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女性の口臭の直し方とは?さまざまな原因と改善策を徹底解説!

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多くの人が抱える共通の悩み、「口臭」。
2016年に日本歯科医師会が発表した調査結果では、「自分の口臭が気になったことがある」と答えた男性は76.2%、女性は85.3%に達しています。
この数字は、匂いの強い食事後の一時的な口臭を除外したものです。このことから、多くの人々が口臭に関する悩みを抱えていることが明らかになりました。

本記事では、女性に特有の口臭の原因や、その対処法について詳しく説明します。これまで口臭をあまり気にしていなかった方も、この機会に「お口の健康」について考えてみましょう。

口臭の原因は?なぜ臭う?

女性が息を吐いている横顔

口臭の主な原因は、口腔内で何らかのトラブルが発生していることです。特に、歯周病や舌苔(ぜったい)の蓄積が主な要因とされています。

歯周病は、歯と歯茎の間にある歯周ポケットに細菌が侵入し、炎症を引き起こす状態です。この細菌の中には臭いを発するものがあり、それが口臭の原因となります。

一方、舌苔とは舌の表面にたまる「口内の垢」のようなもので、口臭の原因の約6割を占めると言われています。舌苔は健康な人にも存在しますが、何らかの原因で増殖すると、その隙間に入り込んだ細菌が分解される際に「揮発性硫黄化合物」という不快な臭い成分を発生させ、これが口臭の原因となります。

さらに、他にもさまざまな要因で口臭が強まることがあります。

生理的口臭

女性が口を開けて眠っている様子

生理的口臭とは、健康な人でも時間帯や体調によって発生する口臭を指します。その主な原因は、唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥することです。

通常、唾液は口の中に常に分泌されており、その自浄作用によって清潔な状態が保たれています。しかし、特定の状況下で唾液の分泌が少なくなると、自浄作用が弱まり、細菌が増殖します。この細菌が口臭の原因物質を生成し、口の中の臭いが強くなります。

ここでは、口腔内の乾燥が原因で発生するさまざまな生理的口臭についてご紹介します。

・寝起きの口臭

朝起きたときに口の中がネバついたり、不快な臭いを感じたりしたことがある人は多いかもしれません。朝一番の息は「モーニングブレス」とも呼ばれ、1日の中で最も臭いが強いとされています。

就寝中は、起きているときに比べて唾液の分泌が大幅に減り、口腔内の自浄作用が低下します。さらに、寝ている間に口が開いたままだったり、口呼吸をしたりしていると、口の中が乾燥し、細菌の繁殖がさらに進みます。

夜、寝る前にしっかり歯磨きをしても、寝起きの口臭はなかなか防ぎにくいのが特徴です。

・緊張などのストレスによる口臭

「歯や口の健康には気を使っているのに、どうしても口臭が気になる……」

そんなときは、ストレスによる口臭が原因かもしれません。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、人はストレスを感じて緊張状態になると、交感神経が優位に働きます。これにより、唾液の分泌が大幅に減少し、口腔内が乾燥して雑菌が増殖しやすくなるのです。

さらに、緊張状態では無意識に奥歯を噛みしめることがあり、舌の動きが抑えられることで唾液の分泌がさらに減少します。

しかし、現代では自分のストレスに気づかないことも多いものです。「口が渇く」「口の中がネバつく」といった症状を感じた場合、ストレスが関係している可能性を考えてみることも重要です。

・空腹時の口臭

1日の中で最も唾液が分泌されるタイミングは、食事中や食後だと言われています。食べ物を噛んだり飲み込んだりすると、唾液腺が刺激されて唾液の分泌量が増えます。唾液は消化を助け、食後に口腔内を清潔に保つ役割があります。

一方、長時間食事をせずに空腹状態が続くと、唾液の分泌が一時的に減少します。これにより、口の中で臭いの原因となる雑菌が増殖しやすくなります。

さらに、空腹時には胃が空っぽになり、食べ物の代わりに膵臓から分泌される膵液(すいえき)が分解されることでガスが発生します。このガスが呼吸中に混ざると、不快な口臭の原因になります。

このような場合、何かを胃に入れるとガスの発生を抑えられます。空腹時でも食事が難しい場合には、コップ2杯程度の水を飲むことで、口臭を和らげることができます。

女性特有の生理的要因による口臭

制服姿の思春期の女の子

上記で紹介した生理的口臭は、性別や年齢に関係なく誰にでも起こるものです。しかし、これとは別に、女性特有の生理的要因による口臭もあります。

2019年に歯科医療総合商社のモリタが実施した調査によれば、口臭レベルが基準値を超えた割合は男性が8.3%、女性が17.9%でした。年代別に見ると、中高齢層(40~69歳)の男性では9.3%が基準値を超えたのに対し、若年層(20~39歳)の女性では11.5%が基準値を超えており、女性の方が口臭リスクが高いことがわかります。

この現象の背景には、女性ホルモンの分泌量の変化があります。女性ホルモンは、口臭の原因となる歯周病菌の増殖や、歯周組織の炎症を進行させる作用があることがわかっています。特に、女性ホルモンが大きく変動する時期には、歯周病のリスクが急増します。

以下では、女性が最も口臭リスクが高まる時期について詳しく解説します。

・思春期の口臭

10代に入ると、第2次性徴が始まります。女子の場合、成長ホルモンに加えてプロゲステロンエストロゲンといった女性ホルモンが急激に増加し、身体のさまざまな部分に影響を与えます。

エストロゲンの増加により、歯周病にかかりやすくなるだけでなく、歯肉への血流量が増えることで歯肉炎のリスクも高まります。月経の際には、歯茎が傷つきやすくなり、出血することも珍しくありません。

これらの症状は多くの場合一時的なもので、虫歯や歯周病のケアをしっかり行うことで改善することが一般的です。

・生理前・生理中の口臭

生理前や生理中は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が大幅に低下します。エストロゲンが減少すると、唾液の分泌も抑制されるため、口内の雑菌が増えやすくなり、口臭のリスクが高まります。

また、生理前や生理中は女性ホルモンのバランスが乱れ、イライラしたりなど情緒の不安定さが増すことも知られています。このとき、体はストレス状態となり、交感神経が活発化します。結果として唾液の分泌量が減少し、生理前や生理中の女性は口臭が強くなりやすくなるのです。

・妊娠中の口臭

妊娠中は、通常の10~30倍もの女性ホルモンが分泌されます。このホルモンの影響で、唾液の分泌が知らないうちに減少し、雑菌や歯周病菌が増えやすくなります。そのため、妊娠中に強い口臭が発生することが多いとされています。

また、妊娠初期の「つわり」で、口の中に歯ブラシを入れるだけで気持ち悪くなる人もいます。妊娠後期にお腹が大きくなると、歯医者での診察が難しくなり、十分な口腔ケアができない状況になることもあります。

歯周病にかかっている妊婦さんは、そうでない妊婦さんに比べて早期または低体重児を出産するリスクが7.5倍に上るとされています。
マウスウォッシュや歯間ブラシを使ったセルフケアを心がけつつ、かかりつけの歯医者さんからアドバイスを受けるなどして、口腔内の健康を保つことが大切です。

・更年期(閉経前後)の口臭

閉経前後の約10年間は「更年期」と呼ばれ、この時期には女性ホルモンの分泌が急激に低下し、自律神経の乱れが生じます。その結果、唾液の分泌量が減少し、歯周病菌や細菌が繁殖しやすい口内環境が形成されます。

さらに、女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、骨密度の低下を防ぐ効果がありますが、更年期に差し掛かるとエストロゲンが減少し、顎の骨や歯を支える歯槽骨がもろくなることで、歯周病が進行しやすくなります。

また、唾液量の減少に伴い、口の中が乾燥する「ドライマウス」の症状が現れる人も多く、ドライマウスは40代以降に急増し、男性よりも女性が3倍かかりやすいというデータもあります。

40代以降はとくに、通常の歯磨きに加えて、マウスウォッシュやフロス、歯間ブラシなどを使った追加のケアが必要になるでしょう。

・ダイエット

無理なダイエットは、体にさまざまな悪影響を及ぼします。特に女性は無理なダイエットをすることが多く、「ダイエット臭」と呼ばれる口臭に悩むことがあります。

「ダイエット臭」とは、「飢餓臭」や「ケトン臭」とも呼ばれる、甘酸っぱく腐ったような独特の臭いのことです。
極端な食事制限や断食を続けると、体はエネルギーを確保するために中性脂肪やタンパク質を分解します。その過程で発生するのが「アセトン」「アセト酢酸」「β-ヒドロキシ酪酸」という「ケトン体」と呼ばれる物質です。ケトン体は果物が腐ったような甘酸っぱい臭いを持ち、汗や尿、吐息として体外に排出されます。

さらに、ダイエットによって食事の回数や量を減らすと、食べ物を噛む回数が減り、唾液の分泌量も減少します。これにより口の中で雑菌が増えやすくなり、口臭が発生しやすくなります。

また、栄養不足が進むと、体は基礎代謝を低下させ、少ない栄養で生き延びようとします。基礎代謝が低下すると、乳酸の処理が追いつかなくなり、乳酸の老廃物であるアンモニアが体内に蓄積されます。このアンモニアが呼吸として排出されることで、口臭の原因となるのです。

病的口臭

顔に手をあてがう体調の悪そうな女性

「生理的口臭」は健康な人でも発生しますが、何らかの病気が原因で起こる口臭は「病的口臭」と呼ばれます。病的口臭の90%は口腔内のトラブルが原因とされていますが、内臓などの病気が原因となる場合もあります。

ここでは、病的口臭の一例をご紹介します。

・虫歯や歯周病

虫歯は原因菌が作り出す酸によって歯が溶け、穴が開いてしまう病気です。

歯周病は、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットに歯垢(プラーク)が残り、細菌が増えることで引き起こされる病気です。細菌が増殖すると、歯茎が炎症を起こす歯肉炎や、歯を支える骨が溶ける歯周炎といった症状が現れます。

歯周病による口臭は、主に3つの種類に分けられます。
まず1つ目は「メチルメルカプタン」による玉ねぎが腐ったような臭いです。メチルメルカプタンは歯周病によって発生するガスの中でも、最も臭いが強く、歯周病を悪化させる要因とされています。

2つ目は「硫化水素」による腐った卵のような臭いです。こちらはメチルメルカプタンほど強くはありませんが、歯垢や舌苔からも発生する臭いです。

最後に、「ジメチルサルファイド」によって生ごみのような臭いが発生します。この臭いの強さには個人差があり、場合によってはかすかに磯のような臭いを感じることもあります。

・呼吸器・消化器系など内臓疾患による口臭

口臭の多くは口腔内のトラブルが原因ですが、まれに内臓の疾患が原因で発生することもあります。特に胃腸の不調は口臭につながりやすく、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、胃食道逆流症が代表的な例です。

胃炎や胃潰瘍、胃がんなどが発症すると、消化機能が低下し、胃の中で食べ物をうまく消化できなくなります。この結果、未消化の食べ物が胃の中に長く留まり、発酵して卵が腐ったような臭いを発生させます。この臭いは血液を通じて全身を巡り、肺から呼気として吐き出されます。

胃食道逆流症は、胃の内容物が食道まで逆流してしまう病気です。食道に逆流した胃酸は、強い刺激臭を放ちます。また、逆流した液体には胃液だけでなく、消化途中の食べ物も含まれるため、さらに臭いが強くなります。

一方、気管支炎、気管支拡張症、副鼻腔炎・蓄膿症などの呼吸器系の疾患も口臭に関連があります。鼻や気管支に炎症が起こると、細菌が繁殖し、その影響で口臭が発生します。
さらに、鼻炎などで鼻呼吸が難しくなると、口で呼吸することが増え、口内が乾燥してしまいます。乾燥すると唾液による自浄作用が弱まり、口臭が強くなりやすくなります。

このような症状が現れた場合は、デンタルケアだけでなく、早めに医療機関を受診し、根本的な原因を治療することが大切です。

・ドライマウス(口腔乾燥症)

ドライマウス(口腔乾燥症)は、文字通り口の中が異常に乾燥する症状です。生活習慣やストレス、薬の副作用などが原因で、唾液の分泌が低下することで発生します。

症状は軽度の「口の中がネバつく」といったものから、重度の「口の中がただれる」「食べ物がうまく飲み込めない」までさまざまです。唾液の分泌が慢性的に減少すると、細菌が増えやすくなり、それが口臭の原因となります。

・便秘

便秘は口臭とは関係がないように思われがちですが、実は口の不快な臭いの原因の一つです。便秘とは、排泄物が腸に長く留まり、スムーズに排出されない状態を指します。腸内には「善玉菌」「悪玉菌」が共存しており、このバランスが腸内環境の良し悪しを決定します。

便秘が続くと悪玉菌が優勢になり、有害物質が多く生み出されます。このとき発生するガスは強い臭いを持ち、通常はオナラや便として排出されます。しかし、便秘が長引くと、このガスが腸壁から血液に吸収され、最終的に呼気に臭いが含まれるようになります。

さらに、重度の便秘では、腸内のガスが逆流し、ゲップのように口から排出されることもあります。

便秘を解消するためには、善玉菌を増やし、腸内環境を整える食材(ヨーグルトや納豆などの発酵食品)を摂ることが有効です。

・糖尿病

糖尿病は、血糖値を調整するホルモンであるインスリンが正常に働かなくなることで発症する病気です。これにより血液中の糖の濃度が上昇し、放置すると心臓病などの合併症を引き起こすリスクがあります。

糖尿病患者の口臭が強くなる理由はいくつかありますが、代表的なものが「ケトン体」という物質の生成です。ケトン体は、糖の代わりにタンパク質や脂質が分解されることで発生し、非常に強い臭いを発します。糖尿病による口臭は、果物が腐ったような甘酸っぱい臭いが特徴で、病状が重くなるほど臭いも強くなります。

さらに、糖尿病患者はドライマウスの症状を訴えることが多いことも知られています。これは、糖の代謝がうまく機能しないことで唾液腺に異常が生じ、唾液の分泌量が減少するためです。また、免疫力の低下により歯周病のリスクも高まります。実際、糖尿病患者の7~8割が歯周炎などの口腔トラブルを抱えていると言われています。

糖尿病を発症した場合、治療と並行してこまめなうがいや口腔内の保湿ケアを行い、ドライマウスの症状を緩和することが重要です。

食生活や喫煙、アルコールによる口臭

タバコを吸っている女性

口にする食べ物や飲み物、タバコやアルコールは、口臭に大きく影響します。ここでは、口臭を悪化させる食べ物や嗜好品について解説します。

・ニオイの強い食べ物や脂っこい食事

ニンニク、ニラ、ネギなどに含まれる「アリシン」は、強い臭いが長時間残る物質です。アリシンは体内で分解され、血液に溶け込むと吐く息にも臭いが移ります。

また、揚げ物や脂肪分が多い肉類も口臭を悪化させる原因です。
体が脂質を分解するときに発生するガスは不快な臭いを持ち、血液に溶けて全身を巡り、肺から呼気として排出されます。肉自体には臭いがなくても、体内で分解される過程で悪臭が生じるため、脂身の多い部分は避けて食べるのが望ましいでしょう。

・コーヒー

コーヒーの香りはリラックス効果があり、1日に何杯も飲む人も多いかもしれません。しかし、特に空腹時に飲むコーヒーは口臭の原因になります。
コーヒーを飲むと、目には見えない細かいコーヒー豆の粒子が舌に付着し、これが舌苔の増殖を促し、口臭を強くします。

また、コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があり、体の水分が尿として排出されることで、一時的に唾液の分泌が減少します。

1日に2~3杯程度のコーヒーであればそれほど問題はありませんが、心配な場合は、コーヒーを飲んだ後に水を1杯飲むことで口臭を緩和できます。これにより、口内に残った粒子を洗い流すだけでなく、カフェインによる水分補給も同時に行えます。

・タバコ

タバコを吸うと、ニコチンの作用で唾液の分泌量が減少し、口内が乾燥します。その結果、歯垢の中で細菌が繁殖しやすくなり、口臭が悪化します。

また、ニコチンには血管を収縮させる作用もあり、口内の血流が鈍くなります。通常、口内の細胞は新陳代謝で古い細胞がはがれ落ち、新しい細胞と入れ替わりますが、血流が滞ると新陳代謝が低下し、古い細胞が残り続けて口臭の原因となります。

さらに、タバコに含まれるタールなどの有害物質も強い臭いを発します。煙として吸い込むことでその臭いが口腔内に付着し、口臭を引き起こします。

喫煙による口臭対策としては、口腔ケアの徹底やタバコの本数を減らすことはもちろん、ミントなどの消臭タブレットを利用するのも効果的です。

・アルコール

アルコールを摂取すると、肝臓が有害物質を分解し尿として体外に排出しようとします。この過程で「アセトアルデヒド」という成分が生成され、非常に強い臭いを発します。

アセトアルデヒドはさらに酢酸に分解され、最終的には無害な水と二酸化炭素に分解されますが、アルコールの過剰摂取や肝機能の低下により、アセトアルデヒドが分解されずに血中に取り込まれることがあります。これが肺を通して口から排出され、口臭の原因になります。
毎日のように飲酒を続けると、この臭いが体に定着し、飲酒していない時でも口臭が発生することがあります。

また、アルコールばかり飲んでいると脱水症状が進み、口内の乾燥も悪化します。

お酒を飲む際は、肝臓の働きを助け、脱水を防ぐために同量の水を摂ることを心がけましょう。

その他

頭を抱えて悩んでいる様子の女性

病気や生理的な作用ではないものの、口臭の原因となる要因はいくつか存在します。

・自己臭症

自己臭症とは、実際には口臭がないにもかかわらず、自分に口臭があると思い込む症状です。

これは対人恐怖症の一種とされる心因性のもので、重症になると精神科や心療内科での治療が必要になります。特に10代の思春期から20代の若者に多く見られ、自分の口臭が他人に不快感を与えていると考え、長時間の入浴や何度も洗濯を繰り返すといった行動が見られます。

治療の第一歩は、歯科医に実際に口臭の有無を確認してもらい、「自分は臭くない」と認識することです。

・加齢

加齢に伴い、体内にはさまざまな変化が生じますが、その一つに唾液の分泌量の低下があります。

厚生労働省の調査によると、口の乾燥を自覚している人は60代ではそれほど多くありませんが、70代を境に急増します。これは、全身の水分が加齢とともに減少し、唾液腺の機能が衰えることが原因です。

また、年齢とともに持病を抱える人が増え、薬の副作用で口の乾きを感じる人も多くなります。

さらに、近年の研究では、一定の年齢に達すると若い頃にはなかった臭い物質が口内に発生することもわかっています。

また、入れ歯や差し歯を使用する高齢者も増加し、これらの素材は細菌や歯垢が付着しやすく、適切なケアを行わないと口臭の原因となります。

・口呼吸

口を開けたまま寝てしまうことや、鼻づまりで口呼吸をすることが続くと、口内が乾燥しやすくなります。乾燥すると唾液の分泌が減少し、口内の衛生状態が悪化して強い口臭が発生することがあります。
また、口呼吸が原因で粘膜や歯の表面が乾燥し、歯石や歯垢が付着しやすくなることもあります。

日常的に鼻呼吸を意識することで改善が可能ですが、睡眠中に口が開いてしまう場合は、口呼吸防止テープの使用が効果的です。

自分の口臭を確かめる方法

口に手を当てる女性

自分の口臭は自覚しにくいため、口臭ケアが必要かどうか判断が難しいと感じる方もいるかもしれません。
まずは、以下のセルフチェック方法を試してみましょう。

舌の状態を確認する

最も簡単な方法の一つが、舌の状態を確認することです。
口臭の原因の約60%は舌苔によるものとされています。舌の表面が白くなっている場合、口臭があるかもしれません。
もし舌が白や黄色に変色しているなら、舌ブラシを使ってケアすることで口臭を軽減できます。

コップやビニール袋を使う

未使用のコップや清潔なビニール袋に息を吹き込み、その臭いをチェックするのも手軽な方法です。
息を吹き込んだ後は、容器を密封し、少し時間を置いてから臭いを確認すると良いでしょう。この方法なら、手を汚さずに簡単に口臭を確認できます。

デンタルフロスを嗅ぐ

デンタルフロスを使用している方は、使った後のフロスの臭いを嗅ぐ方法もあります。
歯と歯の間に詰まった歯垢や食べカスは、歯周病や口臭の原因となります。

この方法は、ケアしながら口臭の状態を確認できる一石二鳥の手段と言えるでしょう。

市販の口臭チェッカーを使う

あまり知られていませんが、口臭の強さを調べる「口臭チェッカー」という商品が様々なメーカーから販売されています。機能やサイズによって価格は異なりますが、数千円程度で購入可能です。
使い方は簡単で、センサーに向かって息を吐くだけです。ただし、歯磨き直後や喫煙後は正確な計測が難しいため、寝起きや空腹時にチェックすると、より正確に口臭の強さを把握できます。

口臭を直す方法は?改善策6選

鏡を見ながら歯を磨く女性

病的な口臭の場合、医師による治療が必要なこともありますが、生理的な口臭であれば、日々のケアや生活習慣の見直しで改善することが可能です。ここでは、口臭を改善するための6つの方法をご紹介します。

口腔ケアを徹底する

口臭の原因の9割は口腔内のトラブルだとされています。
しかし、食後に歯磨きをしっかり行っていても、歯ブラシだけでは十分なケアが難しいのも事実です。
日常的な口腔ケアでは、歯ブラシによるブラッシングに加えて、歯間ブラシ(フロス)マウスウォッシュを併用することが重要です。
歯間ブラシやマウスウォッシュはドラッグストアやコンビニで手軽に手に入ります。さまざまな種類の中から自分に合ったものを見つけましょう。

また、セルフケアで取り除けなかった歯垢(プラーク)は、放置すると固まり「歯石」と呼ばれる物質に変化します。歯石になると通常のケアでは取り除けないため、歯科での治療が必要になります。そうならないように、日々のデンタルケアをしっかりと行いましょう。

口臭を悪化させる食べ物や嗜好品を控える

お酒タバコといった嗜好品、ニンニクなどの強い臭いの食べ物を避けることで、口臭の改善が期待できます。

タバコに含まれるニコチンは交感神経に作用し、唾液の分泌を抑制します。これにより、口内の自浄作用が低下し、口臭が強くなる原因となります。

また、お酒を飲むと利尿作用が働き、脱水状態になりやすくなります。これにより唾液の分泌量が減り、口内が乾燥して「ドライマウス」になるリスクが高まります。

さらに、ニンニクやネギには「アリシン」という物質が含まれており、消化されると強い臭いを発します。この臭いは24時間以上体内に残り、口臭に大きな影響を与えます。

人と会う前や、大切な用事がある場合には、飲酒やタバコ、強い臭いの食べ物は控えるようにしましょう。

女性はとくにホルモンバランスと自律神経を整える

女性はホルモンの分泌量の変動によって、歯周病や口臭のリスクが高くなる傾向があります。
こうした生理的口臭を防ぐためには、ホルモンバランスや自律神経を整えることが重要です。

夜更かしや食生活の乱れはホルモンバランスを大きく崩す原因となります。朝食を抜いたり、過度なダイエットをしたり、日常的に睡眠時間が不足したりしている人は、口腔ケアと併せて生活習慣を改善することが大切です。

また、常に他人と一緒にいることで口臭を過度に気にすることが、余計なストレスに繋がることもあります。時には一人でリラックスする時間を持ち、ジョギングやウォーキングなど適度な運動を取り入れるのも良いでしょう。

こまめな水分補給で唾液を促す

唾液が減少して口内が乾燥すると、自浄作用が弱まり口臭が発生しやすくなります。

唾液の減少には、脱水症状や緊張、ストレスなどさまざまな要因が考えられます。こまめに水分補給を行い、緊張する場面でも飲み物を摂ってリラックスすることが効果的です。十分な水分を摂ることで、唾液の分泌が促され、雑菌の増殖を抑える効果があります。

この際、おすすめの飲み物はミネラルウォーター緑茶です。糖分を含む飲み物は虫歯のリスクを高めるため、無糖の飲み物を選ぶと良いでしょう。また、緑茶に含まれるカテキンは抗菌作用があり、口内の雑菌を抑える効果が期待できます。

ガムやマウススプレーなどの口臭対策商品を活用する

その場しのぎの方法ではありますが、ガムマウススプレーなどのアイテムを使用して口臭を和らげる方法も効果的です。とくに外出先や仕事中など、すぐに歯磨きができない状況では、これらの商品が重宝するでしょう。

ただし、マウススプレーには殺菌効果の強い商品もあり、使いすぎると口内の善玉菌まで減らしてしまう可能性があります。常用しすぎには注意が必要です。

口臭の主な原因となる舌苔をケアしたい場合には、スプーン1杯のはちみつを舌に乗せ、ゆっくりと舐めるのもおすすめです。舌苔にはタンパク質が多く含まれており、はちみつにはそのタンパク質を分解する作用があるからです。

疾患が疑われる場合は専門医へ相談する

虫歯歯周病はもちろん、消化器疾患糖尿病など、さまざまな病気が原因で口臭が強くなることがあります。そういった疑いがあるときは、ためらわずに専門医に相談しましょう。

また、「自分の息の臭いが気になって仕方ない」と強く感じる場合も、歯科医や口腔外科に相談することで、不安を解消できるかもしれません。

身近な人の口臭がきつい時、どう伝えるべき?

男女が楽しそうに歯を磨いている様子

口臭は自分では気づきにくいため、周りからの指摘で初めて自覚する人も多いものです。しかし、身近な人の口臭が気になる場合、どのように伝えるべきか悩む方もいるでしょう。

ここでは、相手を傷つけずに口臭を指摘する方法について、いくつかの例をご紹介します。

口臭ケアグッズを一緒に使う提案をする

恋人や家族など、一緒に住んでいる人の口臭が気になる場合、「一緒に使おう!」と提案するのが効果的です。
歯周病ケア用の歯磨き粉や、歯間ブラシ舌ブラシマウスウォッシュなど、その人に合った商品を購入し、洗面所に並べてみましょう。

その際、「前に使ったけどすごく良かった!」など効果をアピールすると、自然と使ってもらえる可能性が高まります。

歯医者さんの受診を勧める

根本的な解決策として、プロである歯医者さんに任せるのも有効です。
「最近歯医者さんに行ってないんじゃない?」と、あくまでも歯の健康を気遣う形で受診を勧めると良いでしょう。
具体的な歯科医院を調べ、「ここの歯医者さん、評判がいいよ」と情報を提供するのも効果的です。

水やガムを勧める

一時的な対策として、口臭の原因が口腔内の乾燥であることが多いため、水を飲んだりガムを噛んだりすることで口臭が軽減されることがあります。
お水飲む?」「ガムいる?」と、さりげなく口臭対策を勧めるのも効果的です。

正直に伝える

「少しだけ口臭が気になるかも」といった形で、やんわりと正直に口の臭いについて指摘する方法です。
まだ関係が浅い場合はショックを受ける可能性もあるため、信頼関係が十分に築かれている間柄で行うのが良いでしょう。

外部サービスを利用する

どうしても自分では直接言えないという場合には、口臭通知代理サービス「くちくさえもん」を利用するのも一つの方法です。
相手のメールアドレスが分かれば、匿名で口臭を指摘できます。
メールには、においの原因(歯周病など)や、おすすめのオーラルケア商品、ケア方法なども記載されており、相手に配慮した内容となっています。口調も「やんわり」から「強め」まで選べるため、相手に合わせた伝え方が可能です。

こまめにケアして口臭を予防しよう

ガラスのコップで水を飲む女性

毎日きちんと歯磨きをしていても、女性特有の要因で口臭が予防しきれないことがあります。今回ご紹介したケア方法やセルフチェックを参考に、口臭予防に役立てていただければ幸いです。

口の乾燥を防ぎ、口臭を予防するには、こまめな水分補給が欠かせません。
しかし、水道水をそのまま飲むのには抵抗があるという方には、「WACOMS」の据え置き型浄水器がおすすめです。「安全でおいしい水」を徹底的に追求し、赤ちゃんや妊婦さんも安心して飲める浄水機能を搭載しています。
毎日口にする水だからこそ、体にやさしい品質を選んでみませんか。

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参考

口臭の原因・実態 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
口臭 | 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
中年男性よりくさい!若い女性の口臭、気になる原因と対策とは? : 読売新聞
歯周病とは | e-ヘルスネット(厚生労働省)
日本臨床歯周病学会 | 口臭について
糖尿病患者さんの お口のケア | ティーアンドケー株式会社
喫煙者の「口の中」で一体何が起きているのか 口臭、歯周病、虫歯・・・リスクはてんこ盛りだ | 健康 | 東洋経済オンライン
自臭症 | みんなの家庭の医学 WEB版
【においのマナー】悩ましい職場でのスメハラ問題、相手をなるべく傷つけず上手に伝える方法(樋口智香子) | エキスパート – Yahoo!ニュース
口臭通知代理サービス くちくさえもん | あなたの代わりに口臭予防を伝えます

Wellcare- みずから健康・食・美をより豊かに -|WACOMS