維持されています。
市販の浄水器には、活性炭フィルターや逆浸透膜を用いたものがあり、これらは塩素や鉛を効果的に除去します。
猫が浄水器に注意すべきポイントとは
猫に浄水器を使用する場合もいくつか注意点があります。
浄水器は純粋な水を提供する反面、フィルターの交換や機械のメンテナンスが不十分だと逆に不衛生な水となるリスクがあります。
定期的なフィルター交換や機械の掃除を欠かさず行うようにしましょう。
また、浄水器を通した水や白湯は塩素の効果が弱まるため、飲用としての長期保存には向いていません。
猫に与える場合は長時間放置せず、こまめに新しい水に取り換えてあげましょう。
猫におすすめの浄水器はどれ?
お水は毎日の健康に欠かせないもの。だからこそ、水道水に含まれる微量な有害物質が気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫は敏感な嗅覚を持っているので、水道水に含まれる塩素のニオイ(カルキ臭)を嫌がる子も。
そんな愛猫の健康を守るための選択として、「WACOMS」を提案します。
WACOMSは、先進的なフィルター技術により、塩素やカビ臭、硝酸態窒素、PFOS・PFOAなどの有害物質を除去します。
水道水よりもローミネラルで、尿路結石の原因となるカルシウム含有量は18分の1以下。(上図参照)
さらに、ペットボトルの水を購入するよりもコストパフォーマンスが高く、経済的。
WACOMS TRUSTならコンパクトなデザインで、キッチンやリビングなどどの場所にもスムーズにフィットします。フィルターの交換も簡単で、常に高品質な水をお使いいただけます。
実際に猫ちゃんと暮らすWACOMSユーザー様たちにもご愛用いただいております。
愛猫の健康と快適な生活を考えて、人にも猫にも安全で美味しいWACOMSのお水を導入してみませんか?
猫が水をなかなか飲んでくれない時の工夫6選
猫が水をあまり飲まないことは、多くの飼い主にとって悩みの種です。
十分な水分を摂取しないと、尿路結石や腎臓病といった深刻な健康問題を引き起こすリスクがあるからです。
ここでは、猫が水をもっと飲んでもらうための効果的な工夫を6つ紹介します。
これらの方法はすべての猫に必ず効果があるというものではないため、複数の方法を試して愛猫に合う方法を見つけてみてください。
1.複数の水飲み場をつくる
一つ目におすすめしたいのが、家の中に複数の水飲み場を設けることです。
家の中で猫がアクセスしやすい場所に複数の水飲み場を設置することで、水を飲む機会が増え、水分不足を防ぐことができます。
例えば、リビング、寝室、キッチンなど、猫がよくいる場所に水飲み場を設置します。
水飲み場には高さや形状が異なる容器を使用するのも一つの方法です。例えば、高めの場所に設置した容器や、床に置いた容器、さらには循環式の給水器などを用意します。
猫の好みはさまざまなので、複数のタイプの容器を試してみて、猫が最もよく使用するものを見つけると良いでしょう。透明なボウルや陶器製の水皿は、衛生的で掃除もしやすいためおすすめです。
これは多頭飼いや、猫が一日の中で異なる場所に移動することが多いお家でも有効な方法でしょう。
2.新鮮な水を用意する
二つ目におすすめするのが、常に新鮮な水を提供することです。
実際に猫と暮らしていた筆者の経験上、新しい水に交換したタイミングで興味を示して水を飲んでくれる子が多かったです。
長時間置きっぱなしにして細菌が繁殖した水は、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
1日のうちに定期的に水を取り替えて、猫が常に新鮮な水を飲める環境を整えてあげましょう。
3.市販の自動給水器を試してみる
三つ目のおすすめは、市販の自動給水器です。
水が流れる給水器を使うと、猫が水に興味を持ちやすくなります。
自動給水器はきれいな水を常に保つことができ、給水器自体の掃除も簡単なので、衛生的かつ飼い主の負担が軽減されます。
透明なボウルやフィルタが付いたものを選ぶと、細菌の繁殖を防ぐ効果も期待できます。
一日中、どの時間帯も利用しやすいように、猫がよく過ごす場所に給水器を置くとよいでしょう。
4.マグロ缶の汁などを少し水に加える
四つ目に、風味を加えることで水を飲みやすくする方法をおすすめします。
猫は嗅覚が非常に敏感で、風味のある液体に対して興味を示しやすいため、このアプローチが効果的です。
具体的な方法は、マグロ缶の汁を少量の水に加えるだけです。風味がついた水は、猫にとって魅力的に感じるため、飲む量が増える可能性があります。
マグロ缶の汁以外にも鶏のスープなどを利用してもよいでしょう。
注意すべき点は、マグロ缶の汁や鶏のスープを加える際に過剰な量を入れないことです。風味を出す程度に少量を加えるだけで十分です。
過剰な塩分や添加物は猫の健康に影響を与える可能性があるため、適切な量を守ることが重要です。
5.ぬるめの水を与えてみる
五つ目におすすめするのは、ぬるめの水を与えてみる方法です。
猫は冷たい水よりも体温に近いぬるめの水のほうが飲みやすいと感じることがあります。特に冬場などは、冷たい水を嫌がる猫も少なくありません。
例えば、温度が5度以下の水を猫が飲みたがらないときに、15度前後のぬるめの水に置き換えるとスムーズに飲むことがあります。
水を温める際は熱すぎないように注意し、やけどの危険がないようにしてください。
6.ウェットフードを食べさせてみる
六つ目のおすすめは、ウェットフードで水分を補給させる方法です。
猫はもともと水を多く飲む習慣がないため、食事からの水分補給も大切です。ウェットフードは水分含量が高いため、猫の水分摂取量を増やすことができます。
通常のドライフードと比べて、ウェットフードは70〜80%の水分を含んでいるので、十分な量の水分を摂取できます。
具体的な商品としては、猫用のパウチや缶詰などがあります。愛猫のお気に入りを探してみてください。
猫の水分摂取の特徴には先祖が関係している?
猫の水分摂取の習慣や量は、イエネコの先祖であるリビアヤマネコの生活環境に由来しています。
砂漠地帯に生息していたリビアヤマネコは、乾燥した環境に適応してきたと考えられます。
その遺伝的特性が現代のイエネコにも引き継がれており、尿を高濃度に濃縮することができるため、水分摂取量が少なくても生きていくことができるのです。
しかし、この能力によって、尿結晶や尿路結石症などの罹患率を高めることになっていると考えられています。
愛猫の健康を守るため、複数の水飲み場を設けたり、自動給水器を使用したりするなどの工夫で、適切な水分摂取を促しましょう。
まとめ
この記事では、猫に適した水の選び方と注意点について紹介しました。
水分摂取は猫の健康維持に重要です。
猫が適切な量の水を摂取できるよう、今回紹介したポイントを実践してください。
これからも引き続き猫の健康についての情報を収集し、常に最新の知識で愛猫のお世話をしましょう。
注釈
参考
坂根弘 著 | ペット栄養学会誌 第21巻 第3 号(2018年10月)
環境省 | 犬
環境省 | 3. 猫のニーズを満たすには
徳本 一義 | 猫における水分摂取の重要性
大学院総合文化研究科 | 「硬さ」調べました ~ 日本全国水道水の硬度分布
水源・水質 – 東京都水道局 | さまざまな水源